修理実績

ネックリセット他もろもろ / Gibson J-50 Deluxe

色々な修理が合わさった場合は分けて記事にすると良いのですが、今回は1回でまとめて見て頂きます。

トップの割れ、ブリッジのスリット直し、PU取り付け、ネックのリセット、リフレット、画像は無いのですが他に力木の剥がれもあったかと思います。

近頃は何とか手元にあるギターを直せないかと当方へお問い合わせ頂く事が多く、とてもうれしいです。

自分が気に入った物は何度でも直し直し使う性分ですので、こういう方の気持ちがわかります。

 

 

十三年位前に買った、すでに10年落ちしてた軽自動車を直し直し、まだ乗ってます。

安物を見くびる人が時折いますが、違うんです。

気に入って持っているのです。

このギブソンは安物ではありませんが、うんと安いギターの修理依頼の場合も同じ熱量で修理にかかります。

長く預かる事も多いので、そのうちに修理代が惜しくなっちゃう人もいるようで。

安いギターも確実に引き取りに来て頂くには、前金をもらった方が良いのかなと考えたりします。

連絡がつかなくなると、最初は具合悪いのかと思ったりしますが、そのうち憤りを感じてきます。

一所懸命にやってるだけに、悲しいやら悔しいやら、売り上げが立たないまま置いておくしかないんです。

処分したって修理代、回収出来ないんですから。

すいません、愚痴になってしまいました。

 

 

 


サドルの溝を直します。

トップの割れはすでに直っています。


ピックアップをセットしますので、溝の精度が悪いと出音に影響します。

 


出来る場合と出来ない場合がありますが、ピッチも直しますので、元の位置と違います。


サドルはあまり出てない方がカッコよいと個人的には思っていますので、高目でこの位かと思います。

ネックリセットしてもサドルの高さは狙い通りジャストには行きませんので、どっちに転んでも良い位になるように。


フィッシュマンのジャックは、ジャックキャップと面位置に出来るので良いです。

エンドブロックの厚さに合わせてしっかりとジャックを取り付けなくてはなりません。

ジャックの取り付けがいい加減なのもをよく見ますが、思わぬトラブルの原因ににもなります。


フィッシュマンのコードは長いので余裕をもって配線の取り回しが出来ますが、無駄に長く感じる場合もあります。

コードはちゃんと納めないと(出来ればきれいに)中でパタパタ鳴ってしまいます。

 

 


リセットしてリフレットする場合、指板修正をした後、新しいフレットを打ちますので、その結果の弦高を予測してヒールを削って角度を決めます。


測れる部分ではないので指板修正の際「ここは大幅に修正されるから、弦高はこれ位、こうなる…。」と予測するしかないんです。


ナットも第一フレットに合わせて作り直します。

指板の1フレット部分の調整量が多い場合は弦高はリフレット前より下がります。


12フレット部分の調整量が多い場合は弦高は上がります。

(画像は14フレット、ジョイント部分)

 

 

ネックの角度が付くと、ジョイント部から指板の先が下がりますので、下駄をはかせて、下がらない様に調整します。

70年代Gibsonも今となっては立派なオールドギターですな。

 

フレット交換 / Takamine PT-106

交換依頼です。

「フレット交換、リフレット(指板修正、ナット交換、他調整込み)」

ある程度フレットに高さがあるものは、すり合わせをして整える場合も勿論あります。

 

すり合わせの場合は、削れて減っている部分まで削ってすり合わせてフレットの形状を直しますので、フレットは全体的に元より低いフレットになります。

 

フレットが減り始まったら交換する人、すり合わせをして整え直す人、区々です。

どのくらい減ったら交換と言う標準はありません。

弾き手の好みにより決まります。

もしくは、納期や懐事情等。

 


「もう交換しないとダメですよね。」と時々諦めの声を聞きますが、標準は無いんです。


勿論限度はありますが、通常は低過ぎて弾き辛いものでも全く関係ない人もいます。


フレット交換だけでなく他の修理であっても同じです。


「ここと、こことここ、を修理が必要、と言われたのですが…」

と、ご相談も時折あります。

 

 


 

体の病気では無いのですから、そんなに深刻にならなくても大丈夫です。

自分で決めればよいのです。

弾く人が問題無ければ誰の言う事も聞かなくて大丈夫です。

体の事はお医者さんの言う事をちゃんと聞いてください。

私達はお医者さんでは無いですから。

 

高いギターは心配になりますが、弦がちゃんと緩んでいれば大丈夫。

継続して乾燥状態や過湿、高温状態、そして弦張りっぱ、に無ければ大丈夫です。

長くほっといておかしくなる場合は、これのどれかの状況下にあると言って過言ではないと思います。

 

 

