どうでしょうか、ぱっと見、元々ノーマルサドルだったように見えませんか?
元の木目を伸ばしたりつなげたり、色味を寄せてみたり、一旦拭き取ってから再度チャレンジしたり。
割れ修理、埋木跡など上手くタッチアップが決まるととても楽しい気分になります。
映画の特殊メイクの仕事とか、きっとメチャクチャ楽しいんだろうなぁ、、と飛躍して考えてしまいます。日本人でもアカデミー賞を取った特殊メイクの人がいたような、いなかったような。。
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
どうでしょうか、ぱっと見、元々ノーマルサドルだったように見えませんか?
元の木目を伸ばしたりつなげたり、色味を寄せてみたり、一旦拭き取ってから再度チャレンジしたり。
割れ修理、埋木跡など上手くタッチアップが決まるととても楽しい気分になります。
映画の特殊メイクの仕事とか、きっとメチャクチャ楽しいんだろうなぁ、、と飛躍して考えてしまいます。日本人でもアカデミー賞を取った特殊メイクの人がいたような、いなかったような。。
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
いつも同じ事を書いておりますので、当の昔に書く事は無いのでありますが、ありがたい事にこのブログを欠かさず見て頂いている方の為にはなにか思いだして、ちょっとだけでも新しい事を言いたいのですが、それもままなりませんので常連さんには、これからはたまに上がるイレギュラー的な修理の回をお待ち頂ければ幸いでございます。(なかなかないのでございますが…)
そして当方のサイトに今回初めてお越し頂いた方もいらっしゃると思いますので、いつもと同じ事を一読いただければ幸いでございます。
当方のネック折れ修理は、基本的には補強の必要のない修理を(接着剤を使用)します。
補強が必要のない事でコストが下げられます。
今回は塗装修正が施されていますが、見た目を気にされなければ塗装修正無しで更にコストが下げられます。
補強が必要になるのは、我々が修理、製作等で使うタイトボンドを用いてネック折れ修理をする場合です。
この場合は補強が無ければ、いずれ同じ個所から折れて来る可能性があるからです。(折れない可能性もあります。)
理由がそれとは別に強固な補強をする場合も、何らかのアクシデントの際に折れずに済む事はあると思いますが修理がされた箇所は強く、その近くや離れた場所が折れる可能性はあります。
その場合は、折れ方が複雑になったり、いつものところが折れるより面倒になる事があります。
何があっても折れないネックは有りませんので、何かない様に管理する事が大事です。
修理後の音の変化を心配される方も多いと思いますが、理屈で考えれば、音は変わります。
但し、その変化を聞き分ける人は少ないかと思います。
補強の無い修理であれば、元の材をざぐって、新しい材を付けたりしない為、元の質量に限りなく近く修理出来ます。
補強が施され、質量が増した場合は、音が良くなったと感じる人もあると思います。
但し、音の良し悪しは好みが分かれる為、一概には言えません。
質量が増した場合は、音は重くなり、サスティーンも増します。
これにより音が良くなったと感じる事があります。
但し、その音色を暗く感じる人もおり、そのような人は明るく軽い音が好み、と言う事になると思います。
皆様あけましておめでとうございます。
スタッフの山口です。今年も皆川ギター工房をどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回は年末の続きからです。無事に塗装まで終わりましたのでネックやパーツを組み込んで行きたいと思います。
少々赤みが強かったかなぁ、、と思いましたが画像検索するとオベーションも色味やバーストの幅など個体差が結構あり、もっと赤っぽい個体もたくさんありましたのでOKを自分で出しました。
退色するとちょうどいい感じかも。。
本年最後のブログでございます。
本年中も大変お世話になりました。
また新しい年もよろしくお願いたします。
今回はピックアップ。
ピックアップを取り付ける際には、いろいろな事に気を付けて、確認しなければなりません。
先ずはピックアップを仕込むサドルの溝。
溝に歪みがある場合や、幅が均一でない等、精度が悪い場合は、いくらサドルの精度を良く作り上げても満足な結果は得られません。
今回はピックアップを仕込むには浅すぎた為、溝を作り直します。
溝はそのまま深くすればよい気がしますが、全くずれずにその溝を掘る事は不可能な為、一旦溝は埋めて新たに適切な深さまで掘り直します。
サドルの溝は4mm位あれば良いと思いますが、ブリッジ自体が結構薄い場合は溝の底は薄くなります。
その場合はブリッジの接着面が空洞が無く密着していないと、音に影響が出る事があります。
音に芯の無い、音圧が無い音になり、サドルも溝も全てやり尽くしても良い出音が得られない事があります。
頻繁にある事ではありませんが、それが疑われる場合はブリッジは剥がさなければ前に進めません。
