2022年04月

リフレット / Fender Stratocaster


 

リフレットします。


 


 

 

 


 


 


 

古くて雰囲気の良い指板はこのまま温存、この見た目にも価値がありますもんね。

指板修正はせずにフレット交換します。

当方はアコギが得意なものですから、割合にするととても少ないのですが、時折こういったリクエストもあります。

中には「指板には絶対に触らないでください。」「そしてフレットのすり合わせは無しで。」等と言う人いますがそれは絶対に無理です。

悪しからず。

 


 


 


 

フレットのエッヂは削って揃えますので、当然その際に必ずヤスリは指板サイドに当たります。

指板は真っすぐに見えても真っすぐではないし、指板修正したとしても新しく打ったフレットはすり合わせをして精度を出します。

指板が真っすぐに見えても指板修正しなければ、新しく打ったフレットは指板修正した場合より多めにすり合わせる事になります。

特にフェンダーはアールがきついものがあり、チョーキングで音が途切れてしまう事がある為、他のギターより部分的にすり合わせの量が多くなります。

指板に触るなとか、すり合わせ無しは無理なのです。

 

 

 

 

サドル溝直しMartin 0-18K


スタッフの山口です。今回はブリッジのサドル溝を直していきます。溝直しをする理由は弦長補正やガタつき、ピエゾピックアップのバランス補正、溝が浅すぎてサドルが前に倒れてしまわないようになど、様々です。いずれの理由にせよ、まずは写真の通りブリッジと同じ木材で埋木を施します。


溝にピッタリ埋木ができたらノミで削ったりスクレイパーで削ったりサンドペーパーで擦ってツライチにします。


なんとなく埋木した跡が見えますね。


ルーターを使ってほぼ同じ幅の溝を彫り直しますので儚いですが埋木した部分はほとんど残りません。


溝彫り作業は時間かけて慎重に。傾きの調整やルータービットの道筋を決めたり。綺麗に彫れなければもう一度工程①に戻ってしまいますので集中していると大体写真を撮り忘れます(´-`)ということで写真はすでにサドル作成後。


見た目もいい感じ♫今回は真っ黒なエボニー(本黒檀)ということもあってよーく見なければ埋木跡も分かりません。


 

まさにナイスギターです。ベリーブリッジより耐久性は劣りますがこの細いピラミッドブリッジもナイスです。

初めてのビンテージマーチン1本目にこれを選ぶ人はすごくオシャレな人のような気がします。なんとなくそう思います。

それかギターに関してかなりコアな人がオーナーになりそうな気もしますね!

KOAだけに( ̄+ー ̄)

最後はダジャレで締めてしまいましたが、今回も最後まで閲覧いただきありがとうございました。

 

 

ネック折れ修理(塗装修正無し)/ Tokai Folk guitar

仕事柄、見慣れていると言えば見慣れていますが、普通ならば見慣れる事は無い光景でしょう。

大切にしているギターであればショックは、さぞかし大きかろうに。

このギターは昔トーカイ楽器が作っていたギターのようですがキャッツアイではなくて、それとは別のブランドのようです。

高価だから大切にするんじゃないんです。

ただ大切なんです。

 

 

破片の無い部分はエポキシパテで充填します。

色が抜けてしまったところは、茶色く塗れば多少でも見た目が良くなりそうですが、筆で塗ると返ってみっともなくなるのでこのままが良いです。

見た目を出来るだけきれいにする場合は、塗装修正しますが、今回は塗装修正無しのプランです。

塗装修正があっても無くても見た目以外の違いはありません。

 

 

 

当方のネック折れ修理は、補強の要らない接着をします。

ネック折れ修理は、タイトボンド等は使わずしっかりと強度のある接着剤を使用する事によって補強が無くても全く問題無く通常使用出来ます。

ネック折れ修理の見積もりは2通り、塗装修正をして出来るだけきれいに仕上げるか、塗装修正はせずに仕上げるか。

塗装修正が無ければコストを抑えた修理が出来ます。

 

