2024年01月

ブリッジプレート交換(トップ矯正)&ネックリセット / Gibson L-1


スタッフの山口です。

今回はGibsonのL-1。フラットトップが出始めた頃のものですが、トップが弱くアーチトップみたいになってます。


この頃のLシリーズはトップ板が薄いのに、大きな音を求めるプレーヤーは弦のゲージを太くしていったためそれに対応できずに姿を消していったモデルの一つです。


トップが薄いのでまともにブリッジプレートを裏側から取ろうとしても、ナイフがトップ面を突き破ってくるリスクがあるため、今回はブリッジ接着面もグズグズだったこともあり、表から削りナイフを入れることにしました。


こういうことですね!こっちの方が安全と判断しました。


スプルースのブリッジプレート。今はスプルースをブリッジプレートに使うメーカーはないと思います。


メープルに交換します。サイズもトップの補強のため多く作りました。サウンドもこちらの方が締まりが出る印象です。


トップが薄すぎるので、ブリッジプレートの接着とトップの矯正を同時に行います。


白熱球で内部の温度を上げていきます。初めの1日はたまに切って温度を下げ、またつけて、を繰り返します。その後は1週間くらい放置。


1週間以上経ったのでトップを埋木。


いい感じにトップがフラットに。写真じゃわかりづらいですが。


埋木は木工好きの人は好きなはず。


気持ちいいのです。


ブリッジを戻して、


ネック外して角度を適正にして、


テーパーをつける板を作って、


指板に厚みを足して、


ネックをつけます。ここらへんはいつも書いてるのでサクっと。

センターがズレていないかは途中途中でも確認します。

ネックが着いたら今回は指板修正も行います。フレットが浮いているところがあまりにも多い場合は一箇所ずつ直すよりもこちらの方が得策と考えています。


元々のフレットは汚れや塵を取り除いて打ち直し、その後すり合わせを行います。


このタイプのブリッジ強度を考えると背の高いサドルはお勧めできません。


弦高はバッチリいい感じになりました。


中々お目にかかれないGibsonロゴです。


アコースティックギターと聞いてこれを思い浮かべる人は少ないと思われるルックスですが、何となく大人っぽいルックスに惚れ惚れしてしまいます♪100歳の風格という感じでしょうか。

今回も最後までご覧いただきありがとうございまいた。

 

 

フレット交換 / Guild F-50


作業を始める前には各段階で何度も確認が必要になります。

 


セッティングする場所ではバイスで1ヶ所固定なので作業は安定しない為、実際の作業は台に移動して行います。


指板修正と、フレットを打ちましたらすり合わせも同様に。

すり合わせが終りましたら、細かい仕上げ作業等はジグから解放します。

 

上の最初の画像段階では入念に、全体的に見て、部分的に見て、セッティング前と後ではどのように変化するか、詳しく見て詳細を把握します。

その際にフレットが付いたまま指板の状態を見る為の定規があります。

ネック角度が悪く無ければ最終フレットまで定規が当たっていても問題ありませんが、角度が悪ければ長い定規ではネックの状態は図れません。

その為に2種類の長さの定規が必要になります。

 


 


 

 

 


 

フレット交換の際に通常のニッケルにするか、ステンレスにしてみるか、1度は迷った方もいるかと思います。

迷う理由は、ステンレスにした場合どの程度音が硬くなるのかが気がかりだったのではないでしょうか。

私も古い人間ですので昔から「ステンレスフレットは音が硬いのですよ。」と刷り込みはありました。

そしてステンレスフレットのギターを弾いた時、「ニッケルならばこのギターの音はもっとマイルドなのだろうか。」「ホントにそんなに音が変わるものなのかな。」(フレットの太さ等でも)等と考えていました。

これを「修理どうでしょう」と言う動画で検証してる方がいらっしゃいます。

この方とは面識はありませんが信頼できると思いますのでお勧めです。

修理動画には、ただ言葉も無くきれいに素晴らしい動画や、「これよく出したな。」や、「ウソ言うな!」なものまでいろいろありますが、こちらは私のようなプロでも多々勉強になります。

私の大先輩の村山さんもそうですが、スゲーなと思う人はやはりキチっとちゃんとしてます。

話が逸れました。

フレット。ステンもニッケルも音には変わりはありません。

1~2年前これを見て溜飲が下がりました。

 

ナットの話では、象牙にしたら音が何たらかんたらを見聞きする度、「違うのにな。」と思います。

エボニーナットやブラスナットと比較したら流石に違いがわかりますが、象牙にして良くなったのは材質が理由では無くてナットの精度が良くなったから。作り直した人が上手かったからです。

