修理実績

フレット交換 / Fender Stratocaster

リフレットします。

グリスアップは出来る時にしておきます。

 

ネックジグ、と言うこのような仕事の作業精度を安定させる道具があります。

アコースティックギターが主な修理屋としては、アジャストロッドではないネックのリフレットの際等にネックジグが必要です。

チューニング後にアジャストしてある状態に仕上げなければならないからです。

 

ですがこれがあったとしても、この道具の癖もわかって来ましたので何でもかんでもそれを使う事はしません。

何ででしょう。恐らくあのような天才的な道具を開発する人のレベルに私が追い付いていないので、すごく良い仕上がりなのですが、思うのとちょっと違くなるのだと思います。

現に全てにネックジグを使って完璧な仕事をしてる人もいると思いますが、私の場合、「すごくいいけどちょっと違う」と思いながら使うのではなく、分けて使います。

 


 


 


 


 

引越しをして、ネックジグの置く場所も心配することなく入手し、ネックジグ導入後、ブログにて掲載しましたが、この時はまだありません。

引越して直に1年半になりますが、引越し前の画像です。

出来るだけ古い順にアップしていますが、全く追いつきませんので直近の2~3か月は、あまり撮っておりません。

ブログに掲載不可の場合は使用不可とお申し付けくださいとHPやお預かり書にもありますが、逆にブログにアップされることをお待ち頂いている方もいらっしゃいましたので、その場合は「絶対使用」の旨、お伝えください。

順次、掲載いたします。

よろしくお願いいたします。

ネックリセット/ Gibson Dove


なるべくやった順番でアップしていくようにしておりますが、同じような修理やモデルが続く事がなぜか良くあります。

日付が近いのでこの前のDaveと画像がどっちがどっちか分からなくなります。


ネック角度を調整しましたら、接着剤なしでテンションを掛けてもジョイントに隙間ができない様シムを調整して入れます。

メイプルとエボニーで分けている訳は特にありません、たまたま。

シムはなんでもよいと思いますが、一時期のマーチンやラりヴィーみたいに紙でシムを作っちゃ絶対ダメです。

特にマーチンは生産本数が多いのでホントに良く見ますが、ヒールにわずかに隙間ができている場合は紙シムが入っている事がよくあります。

ネックジョイントを蒸気で温める場合は、何が何でもジョイントの空間を探さなければならず、空間がどこにあるのか分からないギターはその空間を見つけるまで何度もドリルで探します。

空間がほぼ無い場合もありますので、その場合の判断はホントにムツカシイ。

現在は昔のように蒸気で外すことは無く、熱棒を差し込んで温めますから最悪、ジョイントのポケットが見つからなくても温める事が出来ますが、出来るだけその空間の中で温めるようにします。

 

 

 


1弦側と6弦側のバランスが逆になる場合は、6弦側が低くならない様に意識するのでサドルが高目になる場合があります。

これ以上高くなりますと見た目が好くありませんので、上げる場合も下げる場合もどちらに転んでも良いようにネック角度を決めて行きます。


ジョイントから下がらない様に指板に厚みを付けます。

 


指板を修正してフレットを交換。


ナットも作り直します。

 

 


ブリッジプレートも補修。

ボールエンドの向きはどっちでも良いのですが、私の場合は基本横向きで弦の根元の太くて出張っている方が下側にならない様に弦の向きを決めます。

 


ヒールを一所懸命接着しても意味無いのです。


くどいようですが、ジョイントがちゃんとして無いとダメなんです。 

 ナイスギター!

