2019年01月

Martin D-28 / マーチンクラック修正+ピックガード交換


いわゆるマーチンクラックと呼ばれるクラッキング。


過去に修理はしているようですが、同じ所がまた割れてしまっています。


ピックガードが反って剥がれている事と割れに段が付いてしまっていますので、ピックガードは剥がします。


ピックガードは付いたまま修理する場合もありますが、P/Gは交換予定ですので、剥がして修理しやすく。

剥がしたP/Gは平らに直して貼り直す事も考えられますが、縮んで元には収まらず、かっこ悪いでので交換します。

特に黒ガードの再利用は、カッチョ悪く感じます。


内側に補強材が貼ってありますが、テキトーに見えます。


剥がしました、効いて無かったと思います。

きれいにして割れの修理後クリートを付けます。

クリートが貼れる条件は、平らに修正出来ている事ですので、段があると画像のように片側にしか当たりません。

 

 


 

この記事のギターではありませんが、撮り忘れましたので他のギターの画像です。

このような感じでクリートがつきます。

 

 


ピックガードは一寸だけ大きく作ります。


けがいた線の分ほど大きく作り、下地とさらに割れの線も隠せれば尚良いです。

少し大きく作りますが、違和感は無いと思います。


大きさよりピカピカなのが違和感ですが。

ピカピカは、保護シールを剥がしただけでは無く、サンドペーパーで水研ぎをしてバフ掛けします。

そうする事によって質感が良くなりますが、塗装面のように磨けませんので、P/G作成で1番大変な作業。


きれいなのは一時だけで使っているうちに、すぐに馴染んでしまいます。

 

 

フレット交換(リフレット) / Gibson LP

リフレットしました。

(指板調整、ナット交換、他調整込み)

フレットバインディングのリフレットは基本、今後オーバーバインディングになります。

※フレットバインディングと言うのは、ギブソンギター等に見られるフレットの延長のようになっているバインディング

※オーバーバインディングは、画像のようにフレットがバインディングの上に乗ってる一般的な状態

当然ですが、フレットバインディングでリフレットしたいと言う人は今までいない。

フレットバインディングと言ってもフレットとバインディングが一体になっている訳では無いので、時間が経ってバインディングが痩せてくればフレットとの間に隙間や段差が出来ます。

特に1弦側は、弾き方によってはその隙間に弦が当たった場合、パチパチ音がしたり、弦が挟まって演奏不可能になります。

 

 


当方のフレットの仕上げ方の特徴は、両サイド(1弦側、6弦側)を削り過ぎない。

端側(1,6弦側)が中側(3、4弦側)より低くなると気持ち悪いので、すり合わせの際は気を付けてすり合わせします。


フレットエッヂの処理は、斜めにし過ぎず、なるべく丸く仕上げます。

斜めに大きめに削り落としてしまえば、それだけで指の腹(1弦側)に当たり難くなるので、その方が処理は楽なのですが、いかんせん安っぽく見えてしまいます。

エッヂが立っていても、チクチクしないように手間をかけて仕上げます。


ナットはエレキの場合、アコギほど詰めずに調整します。

エレキの場合は必ずと言っていいほどアンプを使って音を増幅して演奏しますので、多少ビリビリいっても気になりませんが、エレキ弦は細いので、アコギよりちょっと溝を浅くします。

 

 

 

今思い出して、同じ画像をもう一回貼り付けてますけど、こちらのオーナーにリフレットをすんごい褒められちゃった。

頻繁に褒めて頂く事はあるのですが、もういいから。って言うほど、今まで出したどこよりもいいし、SNSでもみんな褒めてるって。

私、そんなの目撃した事ないので、かなりお世辞が入っていますが、それにしても褒められるって言うのは嬉しくて、人を幸せにしますな~。

うちのお客さんは、ホントにいい人ばかりで助かります。

長年やってきましたが物理的に無理な場合は除いて、完全拒否した人は一人。

レストランでもどこでも、どちらが上では無く、対等と言う事をわきまえている大人がうちのお客様。

この一人は酷かった、なんだかんだ言って、最後にやっておけと置いて行こうとしたので、ギターをドアの外に出しても帰ろうとするから、「落とし物で綾警に持って行くから、取りに行って下さ~い!」と呼び戻しまして、「な、なんでそんなことするんだ!」と言って、幸いそれきりです。

 

 

 

ピックガード貼り直し / Gibson J-45

ピックガードを貼り直します。

裏返すと接着剤が付いています。双方ともきれいにしてから貼り直します。

貼り直しは両面テープを使いますので、ツルッときれいにします。

両面テープの貼り付けは、空気が入らないように、入ってしまったら抜いて、周りはきれいに切り取り、残ったバリはサンドペーパーで取り除きます。

両面テープで貼り付けるだけではなく、クランプでまんべんなく圧着させ、1日置きます。

いつもの最後の全体画像(記念撮影と言ってますが)を取り忘れてしまいましたので、今回は無しです。

 

