2017年09月

ネック折れ修理(塗装修正なし) / Gibson LP


修理依頼の多い、ネック折れです。

 


今回は塗装修正なしで仕上げます。


塗装修正なしの場合は、コストを抑えて納期を早めに出来ます。


但し接着後、段差の修正をする際に塗装が剥げてしまうまかも知れませんが、それはやってみなければわかりません。あしからず。


塗装修正無しですが、剥げませんでしたので、きれいに仕上がりました。


よく見ますと、割れていた筋上に白く跡が若干残りましたが、肉眼では然程目立たないと思います。


ホームページ上にバンジョーのネック折れ修理の例がありますが、あちらも塗装なしで、このように塗膜が厚ければ割ときれいに仕上がります。


正面は、折れておじぎをした際に付いた筋が残ります。


 

エレキはボディが重い分、倒れた際には折れてしまう確率が高いです。

アコースティックギターも同様、立て掛ける際には、気をつけて、ケースに入っていても安心ではありませんので、倒れない事の確認をして下さい。

それでも、アクシデントは付きもの。

その時は、皆川ギター工房にお任せ頂ければ、幸いです。

こちらの例のような通常のネック折れ修理は、補強無しで、同じ箇所は折れない修理をします。

当方修理で再度アクシデントのあった際、同じ部分が折れている様に見えた場合、ご確認下さい。

そこに修理の際の接着剤は、ほとんど付いていないはずです。

 

リフレット(フレット交換)/ Ovaiton Adamas Ⅱ

リフレット(フレット交換)します。

リフレットの際は基本的に、指板の歪みを修正します。

初期型のアダマスのハイポジション部の指板は接着してなく、フローティングしている為、ふわふわするので、調整にも一工夫が必用です。

Fender のギターの様にネックを外してフレットを打ちます。

アダマスのハイポジション部は、指板の調整ーフレット打ちーネックリセットーすり合わせ、どの作業も手間を掛けたり、計算を詰めて作業しないと後で調整の際に悲しくなります。

(ハイポジション部には、大昔に作ったアダマス用のフレット打ちジグがセットしてあります。)

エリートと言うモデルは、ハイポジション部のフレット打ちはコツがありますが、それ以外は、一般的なギターと同じ感覚で作業できます。

(初期エリートの1537は、フローティングしてた記憶があるのでこれは別かな。)

特徴的なデザイン。

ここのフレットの処理は、アダマス、エリート共、同様に手間が掛かります。

当方のフレットエッジの仕上げ方は、この感じです。

リフレットの際は、基本的にナットは作り直します。

Ovation の場合、1弦、6弦(両サイド)の溝が内側に入り過ぎている事が多いのですが、交換の際はバランスよく溝を配置します。

Gibson  Martin 等の場合は、気にならなければ、こちらから伺うことはあまりありませんが、Ovation  ヤマハ、等の場合は、気になる事が多いので、弦間(溝の位置)をどうするか伺う事が多いです。

普段使用する、ゲージによっても調整が変わります。

当時の輸入代理店(中尾貿易)で10年以上仕事をさせて頂いたお陰でOvation の対応はいろいろと役に立っています。

 

 

ネック折れ修理( 塗装修正あり)/ Gibson J-45

ネックが折れて分離しています。

今回は塗装修正ありで仕上げます。

毎度の事ながらGibsonですが、ギブソンが折れ易いわけではないですよ。

前にも言いましたが、ギブソン持っている人がいっぱいいるからです。


当方のネック折れ修理は、補強しなくても良い接着をします。


ギターの修理や製作には、タイトボンドが使われる事が多いですが、


ネック折れに関しては、補強しなければタイトボンドは使用できません。


その場合、修理コストが上がり、その部分だけ必要以上の強度が上がり、再度アクシデントがあった場合、複雑化してしまう事があります。

塗装修正ありの場合は、できるだけきれいに仕上げる目的で、元通りの見た目に戻す事ではないので、その点ご了承ください。

特にシースルーの塗装の場合は、元より濃い目の着色になる事もありますので、その点もご了承頂ければ幸いです。

特にネック折れ修理に関しては、それぞれの工房の考えや技術がありますので、いろいろ比較して、ご検討頂ければ幸いです。

 