補強が無い事で利点があります。

補強は接着力を補う事とその部分の強度を上げる事が目的になると思いますが、当方では通常以上の強度は不必要と考えています。

ギターが倒れたり、ぶつけたり、踏んづけたりした場合にネックは折れるのですが、その際いつものように折れてほしいのです。

補強がある為に複雑な折れ方になったり、そこが折れずにヒール(ネックの元の方)が折れてしまった場合はかえって面倒になる事があります。

 

ネック折れ修理で音質が変わってしまう事は無いと思いますが、理屈で考えればどの修理でも音の変化はあります。

その音の変化を聞き分ける人ならば、音は変わります。

心配されるのであれば補強をしない修理は、新しい材料を付け足しませんので音の変化は少ないと言えます。

 

ネックリセット Martin OOO-21 (1945)


スタッフの山口です。アコースティックギターはボディーが空洞になっていますので、エレキギターなどのソリッドタイプよりもトラブルが多いです。特に弦を長時間張りっぱなしにするとネックが弦の張力で起き上がることがあります。この写真では分かりずらいですね。


弦の張力でネックが順反りしただけならアジャストロッドがあるから大丈夫、な時ももちろんありますが、ロッドも決して万能ではありませんのでやはり弦の張りっぱなしは厳禁です。


順反り+元起きともなると今回のようなネックリセットという大掛かりな修理をしなければ改善できない場合がほとんどです。

あ、写真は指板を温めてトップ板から剥がしています。


ネックリセット用のジグを当てながらダブテイルジョイントと呼ばれる接続部を温めていきます。


今回は温めてから20分程で外れてくれました♫


今回のギターは1945年製、太平洋戦争中ですのでアメリカも金属は枯渇していました。そのために写真のようなエボニーの角材がロッドとして代用されています。所謂エボニーロッド。もちろんアジャストはできません。


今回は訳あって先にドリル穴を埋めました。


地道にヒールを削ってネック角度を修正していきます。何度もシュミレーションします。


接着剤を付ける前ですがクランプを外して弦を張っても大丈夫な程度までジョイントの木工精度を高めます。接着剤頼みのジョイントでは師匠のOKは出ません。


センターがズレないようにネック角度は縦方向だけでなく左右のバランスも見ながら行います。何も意識せずに進めると大抵左右が傾いてセンターがズレてしまいます。


今回はフレットすり合わせとナット調整、サドルを交換して完了です。


エボニーロッドのマーチンは質量が軽いため音もそういう音に感じます。好き嫌いが分かれるかもしれませんがいい音には変わりありません。正面から見ても迫力がありますが、、、


 

、、、バックのハカランダの木目の迫力はさらに凄いですね。

僕には燃え上がる炎のように見えますが皆さんはどうでしょうか。

アコースティックギターは構造上、弦の張力で歪みが出やすいです。演奏時以外は弦を緩めていればこのギターもまた何十年もネックリセットしなくても大丈夫。

また新しい個体は弦の張力がなくても時間と共に木が動いてしまうことがあります。木は時間が経てば経つほど水分が抜け硬くなり、安定するので、保管方法さえ間違えなければ古い楽器の方が安定していると言えます。この「安定している」というのは、古い木製楽器が高額になる理由の一つだと思います。ただ新しいギターでも長時間しっかりシーズニングがされている材を使っていれば安定しているものもありますね。

木材のことを語り始めると長くなってしまいますので今日はこの辺で。

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

 

フレット交換 / Yamaha L-41

フレット交換の意味は、各々オーナーにより違います。

こちらは、減りはそれほどでは無いように見えます。

何だっけ?

ブログは、出来るだけ画像を撮った順番に上げて行こうとしているのですが、1年以上前の画像を見ても思いだせない事が沢山あります。

大分減ってしまったから交換する人、フレットのサイズを変えたい人、気分を変えたい人、 減ったって問題無いからそのまま使う人、,etc.

お店の人が「もう交換ですね~。」等と言いだしたら、「君のじゃないでしょ。」と言ってやってください。