フレット

リフレット / Fender Stratcaster


おっと、撮る前に抜いてしまった。

いつも途中までやって気が付きます。


もしくは忘れたまま過ぎてしまいます。

 


3弦辺りもフレットが、こんなに減っています。

 

フレットの交換時期についても多い質問の一つです。

フレット交換するか否かについても、修理した方が良いか否か、聞かれた時と答えは同じです。

オーナーが決めればよいのです。

「このフレットまだ交換しないの?」→と言われたって音もビリつかないし、弾き難くもないし不都合が無いのですから。

「もう交換しちゃうの!」→と言われても交換したいのですから。

「修理した方が良いのかな?」と考えた時は、弾いていて不都合が無ければ無理にお金を掛けなくても良いと思います。

ネックの角度が狂ってたって、その人が弾く分に問題が無ければ修理する必要は無いのですから。

それでもと言う方は「ネックの状態がこうで、力木がこうなってて…」等々、修理屋が教えてくれますから、把握したうえでオーナーが決めればよいと思っています。

 

 

 


おっと、フラッシュが焚かさってしまった。「~さる」って北海道弁なんです。


身内が北海道にいたり、若い頃一人でバイクで回ったり、縁があります。

 

7日間、1日も連泊せずに走ったけど、「ほっかいどー、でっかいどー」と、誰が言ったか、ホントでした。
またバイクで行きたいな~
 
 

 

フレットのエッヂは斜めにし過ぎない様に仕上げます。

好みの差ではありますが、斜めに削り落してしてあると手抜きに見えて好きではないのと、ナットの溝の位置を余計に(特に1弦の位置を)内側に入れなくてはならなくなるのが好きでないんです。

 

 


 


 


 

Fenderのナットは作り慣れていないので思いの外、慎重になったりします。

昔若い頃、「あれ、何でちゃんとできないんだー…」とハマった事があります。

エレキの修理が慣れている人にはなんて事ないかもしれませんが、振動がヘッド側に逃げない様に、かと言って溝がきつ過ぎてはダメ。

どのナットも注意点は同じですが、これの場合ヘッドに角度が無い分ダメさが出やすいのです。(3弦にガイドが無いとホントやです)

 

フレットすり合わせ / Gibson J-160E

フレットを抜く際には、半田ごてでフレットを温めながら作業するのですが、このパーロイドのインレイには絶対に半田ごてが触れてはいけません。

貝では無いので、間違うと一瞬で溶けます。

今回はすり合わせ。

ガムテープ等でピックアップを覆っています。

鉄粉が付いてしまうと取れなくなってしまい、出音にも影響が出てしまいます。

 

 

 


当方では、この段階ではまだマスキングはしません。


途中までは、指板と一緒にきれいにしていきます。

 


途中から仕上げ段階になってからマスキングテープをします。

この消しゴムみたいなもんで隅を研いだりします。

 

 


ブロンズ弦であれば画像の様に1,2弦のポールピースを下げます。

ニッケル弦なら1,2弦のポールピースはもっと上げて良いです…。

 


フレットはきれいに仕上げます。細かいキズがあるとビブラート中に「ショリショリ」なってしまいます。

目立ったキズがあれば演奏にも影響が出てしまいます。


こんなにピカピカしている必要はありませんが、滑らかでなくてはなりません。

ピカッとしようとして、各々サンドペーパーで磨く量が異なってはいけません、精度が崩れます。


いいですな~。

 

 

 


 

ブログ用の過去資料がまだ引越し前の物も残っていて、なるべく古い順からアップしているのですが、最近では、すり合わせや指板修正にこんなものを使っています。

これは、Neck Jig と言う物で、私の目的ではアジャストロッドの無いギターの作業に欲しかったものなのですが、引越し前では置く場所も無く、道具としては割と高価な物でなかなか買いそびれていた物。

ネックジグを自作している人もちらほらいらっしゃいますが、この精度と強度の物を自作するのは私には無理。

これ、一旦使いだすと、とても良いです。

勿論アジャストロッドの物にも、色々考えずに精度が出ます。

Neck Jig に関しては、またそのうちに折に付け触れるかと思います。

 

 

 

 

フレット交換 / Gibson J-200

早いもので、年が明けて1週間が過ぎてしまいました。

本年もよろしくお願いいたします。

令和3年最初は、修理屋の仕事の定番、リフレットです。

 

この場合、P/Gが邪魔で作業が出来ませんので、外して作業を進めます。

バインディングも斜めに削り落とされていて、ここもフレットの処理が面倒そうです。

古いギターは極力いじりたくない人もいますが、演奏していて楽しい方が良いに決まってます。

 

 

とても良く聞かれる質問の一つがフレットの交換時期について。

修理屋にもよるかと思いますが、当方の答えは、「オーナー次第。」

フレットがvの字に削れてしまっていても不具合を感じなければ無理に交換しなくても良いと思いますし、弾き難さや音質の劣化等フレットが原因であれば、交換時期なのだろうと思います。

