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ロッド交換 / Morris WJ-50

ロッド交換です。

マーチンタイプのロッド交換、不具合が出たり、折ってしまったりするのは、ほとんどトラディショナルスタイルのギブソンタイプなので、こっちは割りと珍しいです。

サウンドホール側からロッドナットを回しますが、折れてナットはありません。

 


 

新しいロッドに交換しました。

このロッドは、単純に交換するだけなのでロッドの交換そのものは、とても簡単です。

ネックの角度が狂った場合は、ネックを一旦外して角度を直しますが、これに関しては指板を剥がして、ジョイントが露出しましたので、ヒールにくさびを打って半強制的に角度を修正します。(丸部分、ダブテール下はおまけ)(くさびに使ったスペーサーはOvationのシムなので、硬くてつぶれたりしない。)

大昔は指板を14フレット(ジョイント部)から切り取ってこのようにクサビを打って角度を修正する方法もよくやられていたように思います。

おそらく現在より専門のリペアマンが少なかったのかなと想像しますが、これでしたらネックを外すよりいろんなリスクが少ないですし、手っ取り早いです。

ただしその場合、指板を切り取ってしまうので、跡が残ります。

正しい修理方法は有るが、万人にとって正しいかと言えば、そうとは限らず・・・見た目はとりあえず、弾き易く、なるべくお金が掛からず、ギターにとっては強度が保てればよい場合があったり、勿論お金がかかってもなるべくきれいに、ギターにとっても正しくやりたい人もいる。

こちらのギターは、ロッドを交換してまたこのギターを使えるのならば修理したいとの旨、角度は割りと悪いのは分かっていましたが、これ以上お金を掛からない様に、私が忖度した修理。

余計なお世話だと言われてしまいそうですが、この修理で結構な料金が掛かかってしまう事と、指板は全部剥がしますから切り取らずに、この方法で対処できると見込んで。

 

指板を貼り直す場合は、指板修正、フレット交換は大概必要になります。

クサビを打った分、隙間が出来ますので、その部分は詰め物をします。


貼り直した跡はある程度ズレますので、削って合わせて、塗装修正します。


削った部分は色が取れますので、色も合わせます。


リフレットしましたら、ナットも作り直します。


Gibsonじゃなくてコレがイイの。

ぼくらおじさんは。