このピックガードを貼り付けると言う作業は単純ですが、とても難しくもあります。

一旦貼ってしまったら簡単に貼り直しは出来ないので、貼る位置を決めたらポイントに印を付けたり、貼り方のシミュレーションをしてみたり、1発で決めなければなりません。

ちょっとずれて気に食わない場合は、なんとか剥がしてまた最初からやり直しです。

 

ヘッド折れ修理(塗装修正あり) / Epiphone LP


 

貼ってあるシールで分かるように、中国製のギターですから幾分材料の質も落ちますので、折れ方にも脆さが表れたりします。

木目に沿わず、お菓子を折ったような折れ方をしています。

そうは言っても、色もきれいで、音だって悪いわけではありません。

気に入って買ったギター、まだ新しいんですから、出来るだけきれいに修理します。

修理が完了したら強度も十分、また以前と変わらず使い続けます。

ネック折れの修理後、「ネックハンガーに掛けても大丈夫ですか?」と質問される事がよくありますが、勿論問題ありません。

以前と同じ使い方をして下さい。

気を付けるのは、アクシデント、ぶつけたり、倒したり、踏んじゃったりしないよう気を付けて下さい。

ピントが映り込んでいる物に合ってしまったり、ペグに合ったりしてします、合わせたい表面には合いません。

いつもですが、写真の技術が無いので画像で伝える事がとても困難です。


とても濃い色なので、修理跡は分かり難くなりますが、濃くてもちゃんとこの色に寄せないと着色したところが浮いてしまいますので、しっかり調色して着色します。


濃い色ですので、色が合えば折れた形跡は分かり難くなります。


きれいな青です。

ステージ映えすると思います。

 

ネック折れ(ヘッド分離、塗装修正なし)/ Gibson FV

こちらもまた、ショッキングな折れ方をしていますが、塗装修正なしのプランで修理いたします。

こんな折れ方でも当方の場合、補強は致しません。

 

折れないように接着してやればよいのです。

ですが、アジャストロッドまで固まっちゃわないように工夫します。

アクシデントもないのにまたヒビが入ったりせずに、普通に使えれば、それ以上の強度は不要です。

 

ネック折れ修理は、修理者によって区々ですので、初めて当サイトにお越しの方に多少説明いたします。

簡単に申しますと、補強が無くても折れない接着をします。

なぜ補強が要らないか、タイトボンド等補強が必要な接着剤ではなく、ネック折れ修理に耐える接着剤を使います。

補強をする作業が無く、さらに塗装がなければ、コストが抑えられます。

補強のあるネックで再度アクシデントに見舞われた場合、折れ方が複雑になったり、修理しにくい部分で折れないようにする為。

折れた所同士であれば1番密着できている為、削り取って別の材を足さない為。

等々。

過去の記事にも同じようで異なるような修理がありますので、いろいろ見て頂ければ幸いです。

 

 


塗装修正なしの仕上げですので、剥げてもそのままです。

修理者当人(私)的には、これはこれでカッコよいと思っています。


ですが、これだけ剥がれっちゃってますから、多少気になる所ではありますが。


過去にも塗装修正なしの仕上げで、結構なハゲ具合になったものもありますが、それでもほとんどの皆さんに、きれいと言う言葉を頂きます。


磨き方にもよると思いますが、これにはこれの美しさ、カッコよさを感じる方であれば、低コストで十分な修理が出来ます。

 

アジャストロッドカバーが大きいので、傷が目立たなくて好都合です。

ヘッドの面以外は、白く薄く塗りなおしてあり、過去にもいろいろあったのだと思いますが、これからもまた大事に使われていきます。

 

バインディング剥がれ / Martin OOO-45

バインディング剥がれと言えば、近年ものマーチンの恒例行事として、オーナー様にはリペアが義務付けされています。

と思っている位がちょうど良いと思います。

これ位でしたらかわいいもんですが、ただ剥がれているわけではなく剥がれている分、セルが縮んでいますので接着は難しいです。

大きく剥がれてしまっている場合は、その場合ごとに方法は変えて取り組みます。

大きく剥がれた、バインディングの修理は過去の記事のどこかにありますので、よろしければ見て下さい。

 