サウンドホールを塞ぐ / フィードバック対策

フィードバック対策で、サウンドホール塞ぎのご依頼。

ライブ専用ですので、脱着不要でお任せしていただきました。

ボディが薄く、手が入り難いので、今後いろいろと作業し易くなるように裏の穴を増したり、広げたりしても構いません。との事。

確かに、反対側のサウンドホールには、指先が届く程度、だからと言ってすぐに穴なんか開けちゃっっちゃダメです。

プリアンプも着いていますので、外せばそこからもアクセスできますし、いろいろ考えます。

材料は、化粧版が着いた4mmの合板。

両面テープでは、遠い方は圧着し切れないので、両方とも接着、接着固定は、プリアンプ側から、長いクランプを使います。

接着後は塞いだ部分を塗装をするのでなるべくきれいに接着して、塗装前にきれいに出来るように。

貼ってある様子。反対側は写せませんでした。

裏のふたを開けておけば、フィードバックの軽減は出来ると思いますが、それだとギターから自分へ伝わって来る物も減ってしまいます。

自分ギター自分ギター・・・これが大事だと思います。


 

こちらのオーナーは、シンガーの小林洋一さんですが、小林さんもギター好きだと思いますが、大体、特にシンガータイプの方は、ギターありきの人が多いと思います。

小林さんは歌ありき、歌い易くする為に、ライブで使い易くするために、徹底しています。

J-160Eなどは、ここまでやる?って位のギターになってます。

思いは、重いと日頃言っていますが、だからか、J-160Eの重いこと。

ギターとの関わりも、おもい、おもいですね。

小林洋一さんのブログ

 

ネックリセット / Gibson TG-oo

今回はちょっと珍しい4弦ギター。テナーギターです。

角度が悪いので、いつものようにネックリセットです。

塗装が焼けてしまわないように、なるべく早く外してやらないといけません。

ギリギリセーフ、これなら塗装修正をしなくても大丈夫です。

(蒸気を使ってネックの接着を外しますので、時折塗装が焼けてしまう場合があります。)

サドルの高さもいい感じに。

ヒールラインもきれいに密着。


今回はリフレットは無し。


ギターとは思えないネック。


シリアルNO.も見えませんので、分かりませんが、30年代でしょうか、雰囲気も音もとても良いです。

 

ネックリセット / YAMAHA L-10


 

Yamaha  L-10 のネックリセットです。

ボディ材がインディアンローズとハカランダ(ブラジリアンローズ)の2週類があり、こちらはハカランダボディ。

今の時代、ハカランダを使うには、最上位機種でなければ中々使うことがありませんが、この時代はまだ多少贅沢な使い方が出来たのでしょうか。

 

サドルは、高過ぎず、低過ぎず。

ネック角度は、ヒールを削って調整しますが、ただ角度が着けばよいわけではありません。

現行品のマーチンやギブソン等のサドルは高めの(ネック角度がきつめ)のセッティングであったり、古いギターは高くし過ぎず、雰囲気も気にしますが(構造上、高く出来ないものもある為)、基本は高すぎず、低過ぎず。

指板やフレットに難が無ければフレットすり合わせ、難があれば、指板修正、リフレットも作業に加えます。

当方、ネックリセットの際のリフレットは、通常リフレットより割安でやりますので、状態が然程悪くなくても、フレット交換の時期であれば、一緒にやってしまえば改めてやるよりお得です。

ナット交換も込みです。

ヤマハはヤマハの雰囲気に仕上げます。

ちょっと暗っぽいですが、板目のカッコよい、ハカランダです。

柾目の方が高級ですが、個人的には板目の方が好きですね~。