もしくは、溝は貫通させて確認して、エポキシなどで充填するのも手かもしれません。
ただ、長年やっておりますと、いろいろ珍しい物や、不思議なものを見る事もあります。
ここまでやって、やっとバランスを出せるようになるのに、溝が歪んで、浅くて、サドルも適当なのに音圧があり、バランス良く出力するギターがあります。
世の中には天才がいるのか、はたまた偶然にそうなったのか。
良く見るのは、「ここまでやったのならもう少し頑張れば良いのに!」という惜しい調整のものがあります。
きっと何時間もサドルを調整したり、作り直したり、足掛け何日、と言う場合もあるのかと思います。
牛骨で作る場合は本当に難しいのですが、ここでは言いません。
身内には教えてあります。
ですが、全てがテキトーでも大丈夫なものがあるのも事実なのです。
世の中には、不思議な事あります。
見えない部分でもありますので、気にならないのなら気にしなくても良いし、使い終わった弦のボールエンドを足して、場合によっては2個3個付けてやっても、それでも良いと思います。
ギターを使い込みますと、いろいろな部分が劣化していきます。
そうすると、人によっては演奏上違和感、不具合等が生じます。
その方はその際には、修理屋に相談されれば好し。
使い込んで劣化は見えても、違和感、不具合等を感じなければ無理にお金をかける必要は無し、です。
ギターは基本木で出来ている為、ある程度時間が経てば、ど新品時と同じと言う事はありませんし、個体差もあります。
正解、不正解が無い世界です。
ですが、問題無く使えるのであれば、気にし過ぎず使うのが正解かと思っています。
気になったならば、ご質問いただければ幸いでございます。
フレットの高さの好みや交換時期は、オーナー次第ですので、当人は何とも思っていないのに「もう、交換ですね。」等と言われても気にする必要はありません。
当人が不具合や改善点等を感じていなければ、無理にお金をかける必要はありません。
ただ、Gibsonの場合フレットバインディングと言う形状をしている為、演奏上不都合になる事があります。
画像の6弦側はほとんど問題は出ませんが、1弦側はフレットのエッヂとバインディングの隙間に弦が挟まってしまうと演奏が続けられなくなります。
隙間を埋めて問題無ければそれで好。
エッヂをなるべく立てますと、手に触るチクチク感が強くなりますのでエッヂの角は出来るだけチクチクしない様に落とします。
今回の場合は、フレットが乗るバインディング部分が削られて狭い為、尚更チクチクします。
チクチクならない様に斜めにエッヂを落としてしまえば楽なのですが、それはカッチョ悪いので出来る限り立てて仕上げます。
但しこれが正解という訳ではありませんので、フレットエッヂはもっと角度を付けて落とす方が好きな方や私がやるとエッヂが丸い感じになりますので、それが嫌いな方もいるかと思います、お好みがあればその際は、お伝えください。
がんばります。
綺麗に磨いて終了。
この個体の製造時期、2000年頃〜の数年間(?)のMartinはバインディングが剥がれてしまうことが多い様です。現行品は恐らく改善、サイレント修正済みであまり見られません。当時のMartin社内から「なんか接着剤変えてからバインディング剥がれの修理多いな。ヤバイぞ!!」という声が聞こえてきそうですね。製造メーカーに勤めたことがある人にはその社内の様子が容易に想像がつくと思います^_^
バインディングが浮き始めたらなるべく早く修理することをお勧めします。放っておくと服の繊維が引っ掛かった拍子にバリバリ一瞬で剥がれたりする恐れがあります。
虫歯と一緒ですね。僕も早く歯医者行かないと、、、汗
今回も最後までありがとうございました。
この付近が折れ際の接着は、アジャストロッドも一緒に接着してしまわない様にします。
いつも途中の写真はほとんど撮らないのですが、思いだしましたら撮っておきます。
アジャストナットを外して、半月板のワッシャーも外します。
ナットとワッシャーを外したアジャストロッドにグリスを塗布しておきます。
前回ネックリセットをした人をここで責めるつもりはありませんが、こうして他の工房の元へ再度出されて手直しされてしまうというのは「悔しい」と自分だったら思います。
ちょっとした隙間だし、ボンドでガッチリ接着されていますので、とりあえずは演奏性も問題ないし、もしかしたら気がつかない、そもそも気にしない人も中にはいるかもしれません。クレーム来なかったらラッキー!みたいな考えで納品したのかもしれません。
でもそれではダメです。
自分が修理したギターがいつ、どこで、どんな人に見られても恥ずかしくないと思える仕事をしなければなりません。これは師匠の皆川がいつも言うことですので当工房のポリシーの一つと言えます。
どんなにやり慣れた作業でも手を抜かず、毎度しっかり向き合い続ければ、その度に新しい気づきや学びがあるものです。そしてその積み重ねがスキルアップと実績、そして信頼に繋がると思うのです。
今回も最後までありがとうございました。