ブリッジ剥がれ修理 / クラシックギター 


国産のクラシックギターですが、このような剥がれ方をする事がしばしばあります。

ブリッジ側、トップ側接着面を調整して貼り直します。


塗装がブリッジの外側まで剥がれれてしまっている部分は基本的にはそのままです。

きれいにするにはリフィニッシュするしかないでしょう。


全部塗り直さなくても、そこだけ色を付けて、そこそこ良くすれば良いと考えもありますが、良くなったか否かは主観によります。

 

塗り直しではなく、そこだけ細かく修正する場合は、修理者の達成感の割りに大したことが無い事が多いような気がします。

修理者自身も、直後は達成感に満ちているのに、翌日見るとゲンナリします。

 

 

フレット交換 / Collings D-1

リフレットします。

新しいフレットを打つ前に古いフレットを抜いたら指板を修正します。

 

指板はテカテカになってしまうとカッコ悪いので、あまり細かい番手まで掛けません。

フレットは細かいキズでも残っていると音や演奏性に影響が出ますのでフレットはきれいに磨きます。

 

 


フレットのエッジは1ヶ所1ヶ所丁寧に仕上げます。


フレットが新しくなったら、ナットも作り直します。


良い感じです。

 

ネックリセット、リフレット / Gibson J200


 

弦高が下げられなくて弾き辛ければ、ネックの角度を直さなければなりません。

なりませんが、なかなか大変な修理ではあります。

どのメーカーも同じジョイント方式ではない為、修理経験のないメーカーではまずジョイントの方式を調べなくてはなりません。

逆にギブソンのように分かっているものは悩まず、作業を進めます。

但し、通常通りには抜けない場合もあるので気を付けなくてはなりません。

今回は普通でよかった。

過去の修理実績は「こりゃ普通に抜けないわ。」というギブソンがありますので、よろしければそちらも御覧下さい。

このギターは過去にもネックリセット歴があり、ヒールキャップがずれちゃってます。

ちゃんと良い位置に戻しました。

 


ネックに角度が付くとジョイントから先の指板が下がりますので、厚みを付けてストレートになるようにします。


ネックリセットする場合は、指板を修正してリフレットしなければならない事の方が多いようです。


リフレットすれば第一フレットに合わせたナットに交換します。

ナットは交換せずに使いたい場合は、底上げして調整します。(ナットがきれいに外れる場合)


アジャスタブルサドルは、トラディショナルなサドルに置き換えた場合、大分出過ぎた位置で見た目が良くなるので、将来的に沢山下げられるようにしちゃうと、とんでもなく出過ぎたサドルになってしまいます。


蒸気を使わず外すようになってから、塗装が痛んでしまう事が無くなりました。


ですが何れにしよ、取るのは大変。

そして削るのも大変。


ピックガードがずれちゃってますが、それでも古いものはカッコよいです。

 

いつもでしたら、ここまでで終わりですがちょっと珍しいモデルなので、もうちょっと見させて頂きましょう。

当方の過去の修理例にもこの年代のJ-200 に同じ仕掛けがある画像が見られます。


 


 


 


 

トップミュート、ミュートバー等と呼ばれています。

トップが凹まないように、凹んで来たらこれで持ち上げしましょうと言う事らしいです。

 

ネックリセット、フレット交換 他 / Martin D-45


ネックをリセットしますが、ブリッジを直してからリセットします。


蒸気は使わず、ヒートスティックで外します。


この年代頃の物は、木材を使わず紙をシム替わり使っているのでジョイントが緩くなってしまいます。


リセットが出来たら、リフレットしますのでナットも交換します。

分厚い突板の場合は、そのまま叩いて取ろうとすると、このようにきれいに取れず、板まで割れてしまうので気を付けましょう。

 

 


弦高の標準数値にしても、ギターによって高く感じたり、低く感じたり区々ですので、その都度ベストを目指します。

 


アジャスタブルサドルのように作り直さない場合は、指板のアールとサドルのアールが合っていない事があるので、標準の弦高にしてもしっくりこない場合があります。


大半の人は、私も含めて弦高は低目が良いのですが、低目ではピッキングの癖等でビリいてしまったり、フィーリングが合わなかったりする場合があり、その人に合った弦高があります。

 


通常での目標値は、1弦…1.7~1.9mm

6弦…2.4~2.7mm 

ご自身で弦高は高目が良いと分かっている場合は、リクエストしていただくと助かります。

高目なら1弦…2.0~2.1mm

6弦…2.8~2.9mm

数値だけ言えば、この位が目標になるかなと思います。

 

 但し図り方や、見方によっては数値に個人差が出ます。

同じ高さをイメージしているにもかかわらず、数値に差が出ます。

 

 


