2019年05月

ネックリセット、リフレット(ナット外しの巻き)/ Martin D-45

ネックのリセットです。

いつも同じ事を書いていますので、書く方も読む方も大分飽きて来ていると思います。

但し、どのモデルも流れや手順が同じかと言えば、それぞれ若干違います。

こちらはリフレットもしますので、D-45の場合のナット交換に注目します。

 

 

ナットを外す際、指板側からヘッド側に叩いて外すことが多いのですが、ガッチリ接着されている物は外れにくいからと言って無理に叩いてはいけません。

無理に叩いて外した場合は、ヘッドの化粧板まで壊してしまいます。

特にMartin の上位機種のように分厚い化粧板が付いている物は、ちょっと叩いて外れなければすぐに諦めた方が良いでしょう。

その場合は、ギターの安全を確保する為にナットは壊すしかありません。

壊し方は、長い方向へ真ん中から切り込みを入れて、2枚になった状態から切り込みに向けて双方(指板側、ナット側)から叩いて外します。

この際の注意点は、ナットの底までしっかり切り込みを入れる事、下まで切り込んでおかないと結局、切り込み以下は取れずに残ってしまいます。

中途半端に残ってしまったナットを取り除くのは、なかなか面倒です。

もう一つは、底まで切り込みを入れる際にギターまで一緒に切ってしまわない様に注意します。

 


ギターまでちょっと切っちゃってますが、横から見える部分は、絶対に切ってはいけません。

必ず外す時が来るので、簡単に取れるように接着してくれれば良いのに、取れたらまた付ければ良いのですから。

 


大分、掘れちゃいました。


ナットの底が座りよく、しっかり接するように掘れてしまった所は足して平らに直します。


横から見える所は、切り過ぎないように。


反対側は見え難いのでさらに慎重に。


ナットを外すだけでも結構面倒です。

 


こんな事でも知らなかったり、面倒臭がって叩いてしまうと、もの凄く余計に面倒な事になります。

 

 


 


 


 

 

ネックリセット、ブリッジ交換、リフレット / Martin O-15

まだこの頃は、蒸気無しのネック外しを始めたばかりで珍しかったので、ここから画像があります。

マホガニーの接着は、ガッチリ貼り付いています。

 

素人さんの記事だと思いますが、ジョイントに空間があるのは良くない事なのでは。と書いてあったのですが、このギターをリセットした人も同じ考えなのか、この空間を接着剤で埋めようとしたのかもしれません。

この空間は、角度の調整やネックを外す際に必要です。

時折ぴったり入っている事がありますが、ドリルで穴を開けている時に空間を感じない時は、何かが違うのでは、と不安になります。

 


この際、薄くされたブリッジに角度を合わせるのでは無く、本来の厚さでブリッジも作り直します。


ハカランダの在庫は残りも僅かなので、失敗出来ません。


以前はローズの香りのハカランダ(ブラジリアンローズ)こそが、真のローズウッドだと思っていましたが、現在ではインディアンローズも貴重になって、今まで魅力を感じなかったインディアンローズの”茶色い匂い”も何故かちょっと良いと思えてしまいます。


リフレットも完了。


新しいフレットを打つ前に指板を調整しますが、削り過ぎず必要最小限が鉄則。


エボニーナットは交換せずにエボニーで底上げして調整します。


 


 


 

 

 

ネックリセット,リフレット / Gibson Hmmingbird


通常数ミリも動けばネックは抜けるのですが、さすがGibson全然抜けないです。


何か付いていますが、ダブテールの1部です。

このネックは3ピースなので片側の部分が剥がれて残っている状態。


奥に向かって細くなっているダブテールであれば、前に少し動けばすぐ抜けますが、前から奥まで幅が変わらないダブテールでは、木工精度の良いGibson なので抜け辛いと言う訳です。


右側が取れてます。

きれいに取れていますので、貼り直して調整します。

フレットもペタンコなのでリフレットします。

過去、何度もすり合わせをしたのだと思います。

上から下までペタンコです。

ギブソンにはフレットレスワンダーと言う、全く良さが分からないフレットがありますがアレではないですよね。

 

 


これで演奏性も音の粒立ちも良くなります。


低過ぎるフレットでは、意識的にしっかり押さえなければならないので、疲れます。


基本的には新しいフレットに合わせてナットも作り直します。

 


サドルはいつものように出過ぎてしまわないように。

ですが、70年代Gibsonでは弦とトップのクリアランスが狭目なので弦高が低くなってもサドルまで低くなってしまわないように気持ち角度は大きめに取ります。


角度を直すとジョイントが緩くなりますので、またきつく入るように調整します。


いつも言いますが、このヒールとボディの接地面の接着は、ジョイントの強度と言う意味では重要ではありません。

 


70年代Gibson は鳴りが豊かなので、最近はこの年代なりの良さに気付いた人が多い気がします。

 

ヒールの接着で一つ思い出しました。

ギブソンの話ではないですが、木工精度の良さをアピールするRowdenは、このヒール部分は一切接着はされて無いんです。

2~3本しかやったこと無いので全てのモデルがそうか分かりませんが…

ジョイント部のみの接着で、ヒール部には接着剤は付いてません。

10年以上前にローデンのネックリセットの際にジョイントの方式等、分からなかったのでギタープラネットの店長にローデンへ問い合わせてもらったところ、ローデン曰く「通常通りネックは外せます。」「ですが、ローデンのジョイントはとても精巧なので難しいです。」と返答されたそうです。

さすがRowden。