バインディングは縮んでいますので本来でしたら一旦、端まで剥がして貼り直すのが正しいですが、剥がれていない所を剥がしますと塗装が切れますので幾分汚くなります。


ですので、剥がして詰めずに出来るだけ、そのまま貼って仕上げます。

剥がれていないバインディングは縮んでいないのではなく、縮んでも剥がれずにくっついているわけですから。


アコギの場合は、どうしったって修理しながらでないと維持出来ない部分はありますが、こうしたメーカーの弱点は、外車に乗ってると思って、付き合うしかないでしょうね。

 

ネックリセット / Martin OOO-18


年末のアメブロで言っているネックの新しい外し方は、まだ出ません。

携わったギターの修理は、画像で見映え(分かりやすい)が良いものが多くなりますが、出来るだけ紹介いたします。

 


ネックの角度は、リセットの際の調整で、このサドルが出過ぎてしまわないよう、若しくは足りなくならないよう、調整します。


今回は、フレット、指板ともに状態が良いのでリフレットはせず、すり合わせで調整。

突然このサイトを見た方は、なぜネックを外しているのかわからないと思いますので、説明いたします。

簡単に申しますと、ネックの角度が狂ってしまい、調整仕切れないくらい弦高が高くなってしまった為です。

ネックが反ったり、おかしくなったらアイロン(ネックヒーター)で直せるではないか、とお思いの方も多いと思いますが、アイロンの場合は、かなり不確実ですので当方では、すすんではお勧めいたしません。

角度が狂った(歪んだ)分量(所)を熱と力で戻しているだけで、根本的な修理ではなく、簡易的な修理(応急的、場つなぎ的)と言えます。

暖めてまた冷まして固定する事は、貼ってあった粘着テープを貼り直した場合と全く同じではないですが似ている事と、歪んだボディは、ほぼそのままですので、戻ってしまう確率が高いのは否めません。

ですが、以前にどこかに書きましたが、アイロンが全てダメな訳でなく、メーカーによっては有効なものもありますし、納期やコストも抑えられます。

逆に、リセットしても日頃の管理の仕方では、再度角度が狂ってしまう可能性もあります。

私が初めてアイロンでネックを修理しようとしてから30年位経ちまして、それまでいろいろと試行錯誤があり、現在でもアイロンを使う事はあります。

アイロンの使い方は相当上手いのではないかと自負しておりますが、経験上お勧めしないと言う事でございます。

 

 


このヒールに隙間があっても中のジョイントがしっかり組み込んであれば問題ないのですが、修理歴のない場合はジョイントが緩く精度不足である可能性が高いです。

しっかり組み込まれるように木材のシムで調整するのが基本ですが、一時期のマーチンや有名な高級ギターでも紙のシムが入っていたり、ルーズなまま接着してある場合があります。

紙を接着しても力が加われば、ずれてしまいます。

 


ヒールの隙間は紙1枚分でも、角度にかなり影響がありますので、隙間がある場合は、弦高も以前より大分高くなっているはずです。


なぜネックの角度が狂ってしまうかは、これもどこかに書いてありますが、近いうちに書きますので、また見て頂ければ幸いです。

 

 

 

 

ネックリセット+リフレット / Martin D-28

年末にアメブロの方で最近は、こんな方法でネックを外しています、という事を書いてみたのですが、まだ以前の方法で外している画像が残っていますので、携わったギターは出来るだけ紹介したいと思っています。

アメブロの記事

 

 

リフレットしてます。

こちらのギターは、前回のギターより指板の厚みは、まだしっかり残っています。

 

 


ネックリセットにリフレットもやらなくても良い(すり合わせのみ)場合がありますが、判断は区々です。


リフレットしたらナットも作り直します。

(指板も修正しています。)


ネックリセットしましたら当然サドルも作り直します。

いつも言っていますが、サドルはあまり出過ぎてない方がカッコよくて好きです。


私も貧乏性なので、こういう場合はせっかくだからサドルは現行品みたいに無駄に出っ張ったサドル(実際には無駄ではなく、あれは管理できない人のための予備)にしたい気持ちは分かりますが、そんなことしなくてもカッコよい状態は保てます。

 

勿論、カッコ良さだけではなくサウンド面でも、低過ぎず、高過ぎないサドルがベストだと考えています。

リフレットはしなくとも状態は悪くない場合、リフレットするか否かは区々と書きましたが、1番多い理由は、近い将来リフレットするのであれば通常のリフレットより、この際リフレットしてしまえば割安だから、です。

(状態の善し悪しの程度は、説明いたします。)

 

 


ヒールを削って角度を決めますが、決めたい角度のポイント前後は少し削り過ぎても、足りなくても、大きく変わってしまうので難しい。


センターのポジションを修正するために削る事になれば、角度はつき過ぎてしまいます。


ここまで来れば、完璧と言っていいでしょう。

ナイスギター!