紙で調整してあるジョイントは、いずれヒールに隙間が出来てしまいます。


弦を張りっぱなしにして、ネックの角度が狂う事があっても、ここに隙間が出来てはいけません。


他のメーカーでも紙で調整してある、修理例が過去にアップしてありますが、やはりジョイントが動いてヒールに隙間が出来てしまっていました。

紙は繊維が通ってないので動いてしまいます。

 

ネック折れ修理(塗装修正あり) / Gibson Les Paul

ポッキリいってなくても、ヒビが入ってしまえば通常のように使用する事は出来なくなってしまいます。

 

出来るだけきれいに仕上げるプランですので、塗装修正もして仕上げます。

 

当方では、ネック折れには、それ用に決めた接着剤を使用する為、補強の要らない修理をします。

色の濃い着色の場合は、合わせやすいので助かります。

 

ギブソンはヘッドに角度が付いている事と、エレキは重いので何かあった時はネックが折れてしまう事がしばしばあります。

倒れない様いつも注意してください。

ケースに入っていても同じです。

ネック折れや他の修理についても、修理実績やブログの中に詳しく述べている記事もありますので、そちらも見て頂ければ幸いです。

 

ピックガード交換 / Martin D-18

ピックガードの歪みは酷くなると元には戻せないので、交換するしかありません。

直貼りしてある昔のピックガードは剥がした跡がきれいです。

逆目の方向から剥がしてしまうと木がめくれてしまうので、順目の方向から剥がさなければいけません。

 

 

新しいピックガードは塗装の上から両面テープで貼ってある為、ピックガードサイドの割れ、いわゆる「マーチンクラック」は起きなくなります。

両面テープで貼ってあるP/Gを交換となった場合は、その粘着テープをきれいに取り除く事がもの凄く手間のかかる作業になります。

どこか良くすると、どこか悪くなる、物事の摂理でしょうか。

全てを良くすると言う事は、不可能なのでしょうか。

全て良く改良されたモノって何かあるのでしょうか。

全て良くなった場合、何か弊害が生まれるのでしょうか。

あ、私の仕事が無くなります。

 

 

 


あまりお金をかけたくない場合は、リプレイス用のピックガードも巷には色々あります。

但しその際にはサイズ感を確認しましょう。


折角買っても大きさが合わなかったり、厚くて野暮ったくなったり、カッコ悪くならない為には、それに合わせて作る事をお勧めします。


その都度作られたピックガードは、大きさは元とほぼ同じく、面取りして、水研ぎして仕上げます。


ピックガード材の保護テープを剥がしただけでは、ただの下敷きのようですが、水研ぎする事で、しっとりと塗装した様な雰囲気を醸し出します。

 

 

ボディ割れ修理 / KoAloha

ボディ割れの修理です。

剥がれた延長部分も割れています。


 

 

 

破片を取って置いて貰ったおかげで、それを貼り戻せます。

破片は、細かく砕けてしまわなければ、大概戻せますので見つかれば取っておいて下さい。

上手く戻るか否かは、状況による事もありますが、あった方がとても助かります。

 


元の破片で直した方が、当然ですが自然です。


割れ修理の跡は残りますが、


見る角度によっては違和感無いと思います。

 

ネック折れ修理(塗装修正あり)/ Martin OMC28


当方のネック折れ修理は、補強無しで心配の無い修理をします。

 


タイトボンドで割れを修理した場合は、再度同じ部分に亀裂が生じたり、それを防ぐ為に強度を補う補強が必要になります。

 


当工房では、ネック折れ修理に適した接着剤の使用で補強が要らない為、余計な手間を省き、コストを抑えた修理が可能です。

 


通常のネック折れ修理では、塗装修正をする場合と塗装修正はせずに仕上げる、2通りの見積もりを出します。


こちらの場合は、出来るだけきれいに仕上げる為、塗装修正ありの仕上げですが、塗装修正無しの仕上げならコストもグッと抑えられます。


杢目や色合いによっては割れ跡がほぼ目立たなく仕上がります。

 

 

 


 

塗装修正無しの場合も「修理実績」にて、いろんな例が見られます。

よろしければ、そちらもご覧頂いて検討頂ければ幸いです。

補強をしないメリットは他にも、同じ樹種であっても状態の違う物をはめ込んで将来的に狂いを出さない事や、再度アクシデントがあった場合に複雑化しない等が当方の考えであります。

これが正しいと言う事ではなく、これが当方の考えですので、補強を入れる事を基本としている修理屋さんもあり、どのような修理がご自身の要望に近いかと言う事です。

大昔に読んだ記事では、「楽器には楽器に相応しい接着剤(おそらくニカワの事を言っていると思う)があり、楽器は呼吸しているのだから強いというだけで接着剤を選んではいけない。可哀そうです。」と、まだ若かった私は叱られている気持ちになりましたが、今となってはそれぞれで良いと思っています。