 

 

 

 

フレット交換 / Gibson LG-2

リフレットします。「指板修正、フレット交換、ナット調整(通常はナット交換)」

フレットは、半田ごてで温めながら抜いていきます。

フレットを温める事によって、溝に入っている接着剤を緩めたり、木を温めて抜く際に割れにくくしたりします。

半田ごてはフレット以外の部分に触れた場合は、一瞬で焦げてしまいますので、細心の注意が必要です。

 

現在は何の作業をするにも専用の道具がありますので、とても便利になりました。

昔は、フレットを抜く専用のニッパー等はありませんから、喰い切りの上部を平らにグラインダーで削って専用工具にしてました。

ステュマックには当時からあったような記憶もありますが、自分で作るのが面倒な人が買う物かと思っていました。

 

 


 


 


 

リフレットの場合は、基本的にナットは作り直しますが、古いパーツを残したい場合は底上げなどして調整し直します。

但し叩いて外せないナットは、壊して外しますので残すことができません。

 

 


 

エレキの場合は出来る限りオリジナルパーツが残っている方が良いみたいですが、アコギの場合はそれほどではなく人によるところみたいです。

アコギの場合、特に古い物は修理してある(する)事が当たり前な所がありますので、見る人の価値がわかれるのだと思います。

 

弦高を下げるのに、サドルでは削る高さが無くなり、ブリッジを薄く削って下げてある物もあります。

そういったギターを更に弦高を下げなくてはならない場合は、ネックの角度を直さなくてはなりません。

その際、薄くなったオリジナルのブリッジに角度を合わせるか、新しく元の厚さのブリッジに作り直してネックの角度を直すか、分かれるところです。

この判断の別れ方も、ハカランダの材料があれば交換するという条件も入ったりしますが、ショップでも考えがわかれます、皆さんならどうされますか。

私のギターなら、インディアンローズでも交換します、そこまでやってブリッジうすい、っていうのはどうもいやかな。

でもまだハカラダあるからね!

 

 

ロッド交換 / Gibson Dove

ロッド交換します。

ネックアイロンで温めて指板を剥がします。

折れちゃってます。

 


ネックを外して角度も直します。

指板が剥がれているので、ジョイントが見えて都合が良いです。


ずっと前から馴染のバイク屋でロッドエンドは 溶接してもらっています。

随分前からもう乗ってないけど、DRAG☆ONと言うバイク屋さん。


長さを決めて、切ったら…


ナットの溝を切ります。

こんなに溝を付けなくても良いと思うのですが、オリジナルがそうなっているのでマネします。


埋木はウォルナット。

なんか見た目が好いです。

 


指板を貼る時にちょっとだけテンションを掛けます。

指板はネックの元の位置には収まらず多少、時には大きくずれます。

指板を剥がす前にフレットの位置で3か所、ダボを打つ位置を決めますが、ズレるのは剥がした時点で反るのだと思います。

出張ったとこは仕方ありませんので、削って合わせます。

 

削れば、色も合わせなければならず、塗装修正は必須です。

うんと古いギター等は、指板がズレずに元の位置にビタッと戻せる事もありますが、なぜかは分かりません。

剥がしても反らないと言う事なのでしょうが…ピタッと戻る事が腑に落ちないのは変な感覚。

 


指板面も修正してリフレットします。


リフレットしましたら、ナットも作り変えます。


Gibsonはネックとボディ一緒に塗り込んでいますが、見た目がおかしく無ければボディ側は塗装しません。


昔は、わざわざボディと一緒に塗り込んでいましたが、手間だし特に意味も無いので必要が無ければやりません。

 


 


 


 

 


ネックに角度が付きますと、14フレット以降が下がりますので、指板に厚みを足します。


 


弦高は1弦側から6弦側にちょっとずつ高くなっていくようにバランスを取ります。

ですのでサドルは6弦側が少し高くなっているのが、見た目も良いのですが、ブリッジの厚みの差等、何らかの理由でバランスが逆になってしまう事があります。


70年代Gibsonも中々味わいがあって好いです。

自分の70年代J-45もとても良く気に入って弾いていたのですが、甚く気に入ったお客さんに買われてしまいました。

 

 

ボディ(トップ)剥がれ / Ovation 1687-8

あちこち剥がれています。

弦高が高くて弾けない原因は、これ。

何故かと言えば。

ネック角度が狂った為→弦高が高くなる。

ボディがひしゃげて→角度が狂う。

ボディがひしゃげて→トップ剥がれた。

この年代の接着剤は柔らかく、剝がれやすくなっているものも沢山見ました。

 


