2019年10月

フレット交換 / Masaru Khono Special

クラシックギターのリフレット(指板修正、フレット交換、ナット交換、他調整)です。

よそでもきっとそうだと思いますが、クラシックのリフレットは珍しいです。

エレキやフォークギターの鉄弦は固く、特に高音弦側は小さなポイントで当たり続けて深く削れるので、いずれ交換が必要になります。

 

クラシックギターでも低音側の弦は金属が使われていますので、弾き手によってはフレットを交換する程減ってしまう事があります。

若しくはフレット交換が目的ではなく、指板修正が目的の場合があります。

今回は純粋にフレット交換ですが、その場合も新しいフレットを打つ前に指板調整をします。

 

これから新しいフレットを打つ所ですが、上の2本が新しいフレット。

下の2本はスタッドが無いフレットで、もともとはツルっとして出っ張りの無いタングです。

古いギターで使われてる事が多いです。

 

スタッドが無ければしっかりと溝に喰い付かないので、角のある固いもので打ったり、切り込んだりしてスタッドを作ります。

このフレットは正確に等間隔で打ってあるので、スタッド作りの専用の工具を作ってあるのだと思います。

しかし必ずと言う訳でもなく、ツルっとしたまま溝に打ってあるギターもあります。

 

 

 


真っ平にしなければならない指板修正は意外と難しく、全面を1度に平らにしようとすると、擦っている時にどちらかに力が寄ってサイドが落ちたり、薄っすらアールが付いてしまったリします。


指板は上から下まで(フレット上)真っすぐに調整されなければなりませんが、どのポジションでも平らでなければなりません。

 


ネック(指板)はサイドのラインを見て判断する事があるのですが、アールの付いている指板では、両サイドが落ち過ぎて気持ち悪い指板を見る事があります。

恐らくそこばかり気にし過ぎて削り過ぎてしまったのではないかと想像します。

 

 

※指板は調整上、フレットの並ぶ位置が真っすぐにつながる事と、指板の削れ等は無視した状態で平らに出来ていれば良いです。

エレキやフォークでは、指が当たる位置の指板が凹んでいるものやスキャロップした指板やキズ修正か何かでそこだけ凹んでいる指板等々見ますが、修正する際は、こういった部分は無視します。

削り過ぎない事が鉄則です。

 

 


新しい第1フレットに合わせたナットを作り直します。


フレットが短くなった部分の処理が結構面倒です。


メイドイン都心です。


日本代表のギターの一つです。

 

大昔、黒澤楽器のお茶の水駅前店でアルバイトしていた時代がありました。

昔の駅前店は、現在と違いアコースティックの店で、当時の黒澤の1番良いオールドを置いた店でした。(新大久保店になる前)

店に入って手前がフォークギター(+エレキ)そして店の奥がクラシックギターのスペース、そこにはお金持ちのお客様や当時の常務や店長がいつも難しい(当時の私には)話をして盛り上がっておりました。

ただ、聞こえてくる声は、常務のでかい声ばかりですが、それでも色々勉強になりました。

そして製作家の方なんかも時折いらしていたのではないかと思いますが、澄雄先生(黒澤澄雄)以外知りませんでしたから、河野さんなどもいらしていたのかなと想像しますとなんともったいないことをしたと今更思ってしまいます。

一回、製作家の方とちょっとだけ周りに誰もいない時、話をして頂いたことがありましたが、誰だったんだろう。

当時は修理屋の今井さんが神様でしたから、製作家の方にはあんまり興味が無かった…。

 

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Epiphone FV Bass


スカーフジョイントで継いである所が折れてます。

ネックの強度を上げるためにこの手法を取り入れるようになったと聞いたことがあります。


ですが継いだ所の接着が弱いのか、ベースなので張力が強いのか。

何れにせよ、倒れたりすればタダではすみません。

 


私の仕事仲間はネック折れ修理は、当方と同じく補強の無い修理ですが、サンダーバードには補強を入れると聞いてます。

ですが当方では、これも接着のみです。


補強が無くても、再度折れた報告はありませんので、基本補強無しにこだわって行きます。

 

ネック折れ修理に関して、補強をしない理由など過去のブログで幾度となく書いていますので探してみて頂ければ幸いです。

こんなのや→ 大分前のブログ こんなのとか→ 割と最近のブログ

他にもありますので、よろしければ。

 

 


メイプルやスプルース等、白い木は割れた所が汚れてしまうと目立ってしまいます。


出来るだけ掃除はしてから接着しますが、ある程度筋は残ってしまいます。


割れた所をついつい触りがちですが、汚れますので触らずそのままそ~っとしておいて下さい。


擦って磨いて色も大分抜けました。

塗装修正無しですので、これで完了です。

 


 

自慢では無いのですが、「またヒビが入ったぞ。」や「ぶつけてないのに折れたぞ。」等のクレームは一切無いのですが、もしかして、「やっぱ、補強無しじゃダメじゃん。」「やっぱもう頼めないな。」等、報告が無いまま見限った人はいないかと心配が無い訳ではありません。

修理後も以前と同じように扱っても全く問題無く使用できますが、万一全く何にも無いのに修理箇所にヒビが入ってしまった等があれば必ずご連絡下さい。

但しハードケースに入っていても転倒した際には、折れる事はよくありますので、ケースに入っていても倒れ無いよう気を付けてください。

そして、接着部分はとても強いので、倒れた際には接着部の隣から折れる事があります。

その場合は、接着部が再度折れたように見えます。

 

優しい方は、「とてもいいですよ!」等メールをいただく事もありますが、連絡は無くて当たり前ですので、便りが無いのは良い知らせ、だと思っています。

ですが、「皆川~ダメじゃん。」と思った場合は、必ずご連絡下さい。

よろしくお願いいたします。