2020年05月

ネックリセット / Ovation 1688-8


アダマスの12弦ギターのネックリセットでございます。

修理するだけでなく、いつものように補強出来る部分は補強します。


この空洞部分が潰れてネックの角度が狂います。

少しでも強度が補えるようにエポキシパテを充填します。


空洞はずっと奥まであるので、ある程度適当に詰めますが、詰めた部分はギュッとね。

 


しかしこの空洞があっても無くても、チューニングしたままではネックの角度は狂っていきます。

 

製作家やメーカーが理論や計算を積み重ねて強度を上げてもアコースティックギターのように空洞のボディにネックが付いている以上、長期間チューニングしたままではネックの角度は狂ってしまうでしょう。

ですがそうした作りての、いろんな思いが今のバラエティーに富んだブランドを生み出しているんでしょうね。

メンテナンスフリーのようなアコースティックギターが作りたいと思っても、そうするとアコギらしさから遠ざかってしまう。

音もデザインも良くしたい…かと言って、トラディショナルなギターをより良く作るんだと言ったって、そりゃ大変。

こんなに難しい事は無いです。

 

 


修理のついでにグリスアップ。


ワッシャーも追加します。

目一杯、アジャストロッドを締め込んであったものは戻しても効き巾が狭くなっていることがあります、その際はワッシャを追加すると多少効き巾が出来ます。


ボルトオンネックは、ダブテールジョイントの物と比較するとチューニング後のネックの角度の変化量が違います。


アダマスのハイポジション部の指板は、初期の物は接着しておらず、こちらは内側に接着剤が充填してあります。

「接着して無いのかな?」と言うような接着がアダマスっぽい雰囲気。


Ovation のネック角度を調整する場合は、ヒールは削らず、シムで調整します。

本来のギターの調整としては違うのですが、カマンバーと言うロッドがネック、ヒールに仕込んである事や、メーカー自体この調整方法の為、それに倣って調整しています。


Ovation のヒールでも削って角度調整している方もいるようですが、本来であればそちらが正解なのかと思いますが、当方ではOvationらしくやっています。

 


最近また、Ovationを弾く人が増えて来たような気がするんですが。

 

 

ブリッジ修理 / Takamine


ブリッジが剥がれて前へずれてしまっています。


スーパーグルー(瞬間接着剤系)で貼ってありますので、剥がれる時はポンと剥がれます。

大きな四角の空洞にピックアップが収まります。


この類のブリッジの接着は、接着剤が満遍なく行き渡っていない事が多いので、強く貼り付いているところと弱いところがあります。

 


剥がれているところは接着し直して、欠けて無くなってしまったところは、エポキシパテで埋めます。


こちらのブリッジの接着にはアラルダイト(エポキシ)を使用しますので、木地は出す必要はありませんが、塗装がしっかり定着(密着)していなければなりません。

 


通常ブリッジの接着にエポキシは使いませんが、スーパーグルーで貼り付いていたブリッジは、同じような修理を繰り返さないようにエポキシを使用する事は、しばしばあります。

 


アラルダイト(エポキシ)は硬化した後も縮まず、接着力も強く、大変優れた接着剤ですが、扱いは面倒です。

 

ネック反り修理 / Gibson LP custom

指板を剥がしておりますが、何をやろうかと申しますと、ネックの反りを直します。

 

いつものように途中の画像は一切ありませんが、完了形です。

締めきっていたアジャストロッドも余裕が戻りました。

 

通常ネックの反りを直すのであれば、アジャストロッドで調整したり、アイロンで矯正したりすのではないかと思います。

もしくは、状況によってはリフレットして指板を修正するのも手だと思います。

反りがひどい状態でも、仮にアイロンが効いたとすると、その後は指板を修正(リフレット)もしくは最低でもフレットのすり合わせをしなければなりません。

ネックアイロンは不確かな修理方法の為、ある程度修理代をかけても、反りが戻る可能性も残ります。

このギターのように反り具合がひどく、過去の修理も良い成果が出ていない様であれば、仮にアイロンが効いたとしても、今回も良くない予想が付きます。

 

長年の経験では、アイロンが有効なものとそうでないものが、ある程度メーカー等で分類できるような気がしています。

Gibson等はアイロンは1番有効なブランドではないかと思っています。

 

何故、熱でネック反りが修正(矯正)出来るのか。

接着剤は熱で柔らかくなるので、矯正してある状態で熱したら、冷ました時に貼り直されているようなイメージではないでしょうか。

 