ふわふわした接着剤を除去してアラルダイトで接着します。


もっと締まった音になる筈です。

 


Adamsの場合、音が悪い原因はこれかなと思っています。

 


過去のブログでも何度も見て頂いております。


ジョイント部の空洞。


少しでも強度が上がるようにエポキシパテで補強します。


でも弦を緩めず放置すれば必ず、また支障は出ます。

 


Ovationのネック角度を決めるのは難しいです。

通常のトラディショナルなサドルであればここまで高くはしません。


リフレットしました。

この部分の処理が大変です。


元のフレットのエッジは斜め過ぎてカッコ悪いので立てます。


リフレットしましたので、ナットも作り直します。

 


通常はヒールを削って角度を調整しますが、Ovation の場合は、シムを用いて調整します。


勿論決まりではありませんが、Ovationの工場と同じ方式でセットします。


Adamsを指板修正する場合は、ヘッドのこの出っ張りに触れて(削れて)も良いか否か検討して頂きます。


その部分が多少削れても良い場合は、真っすぐに指板を調整できます。

 

指板の調整は、フレットが乗る溝の部分が真っすぐに揃えば良いので、その他のフレット同士の間(弦を押さえる所)は歪んでいても問題はありません。

なので、多少カッコ悪くてもナットの前が削れていなくても問題ありません。

しかし、ヘッドの出っ張りを触らずにやる場合は、ヘッドに行かない様に1フレット目で削る手を止めますので削れ方が少なくなります。

1フレット目から真っすぐになっているか確認し、ダメなら辻褄が合うように改めて調整し直します。

 

ボディ割れ(ネック角度狂い) / Gibson LG-2


 

この状況は何と言えば良いのでしょうか。

以前1度聞いた事が…ショルダー部が潰れてリンゴのようになってしまう…アップル何とか…

こんな感じ→  https://www.m-guitars.com/blog/2118/  

 

ネック(指板)がサウンドホール側へずれてしまって、弦高もかなり高くなってしまっています。

ズレを修正して、割れを接着しますが、1番重要な作業はこの修正箇所周辺の力木の剥がれをしっかり接着する事。

 

ズレを戻せばネックの角度もある程度は戻りますが、かなりな見た目の状況ですのでネックを抜いて角度を修正する事も予定しています。

 


 


 


 

 

 

ボディのズレを戻しただけで、角度も十分良い状態になってしまいました。

修理代も見積もりより大分安くなりましたー。


 


 


 

割れ修理は勿論大事ですが、それより力木の剥がれを見落としちゃいけません。

ちからぎっ!とは、よく言ったもんです。

 

 


 


 


 

指板(ネック)の状態は良くありませんでしたので、修正して新しいフレットに交換。

新しいフレットに交換したら、新しい第1フレットに合わせてナットも作り変えます。(もしくは調整します。)

 

このような事も勿論ですが、あんな事やこんな事いろんな事が起きなように、弦は必ず緩めましょう!

335のように中心にブロックが入っていたり、厚い板にネックが付いているギターであればそんなに心配しなくても大丈夫かと思いますが、

製作家の先生や、有名なメーカーが緩めない事を推奨してもそれが「アコースティックギター」であればしっかり緩めましょう。

いつの頃からか、クラシックギターをクラギと呼んでフォークギターをアコギと呼ぶ人が出てきましたが、どっちもアコースティックギターでございます。

 

 

ネックリセット / Martin Custom


 


 


 

 

ネックの反りを修正したり、角度もネックを取り外すことなく、ネック修理専用のアイロンを使って修正する事もあります。

ネックを外しませんので、預かり期間と修理費を抑える事が出来ますが、当方ではお勧めはしておりません。

お勧めしない理由としては、確実な修理とは言えず、修理としては簡易的でまた元に戻ってしまうデメリットがあるからです。

メリットは「早い、安い」。

私の場合経験上、メーカーによっては良い結果が全くイメージ出来ないブランドもあるのですが、なんでもアイロンで直してしまう人もいますから、これは私の技術力不足の為かもしれません。

