2020年06月

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Gibson LP

当方ではネック折れ修理の依頼が非常に多いのですが、どれも似たような場所が折れて、似たような折れ方をしますが、どれも似て居て非なりです。

 

こうなった経緯の詳細が分かる場合、そして全く分からない場合もあります。

分かっていれば助かりますが、折れているギターを入手したので直したい…と言うご依頼も良くある事。

 

塗装修正無しのプランの場合、仕上がり具合が区々になります。

実際にやってみなければ仕上がり具合が分かりません、「修理実績」の中から塗装修正無しの仕上がりを見比べて頂いて、ご想像頂ければ幸いです。

 

ネック折れ修理の跡があっても、傷があってもカッコよいもの。

古ければ古いほど、付き合いが長いほど愛着が湧きます。

 

 

 

ネック角度修正 / Ramirez 1a


 

クラシックギターのネックジョイント(スペイン式)と言うのは、フォークギターのネックジョイント(ドイツ式)の様にネックを抜く事が出来ません。

ネックの角度が狂ってしまったらどうすれば良いのか、当方では指板の厚みを変えて辻褄を合わせています。

フォークギターでもスペイン式のネックジョイントの物もあり、初めてやるブランドはネックが抜けるのか抜けないのか調べなければなりません。

現在修理中のB.C Richの古いフォークギターのネックのジョイントがどうなのかいろいろ調べ、アメリカの修理屋のサイトで画像を発見、半信半疑の部分も多かったので詳細を確認したくグーグル翻訳を使ってメールで聞いてみた所、やはりダブテールジョイントでは無い事が分かったのですが。

このアメリカの修理屋さん、優しくて親切に修理方法もおしえてくれました。

それはそれで、「ほー!」と言う…またそのギターの記事の時に書きます。

 

ネックの角度を直すのにもいろいろ方法があり、どの方法もその人によって一長一短なのかなと思います。

安くやりたい、お金が掛かってもしっかりやりたいや、修理屋的にも慣れている方法、慣れていない方法があったり。

当方の場合はネックアイロンの扱いは熟知していても、お勧めはしないがオーナーの要望から修理者側の提案やリスクの説明を経て決まる場合もあり、修理方法に決まりは無いと言って過言ではないのです。

 


ネックの角度が良くなったら、指板も真っすぐに修正します。


指板が真っすぐになっったら、フレットは新しく。


新しいフレットに合わせてナットも作り直します。


ハカランダのボディはつい後ろを写してしまいます。

 

ヘッド(ネック)折れ修理(塗装修正無し) / Ovation CS257

折れてしまったら、しっかり接着する、補強はしない。

ホームページ内で紹介している修理実績を見て頂いて、ご自身のギターも同じような状態になってしまっていましたらお問い合わせください。

全て自信をもって修理してきましたが、私の判断ミスにより経過が良くないケースが出てしまいました。

今後は補強要の判断があるかもしれません。

 

 

 

当方のネック折れ修理は補強をしない修理です。

ネック折れ修理の接着剤にはタイトボンド等の接着剤を使う場合は補強が無ければ使用に耐えられません。

当方では補強をしなくても良い接着剤で接着します。

そのことにより、コストを下げられ、塗装修正が無しの仕上げであれば更にコストを下げられます。

補強をしない修理は、将来同じようなアクシデントがあった場合、近い部分が折れますので折れ方が複雑にならず同じような修理で対応できます。

ネック折れを修理した後、音が変わってしまうか心配される方もおられます。

ネック折れ修理で音が変わってしまう事はあまりありませんが、(理屈を言えば変わるのですが、聞き分ける人はあまり居ない。)補強をする場合、同じ樹種であっても別の材を埋め込んだりしませんので、補強が無ければ1番変化が小さい修理と言えます。

このような考えのもと、ネック折れの修理しております。

 

 


自身をもってやって来たものでも、何かあった時には謙虚に受け止めて。

 


何十年やってきても、こういう事があるのだなと勉強して。

(このギターは無関係。)


自分は、まだまだ未熟だと認識する。

 

このOvationのように過去の物も含めて紹介している修理例に問題は出ていません。

今後も変わらず、お問い合わせ頂ければ幸いです。

過去にクレーム0と、どこかの記事に書きましたので、今回は訂正いたします。

ネック折れ修理が上手く行かないのがありました。

 

ボディ割れ修理 / Koaloha

ウクレレは小さくて軽いので、返って落っことしやすいのかもしれません。

出来るだけ真っ平に戻るように、あれこれクランプしてみて、これで良しと思っても微妙に段差が出来てしまいます。

そのままにするか段差を研ぐか、悩みどころですが、平らに研ぎます。

 

 


塗膜が厚めならば、塗装が剥げずに違和感なく仕上がるのですが、剥げてしまったところは、色が薄くなってしまいます。


着色し直したところは濃くなるとワザとらしくなってしまうので、薄く、濃くならない様に。


肉眼で見ると良い感じでも画像になると粗が良く見えたり、見えなくなったり、難しいです。


落っことさない様に、気を付けましょう。