 

 


指板修正、フレット交換が済みましたら、接着面を双方ともきれいにして貼り直します。


張る前の下準備は抜かりなく。

両面テープで貼ります。


クランプして1日以上置きます。

 

 

 

指板とフレットはサイドが下がっていると気持ちが悪いので、アールが付いている指板だからと言っても削り過ぎてはいけません。

このギターも過去に色々な調整や修理を繰り返したのだろうと思いますが、削ってしまえば元には戻らないので、極力削らない様にうまい事やらなければなりません。

 

 


 


 


 

 


修理やフレット交換がとても良く出来ても、ナットが悪いと0点になります。


ナットはピッチの安定性、音質、演奏性、すべてに関わってきます。

修理依頼によって重点はあると思いますが、関わる全てにおいて拘らなくてはなりません。

 

 

と、このように自分を戒める為のブログでもあります。

わたしなどは、抜けている所が多いものですから、出来る限りポカしない様にと、今年も同じようなブログが続きます。

本年も引き続きお付き合い頂ければ、幸いに存じます。

 

指板修正(リフレット)/ 手工品(D-45コピー)

D-45 を模した手工ギターです。

フレット抜いて、指板を修正します。

想像するに、調整しないでそのままフレットを打っちゃったという感じだと思うのですが…

指板の雰囲気としては、なしてこんなに歪んだ?という感じ。

 

フレットのすり合わせをする機械というのがあるらしいのですが、とりあえずそれでやってみてもらったようですが、問題解決にならなかったようです。

物事には各々の基準や物差しが違いますので、判断が異なるのは仕方ないと思います。

当方であれば、この状態でフレットのすり合わせという選択は無いのですが、この状態でビリつかない様にすり合わせをするのであれば、ポジションによってはフレットがぺったんこになるような調整になったはずだと思います。

 

 

 


 


 

ご依頼人のお話によれば、「この先はネックリセットが必要なので、アコースティック専門の修理屋で、」と言う事で、プランの流れが良くわかりませんが、当方をお勧め頂いたようで嬉しかったですけど、こちらのギターは当方の見積もりではネックリセットの必要はありませんので、ショップによって判断基準の違いを改めて痛く感じた仕事でした。

ですので、逆にうちで納得いかなかった人が他所で見てもらったら「こんな事したの?」なんてことが無いとも限りません。

判断基準が違うのですから、当方を信頼して頂くお客様には本当に感謝いたします。

 

弦高も下げられて弾き易く、サドルもこの位あれば十分です。

指板のアールはMartinよりフラット。

さだまさしさんのこういうギターありませんでしたっけ。

 

さださんで 一つ思いだした話があります。

私(葛飾区出身)が中学生の時、中川中学から転任して来た、理科の中島先生が授業中に話していたこと。

「彼(さだ君)はね、授業中一切ノートは取らないけど、全部、記憶している。集中力がすごい。」

「キミ達もそうしなさい。」位の勢いで話されていましたが、無理です。

ただただ、ノートを書かない子になるだけです。

バイオリン以外の事はやらなかったという、さださんの天才っぷりがほんとによくわかったお話でした。

 

 

フレット交換 / Gibson LP jr.


 

こちらのギターは、依頼人様のご友人の形見。

ご自身は左利きでこれから、このギターで練習する予定。

フレットを交換して、左用に直したいとの事でしたが。

今後転売する事は無いにしろ、今となっては非常に貴重なギターですので、これから練習するのであれば、右用のこのままで練習されてはいかかですか、と言う流れでリフレットのみのお預かりとなりました。

特にこのTVカラーは昔からサンバーストより高価でしたので、このまま残して頂ければ幸いです。

 

 

私が持っていた57年のサンバーストのjr.は、委託で17万円で売りに出しましたら、お店の方々に「皆ちゃん、高いよ。」と言われたのが、今から33~4年前。

スタンダードは昔から古い物は高かったのですが、いつの頃からかレスポールと名前が付けば昔では考えられないような値段がついています。

 

 

 


オールドギターの指板調整は出来る限り最小限に、もしくはやらずに。


オールドギターのナットは、交換せずに残す場合もあります。


その場合は高さが足りなくなりますので、底上げします。


目立たない様に出来れば良いですが、線が見えます。

画像だと余計に目立ち


フレットのエッヂは斜めにし過ぎず立てて仕上げます。


オールドの場合、ナットの1弦、6弦の溝がエッヂに近めなことが多い為、尚の事フレットのエッヂは立てて弦が落ちない様に。


リクエストがあれば、エッヂは斜めに落としますが、基本この形です。


エッヂを立てて仕上げますと処理が面倒ですが、この方がカッコよいと思っています。


どこを見てもカッコよい。


どこ見たってカッチョイイ。


いいですな~。

 

 

フレット交換 / Ovation 1768

私(皆川)の方のブログは、続いてもOvation のフレット交換です。

前回のは、カスタムレジェンドと言うモデル、4桁のモデルナンバーの最後に9が付いたモデル。

 