 


ですから、貼り直す事と同じであれば接着力も落ちてくるのではないかと考えてます。


各メーカーで使用する接着剤の種類やブランド、製作の方法やパーツのデザイン等でアイロンの効き具合も変わってくるのではないかと想像しています。


指板等、大きなパーツは一旦剥がすと、木ですので動いて元の位置には戻りません。

ちょっと出っ張ったり、引っ込んだりしますが、そこは削って合わせるしかありません。

 


6弦側がちょっと出っ張ったから、こっちは多少凹んだだかと思えば、なぜか丁度良い位。

 


リフレットしましたから、ナットも作り直します。


Good!

 

ネック折れ修理(塗装修正あり) / Gibson LP

何度修理したか分からなさそうです。

何度も倒れてしまったのか、何度直しても割れてしまうのか。

倒したり、ぶつけたり、投げたり、踏んづけたり、してないのに割れてしまっては修理した甲斐がありません。

 


塗装修正までやって出来るだけきれいに仕上げるプランですが、どこまで出来るか。


修理の際は、アジャストナットと半月のワッシャーは外して修理しなければいけません。


古い接着剤は出来る限り取り除きます。

何につけ、貼り直す際には古い接着剤は取り除き、密着するか確認と調整が必要です。

 

多少、濃い目に着色して割れ跡を目立たなくしました。

いつもの方法ですが、いつも試行錯誤します。

 


ヒール側が多少濃いめの色なので、そちらに寄せた感じの着色になるように。


ライトが当たらないと大分濃くなります。


ナイス! プレーントップ!

 

 

メンテナンス等、お問い合わせ

当方では、当初5月10日(日)まで、新規ご依頼の受け付けは、自粛の予定でした。

ですが、「お知らせ」まで、なかなかお読み頂き難いサイトの為、連休に入ってから弦交換のご依頼が非常に多く、その都度お断り申し上げておりました。

弦交換は基本的には、売れっ子以外は自分でやるものなので、自分で覚えなければならないものです。

交換方法も教えたがり屋さん達がユーチューブ等でやっています、大体基本的には間違ったことは言ってませんのでそれらを見ながら覚えるのも良い事です。

この連休中に折角ギターを練習したいと思っている方は「弦が新しければ…」「弦が付いていれば…」と言う方が沢山おられる事が分かりました。

ですので、新規修理ご依頼の方も、2~3お約束ご協力の上、受付再開したいと思います。

お一人ずつ対応いたしますので、必ず日時のご予約をお願いいたします。

入り口に用意してあります「次亜塩素酸水」にて手洗いのご協力をお願いいたします。

 

6弦ギター用弦(SITライトゲージ)交換作業込…¥2,200-(税込み)

小売り用の弦は少量しか用意がありませんので、無くなった場合は入荷待ちとなります。

お問い合わせホームからご連絡下さい。

連休も後わずかですが、よろしくお願いいたします。


 

 

 

リフレット / Orville Les Paul

このギターがどうだったかは覚えていませんが、指板へのオイルは程々にしましょう!

オイルなのだから、きっとやればやるだけ良いと思い込んでいる方がいるようですが、オイルも水分ですのでやり過ぎは返って逆効果です。

表面が乾いてきたら塗って、塗ったら拭き取りましょう。

それ位で十分です。

今回のようにリフレットの場合は、指板修正しますのである程度改善しますが、現状ですり合わせをしたい時や塗装の際のマスキングに困ります。

中まで浸透している指板は、溶剤で拭き取っても拭き取ってもマスキングテープが貼り付かないのです。

 

 

オイリーフィンガーボードは、サンドペーパーはすぐ目詰まりしちゃうし、しないと後々面倒なので意地でもマスキングテープをしたいのですが、剥がれてしまいますし、貼り付かないから、すごくイライラしてしまいます。

 

 

 


オービルさんは最初からオーバーバインディングでした。

 


私はやりませんが、私の仕事仲間でエレキの事で頼りになる人は、ギブソンのフレットバインディングを温存してリフレットする技があるそうです。

・・・アメージングでございます。


ギブソンのあのフレットバインディングって言うのは、何ででしょうね。

見た目の良さを追求したのでしょうか。

果たしてあれが見た目が良いかは私にはわかりませんが。
手間がかかる上に、演奏上障害になる場合がある事は知ってます。

 

 

 

 

ちゃんとディープジョイント。

プレーンなトップもGood!