※交換するパーツの質量の差が大きいほど音質に差が出ます。

フレットの太さで音も変わるかと言えば、それよりリフレットの精度の方が差が出るのではないかと思います。

確かに太さ硬さが変われば理屈として分かる気がしないでもないですし、聞き分けちゃう耳が良い人もいます。

ただ傾向として上手い人は音がどうのこうの細かい事言う人はほぼ居ず、軽く気にする程度、全く気にしない人も。

重きを置くのはプレイヤビリティ。

そして、私のオールドマーチンはステンレスフレットのナイスプレイヤビリティ。

 

 

ネックリセット&リフレット / Framus 12弦


本年も宜しくお願い致します。

スタッフの山口です。新年一発目は12弦ギターのネックリセット&フレット交換というヘビーな修理です。


弦高は高いですが、


サドルはもう下がりません。

ネックリセット屋の出番です♪


あと今回はボトム割れのトリプルコンボです。


珍しいメーカーの場合はダブテイルジョイントかどうかをネットで調べたりします。そうするとネックリセットしている人がブログを書いていたりします。

それが皆川氏が過去に書いたブログだったりします。笑


今回も過去の皆川ギター工房のブログ通りに進めます。


ダブテイルジョイントを温めてネックを抜きますが今回はヒール脇のサイド板が割れてしまいました。


やたら弱いな、と思ったのとボトム割れが気になったので中を調べたらネックブロックとバックが接着されておらず隙間が空いていることに気づきました。


エンドブロックも案の定、浮いていました。

これでは十分な強度が得られない気がします。


サイド割れを直してネック角度を修正します。


写真じゃ分かりづらいですが、ネックブロックがスプルースです。これもあまり強度が足りなくなりそうです。


ネックがついたらリフレットに移ります。

先週も登場しましたが、便利だけど使いこなすのが難しいやつです。


この状態をメーターに記憶させます。


弦を張った状態のネックの指板を修正します。


フレット打ち。


フレット交換は技量が試される修理だと思います。


個人的にはこのフレットサイドの処理が一番気合いが入ります。

ここがガタガタだと師匠のOKはもらえません。


フレットが新しくなると気持ちいいです。


今回は0フレットがあるので12弦ギター修理の難関、ナット交換はしなくてOK。


指板もフレットもネック角度も改善し、良い面構えです。


0フレットは1フレットより高さも幅もあるものにします。


サドルに余裕も出て、弦高も下がりました。


フレット交換はやるたびに腕が上がる感覚があるので、毎回気合いを入れてそれを実感できるように頑張っています。


好きな方には生唾ものの良いギターですが、、どうしても細かい部分を見ると惜しい、という作りでした。でもこの「惜しい」が個性のあるグッドサウンドを生み出してたりするので、ギターのそういうところが面白いよなぁ、 と思います。

今年も皆川ギター工房をどうぞ宜しくお願い致します。

 

フレット浮き すり合わせ / Gibson L-OO


分かり易くフレットが浮いてます。

音が詰まったり、ビリついてしまう場合はフレットが浮いていないか見てみましょう。

 


フレットのエッヂは切って斜めに削っただけです。

これだと演奏中チクチクしてストレスになります。


14フレット以降は、ぼぼ切っただけのような状態です。

あまりよその仕事は悪く言わないけど、

こっちは触らないからと言っても、ちょっとひどいね。

 

 


 

これはどういう状況かと言いますと、ネックジグなる道具に括り付けてある状態です。

以前にアップしたブログの中でも説明してる部分があります。

チューニングしてある状態のまますり合わせの作業が出来る、と言う代物。

しかも演奏中のようにギターを横にした荷重状態を再現してます。

 

このような大げさな装置でやりますとついつい見せたくなってしまいます。

これがどれくらい良いかと申しますと…そんなに万能ではありません。

何でも同じやり方でするのも間違えでは無いとは思いますが…。

私はケースバイケースなんだろうと思います。現状ネックの状態は、ロッドはどうなっているのか、どの様にすり合わせしたいか、色んなことを考えないと(折角良い道具があるのに上手く使いこなせていないだけかもしれませんが、)上手く行きません。

 

 


浮いてるところは押さえつけてすり合わせ。


エッヂは角を取って演奏中に手が痛くならない様に。

 


ハイポジション側は触らないけど、同じように角を取って揃えます。

 


 

浮いているフレットは押さえつけてと書きましたが、叩いてもはねてしまう場合は接着剤で押さえます。

浮いている本数が多い場合は一旦全て抜いて打ち直す場合があります。

 

一旦抜いて、打ち直してやるとしっかり喰い付て気持ちが良いのですが、1本だけ打ち直したところが低くなってしまいます。

そうなると他のフレットが気になりますので、こっちも打ち直さなきゃ、それ直すと、こっちも、となってしまいます。

出来る限り手を加えて出来るだけ良い状態にしたい場合もありますが、当初の不具合を改善するだけならばコストも余計にかからずに済みます。

出来るだけお金を掛けたい方は、是非お申し付けください。

すごく張り切ると思います。