2021年04月

ブログおやすみ。

いつも見て頂いて、誠に感謝申し上げます。

ブログは、定休日の土曜日を利用して更新していますが、今週は用事が入ってしまい1日取られてしまうので、休みます。

こういう機会もあまりありませんので、よろしければ過去の古い記事も見て頂ければ幸いです。

文章等、伝わり辛かったり色々ありますが、私も見た際には、改めて確認出来たりすることもあります。

滅多に見ないギターの画像なんかもあったりしますので、よろしければ。

また来週なんか更新します!

ロッド交換 / Gibson Dove

ロッド交換します。

ネックアイロンで温めて指板を剥がします。

折れちゃってます。

 


ネックを外して角度も直します。

指板が剥がれているので、ジョイントが見えて都合が良いです。


ずっと前から馴染のバイク屋でロッドエンドは 溶接してもらっています。

随分前からもう乗ってないけど、DRAG☆ONと言うバイク屋さん。


長さを決めて、切ったら…


ナットの溝を切ります。

こんなに溝を付けなくても良いと思うのですが、オリジナルがそうなっているのでマネします。


埋木はウォルナット。

なんか見た目が好いです。

 


指板を貼る時にちょっとだけテンションを掛けます。

指板はネックの元の位置には収まらず多少、時には大きくずれます。

指板を剥がす前にフレットの位置で3か所、ダボを打つ位置を決めますが、ズレるのは剥がした時点で反るのだと思います。

出張ったとこは仕方ありませんので、削って合わせます。

 

削れば、色も合わせなければならず、塗装修正は必須です。

うんと古いギター等は、指板がズレずに元の位置にビタッと戻せる事もありますが、なぜかは分かりません。

剥がしても反らないと言う事なのでしょうが…ピタッと戻る事が腑に落ちないのは変な感覚。

 


指板面も修正してリフレットします。


リフレットしましたら、ナットも作り変えます。


Gibsonはネックとボディ一緒に塗り込んでいますが、見た目がおかしく無ければボディ側は塗装しません。


昔は、わざわざボディと一緒に塗り込んでいましたが、手間だし特に意味も無いので必要が無ければやりません。

 


 


 


 

 


ネックに角度が付きますと、14フレット以降が下がりますので、指板に厚みを足します。


 


弦高は1弦側から6弦側にちょっとずつ高くなっていくようにバランスを取ります。

ですのでサドルは6弦側が少し高くなっているのが、見た目も良いのですが、ブリッジの厚みの差等、何らかの理由でバランスが逆になってしまう事があります。


70年代Gibsonも中々味わいがあって好いです。

自分の70年代J-45もとても良く気に入って弾いていたのですが、甚く気に入ったお客さんに買われてしまいました。

 

 

ボディ(トップ)剥がれ / Ovation 1687-8

あちこち剥がれています。

弦高が高くて弾けない原因は、これ。

何故かと言えば。

ネック角度が狂った為→弦高が高くなる。

ボディがひしゃげて→角度が狂う。

ボディがひしゃげて→トップ剥がれた。

この年代の接着剤は柔らかく、剝がれやすくなっているものも沢山見ました。

 


ふわふわした接着剤を除去してアラルダイトで接着します。


もっと締まった音になる筈です。

 


Adamsの場合、音が悪い原因はこれかなと思っています。

 


過去のブログでも何度も見て頂いております。


ジョイント部の空洞。


少しでも強度が上がるようにエポキシパテで補強します。


でも弦を緩めず放置すれば必ず、また支障は出ます。

 


Ovationのネック角度を決めるのは難しいです。

通常のトラディショナルなサドルであればここまで高くはしません。


リフレットしました。

この部分の処理が大変です。


元のフレットのエッジは斜め過ぎてカッコ悪いので立てます。


リフレットしましたので、ナットも作り直します。

 


通常はヒールを削って角度を調整しますが、Ovation の場合は、シムを用いて調整します。


勿論決まりではありませんが、Ovationの工場と同じ方式でセットします。


Adamsを指板修正する場合は、ヘッドのこの出っ張りに触れて(削れて)も良いか否か検討して頂きます。


その部分が多少削れても良い場合は、真っすぐに指板を調整できます。

 

指板の調整は、フレットが乗る溝の部分が真っすぐに揃えば良いので、その他のフレット同士の間(弦を押さえる所)は歪んでいても問題はありません。

なので、多少カッコ悪くてもナットの前が削れていなくても問題ありません。

しかし、ヘッドの出っ張りを触らずにやる場合は、ヘッドに行かない様に1フレット目で削る手を止めますので削れ方が少なくなります。

1フレット目から真っすぐになっているか確認し、ダメなら辻褄が合うように改めて調整し直します。

 

ボディ割れ(ネック角度狂い) / Gibson LG-2


 

この状況は何と言えば良いのでしょうか。

以前1度聞いた事が…ショルダー部が潰れてリンゴのようになってしまう…アップル何とか…

こんな感じ→  https://www.m-guitars.com/blog/2118/  

 

ネック(指板)がサウンドホール側へずれてしまって、弦高もかなり高くなってしまっています。

ズレを修正して、割れを接着しますが、1番重要な作業はこの修正箇所周辺の力木の剥がれをしっかり接着する事。

 

ズレを戻せばネックの角度もある程度は戻りますが、かなりな見た目の状況ですのでネックを抜いて角度を修正する事も予定しています。

 


 


 


 

 

 

ボディのズレを戻しただけで、角度も十分良い状態になってしまいました。

修理代も見積もりより大分安くなりましたー。


 


 


 

割れ修理は勿論大事ですが、それより力木の剥がれを見落としちゃいけません。

ちからぎっ!とは、よく言ったもんです。

 

 


 


 


 

指板(ネック)の状態は良くありませんでしたので、修正して新しいフレットに交換。

新しいフレットに交換したら、新しい第1フレットに合わせてナットも作り変えます。(もしくは調整します。)

 

このような事も勿論ですが、あんな事やこんな事いろんな事が起きなように、弦は必ず緩めましょう!

335のように中心にブロックが入っていたり、厚い板にネックが付いているギターであればそんなに心配しなくても大丈夫かと思いますが、

製作家の先生や、有名なメーカーが緩めない事を推奨してもそれが「アコースティックギター」であればしっかり緩めましょう。

いつの頃からか、クラシックギターをクラギと呼んでフォークギターをアコギと呼ぶ人が出てきましたが、どっちもアコースティックギターでございます。

 

 

ネックリセット / Martin Custom


 


 


 

 

ネックの反りを修正したり、角度もネックを取り外すことなく、ネック修理専用のアイロンを使って修正する事もあります。

ネックを外しませんので、預かり期間と修理費を抑える事が出来ますが、当方ではお勧めはしておりません。

お勧めしない理由としては、確実な修理とは言えず、修理としては簡易的でまた元に戻ってしまうデメリットがあるからです。

メリットは「早い、安い」。

私の場合経験上、メーカーによっては良い結果が全くイメージ出来ないブランドもあるのですが、なんでもアイロンで直してしまう人もいますから、これは私の技術力不足の為かもしれません。

 

その他にもジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する方法もありますが、ネックリセットする事と比較すると少しは安く上がるのかもしれませんが、見た目も悪くなりますし、現在ではあまりメリットが感じられない方法のような気がします。

大昔はネックリセットする事より、ジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する修理屋さんも多くあったように思います。

その場合は、指板を14フレットまで剥がしてジョイント部にクサビを打ち、ヒールに隙間が出来ますのでそこも修正しなければなりません。

現在では道具の進化もあり、ネックを外す事は、どの修理屋でも可能になりました。