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ネックリセット / Gibson J-45 40’s


 

古いGibson(40年代)のネックリセットです。

ネックを外す際は、蒸気を使いますので、ギブソンのように外し難いものは時間が掛かって蒸気で塗装が焼けてしまう事があります。

焼けてしまったら、塗装は修正しなければなりませんが、ここまで古くてクラッキングも派手なものは、塗装を部分修正すると周りと雰囲気が多少変わってしまうので、出来るだけ焼けないようになるべく早く外したいのですが・・・

今回も、セ~フ。

古い楽器(特にアコースティック)は必ず修理暦がありますので、過去の修理屋さんが蒸気でも外れないような接着剤を使っていないか等と考えると、いつもちょっと緊張します。

 

 

 

 

ネックが色濃く着色してあり、分かり辛いですが、中から見ればメイプルとローズの5ピースと言うのが分かります。

いつもですが、古いギターは、材料の質が良いのか、時間が経ってそうなるのか、木が硬くて、ノミを使った場合、ノミがすぐに切れなくなります。

ネックに角度をつけると、ジョイントから指板が下がりますので、厚みをつけます。

この場合0.5mmのローズ板を3枚使って、14フレット部(0mm)から指板エンドに向かって(1.5mm)厚くなるように貼ってあります。

ヒールは接着してない状態でテンションがかかっても隙間が出来ないように調整します。

この塗装の雰囲気ですから、修正しなければならなくなった場合は、難しいです。

ですが、同じようにはなりませんので、それなりにやるしかないのでしょう。

古いギターのサドルは、出来ればあまり高く無い方がカッコよいのですが、サドルを高くしたい人は多いです。

高くしたくても必然的に高く出来ない場合もあります。

古いGibsonの音は、本当に迫力がありますね、これだけ修理してこの音はすごいです。

この固体の場合、力木や割れ等かなり修理しましたので、弾き込んで元に戻った音が聴いてみたいです。

※個体差はありますが、修理後若干鳴りが変わる場合がありますが、弾いて行くうちに元の音か、それよりもう少し良くなって行きます。