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トップ剥がれ / Ovation 1687- (Adamas)

80年代後半から2002年までOvation の代理店(中尾貿易)で修理をやっておりましたので、こちらもそうですが90年代のOvation は全て見たと言ってしまいます。

木のトップとは違い、硬いのでトップは割れず、バインディングを突き破って、トップが剥がれています。

弦を緩めず、テンションを掛け続けた為に、ボディが分かり易く歪んでいます。

当方では、楽器をお返しする際は、必ず弦は緩めて管理して下さいと伝えてお返しします。

メーカーや、製作者が、弦は緩めないでくださいと言われる場合がありますが、空洞の弦楽器は、弦を緩めなくて良いと言う理屈は全く無いからです。

このままでは修理できない事と、90年代 Adamas のトップの接着剤はとても怪しいので、迷わず剥がします。

トップは割れませんが、あれだけボディがひしゃげれば、力木は剥がれます、接着が悪ければ、力木は全部剥がれて取れてしまうようなものもあります。

ボディが酷く歪んでいますのでトップがはまらず、ご覧の通り大変です。

何度も組んでは、削るところは削り、クランプ等の位置や力の掛け具合を変え、バランスを考えてはめていきます。

この画像はどのタイミングの撮影か忘れましたが、接着する際は、仮止めの時と若干雰囲気が変わりますので、それも想定してその時にまた考えます。

接着剤には、「アラルダイト」と言うエポキシを30年来Ovation の修理の際は使っていますが、思わぬ所で固まってしまわないように、ベタベタ処理はとても大変ですが、入念にします。


いつものようにネックジョイント部ボディの隙間を充填して補強します。


このような補強等、中尾貿易時代に先輩修理屋の佐伯さんに教えて頂いた。


日本最古(?)のオベイション専門修理屋。佐伯さん。


そういう意味では、私は2番目に古い。

割れたバインディングは直せませんので、作って雰囲気だけでも合わせます。

力木を直し、トップを貼り直したAdamasは,いい!

初期のAdamasの鳴り方の様になりました。