こちらは、エリートという機種名が付いたモデル。

4桁のモデル番号の最後が8です。

こちらの方がリフレットは面倒です。

 

 

このギターは黒なので、1768-5となります。

以前にOvation のカラーナンバーの事をどこかのブログの記事で書いた記憶がありますので、記事を探してみました。

Ovation 1881-NBBG ←ここに書いてあります。

 

モデル番号に関しては、ややこしすぎて説明が不可能です。

 


ここの部分フレット打ちがとても難しくて処理も面倒なのです。


他の部分は、通常のギターと同じ作業。


ナット交換も同じ。


エポーレットの色が退色してる感じがカッコよいです。

 

リフレット / Ovation 1769

Ovation のフレット交換です。

保証書の字がみえませんが、撮ってある事は当時私が付けた保証書なんだと思います。

修理カードは先輩の修理内容の文字

 

当方で昔Ovationの代理店で10年程修理をやっていた事を知ってもらえるようになって、最近Ovationの修理が増えてきているのですが、気に入って使い続けている人が沢山いるのだと実感しております。

ただ、電気周りの修理が直ったり直らなかったり、欲しいパーツも入手出来ず、ままならないのが心苦しい所であります。

 


 


 


 


口輪はずっと無いまま使っているそうです。

 

リフレット / Orville Les Paul

このギターがどうだったかは覚えていませんが、指板へのオイルは程々にしましょう!

オイルなのだから、きっとやればやるだけ良いと思い込んでいる方がいるようですが、オイルも水分ですのでやり過ぎは返って逆効果です。

表面が乾いてきたら塗って、塗ったら拭き取りましょう。

それ位で十分です。

今回のようにリフレットの場合は、指板修正しますのである程度改善しますが、現状ですり合わせをしたい時や塗装の際のマスキングに困ります。

中まで浸透している指板は、溶剤で拭き取っても拭き取ってもマスキングテープが貼り付かないのです。

 

 

オイリーフィンガーボードは、サンドペーパーはすぐ目詰まりしちゃうし、しないと後々面倒なので意地でもマスキングテープをしたいのですが、剥がれてしまいますし、貼り付かないから、すごくイライラしてしまいます。

 

 

 


オービルさんは最初からオーバーバインディングでした。

 


私はやりませんが、私の仕事仲間でエレキの事で頼りになる人は、ギブソンのフレットバインディングを温存してリフレットする技があるそうです。

・・・アメージングでございます。


ギブソンのあのフレットバインディングって言うのは、何ででしょうね。

見た目の良さを追求したのでしょうか。

果たしてあれが見た目が良いかは私にはわかりませんが。
手間がかかる上に、演奏上障害になる場合がある事は知ってます。

 

 

 

 

ちゃんとディープジョイント。

プレーンなトップもGood!

 

フレット交換 / Takamine PT-106

交換依頼です。

「フレット交換、リフレット(指板修正、ナット交換、他調整込み)」

ある程度フレットに高さがあるものは、すり合わせをして整える場合も勿論あります。

 

すり合わせの場合は、削れて減っている部分まで削ってすり合わせてフレットの形状を直しますので、フレットは全体的に元より低いフレットになります。

 

フレットが減り始まったら交換する人、すり合わせをして整え直す人、区々です。

どのくらい減ったら交換と言う標準はありません。

弾き手の好みにより決まります。

もしくは、納期や懐事情等。

 


「もう交換しないとダメですよね。」と時々諦めの声を聞きますが、標準は無いんです。


勿論限度はありますが、通常は低過ぎて弾き辛いものでも全く関係ない人もいます。


フレット交換だけでなく他の修理であっても同じです。


「ここと、こことここ、を修理が必要、と言われたのですが…」

と、ご相談も時折あります。

 

 


 

体の病気では無いのですから、そんなに深刻にならなくても大丈夫です。

自分で決めればよいのです。

弾く人が問題無ければ誰の言う事も聞かなくて大丈夫です。

体の事はお医者さんの言う事をちゃんと聞いてください。

私達はお医者さんでは無いですから。

 

高いギターは心配になりますが、弦がちゃんと緩んでいれば大丈夫。

継続して乾燥状態や過湿、高温状態、そして弦張りっぱ、に無ければ大丈夫です。

長くほっといておかしくなる場合は、これのどれかの状況下にあると言って過言ではないと思います。

 

 

フレット交換 / Collings D-1

リフレットします。

新しいフレットを打つ前に古いフレットを抜いたら指板を修正します。

 

指板はテカテカになってしまうとカッコ悪いので、あまり細かい番手まで掛けません。

フレットは細かいキズでも残っていると音や演奏性に影響が出ますのでフレットはきれいに磨きます。

 

 


フレットのエッジは1ヶ所1ヶ所丁寧に仕上げます。


フレットが新しくなったら、ナットも作り直します。


良い感じです。