 

その他にもジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する方法もありますが、ネックリセットする事と比較すると少しは安く上がるのかもしれませんが、見た目も悪くなりますし、現在ではあまりメリットが感じられない方法のような気がします。

大昔はネックリセットする事より、ジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する修理屋さんも多くあったように思います。

その場合は、指板を14フレットまで剥がしてジョイント部にクサビを打ち、ヒールに隙間が出来ますのでそこも修正しなければなりません。

現在では道具の進化もあり、ネックを外す事は、どの修理屋でも可能になりました。

 

 


 


 


 

 

 

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Gibson J-45


当方のネック折れ修理は、タイトボンドは使わず、補強しなくて良い接着をします。


しっかりと奥まで接着剤が行き渡る様、亀裂程度の割れは出来る限り開いて接着剤を差し込みます。


手で広げようとすると力が入り過ぎて想定以上に折れてしまう事があるので、開きずらい時にはクランプを使って開きますが、いずれにしても大きく開いた方が接着剤がよく行き渡ります。

 

 


塗装修正無しの仕上げの場合は、見た目は気にしない前提ですが、手触りに違和感が無いように仕上げます。


塗装が欠けてしまっている部分は、埋めて修正します。


何度も親指でこすりながら変な感じが無いか確認します。

 

 


 

いつも見て頂いている方々には、毎回同じような修理ばかりで申し訳ないです。

なのですが、補強要らずで、塗装修正もしない修理をしている修理屋は割と少ないと思いますので、修理例を出来るだけ多く見て頂きたいと思っている次第です。

塗装修正無しの場合は見るも痛々しい見た目になる場合がありますが、それも全部見て頂きたいのです。

塗装修正をしない仕上がりと塗装修正した仕上がりも比較もして頂きたく、どの程度塗装が出来ているのか。

勿論、日常他の修理もやっていますが、ネック折れ修理など沢山見て頂きたいものはこのように多くなってしまいます。

ご了承頂いて、今後とも末永くお付き合い願えれば幸いでございます。

 

 

 

フレット交換 / Morris

 

リフレットのタイミングは、それぞれですが、こんな感じになってくるとそろそろ変え時かなと感じ人が多いかもしれませんが、もっとフレットが減っても関係なく使っている人も多いです。

いつフレットを取り替えたら良いか考えあぐねている人も多いと思いますが、交換時期が分からない方は何かしら不都合が出てきたら交換の時期とすれば良いかと思います。

音がつまる(ビリつく)、弾き難くなった、等々…

 


 


 


 


 

ギター、車、時計、鞄、いろいろと普段使いの道具はありますが、大事に使い続けている物ってとてもカッコよいです。

私にとって大事にすることと言うのは、”傷つかない様につかいましょ。”という事ではなく、調子が悪くなったら調整したり壊れたら修理して使い続けているものなので、そう物をいつもカッコよいなと感じます。

 

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Epiphone Masterbilt


ネックが折れています。

丸く飛び出しています。


押してパチッと収まれば一件落着なのですが、戻りません。


押して戻らない部分は、戻らない原因部分を削ったりして戻します。


一向にきれいに収まらないので、取ってしまいました。

 

 


取り外してしまえば、やりやすくなりますが、ダメージが大きくなるかもしれないので、あまりやりたくは無いのですが…


しかしそのままくっ付けてしまう訳にはいきません。

取っちゃって正解でした。


塗装修正は無しのプランなので、剥げた所はそのまま。

欠けた部分は、足して手触りに違和感が無いようにします。


まだ新しいから、ショックだったでしょうね。

 

ハードケースに入っていても倒れた際には、中で折れている事はよくあります。

いずれにしても、倒れない様に気を付けて下さい。

そして弦は、しっかり緩めてね。