指板(フィンガーボード)
Gibson L-00 指板再接着&ネックリセット

指板を再接着します。ネックの矯正も少しできることを期待してあの手この手でシュミレーション。指板がネックに理想の形で接着できればフレットも指板修正も最小限で済みます。ビンテージギターを後世に永く残す為に師匠もそういった観点にこだわっております。
今回も名器が無事蘇りました♫男臭くてカッコいい、ナイスギターですね!
今回のような指板を剥がす修理+ネックリセットや、ネックリセット+フレット交換など、同時に行う修理の組み合わせによって作業効率が上がる場合に若干コストを抑えられることもあります。組み合わせによって手間が変わらない場合は修理料金も変わらないと思います(^^;
お見積りの際は気になるところはぜひご相談いただければと思います。
今回もありがとうございました。
指板修正(リフレット)/ 手工品(D-45コピー)
フレットのすり合わせをする機械というのがあるらしいのですが、とりあえずそれでやってみてもらったようですが、問題解決にならなかったようです。
物事には各々の基準や物差しが違いますので、判断が異なるのは仕方ないと思います。
当方であれば、この状態でフレットのすり合わせという選択は無いのですが、この状態でビリつかない様にすり合わせをするのであれば、ポジションによってはフレットがぺったんこになるような調整になったはずだと思います。
ご依頼人のお話によれば、「この先はネックリセットが必要なので、アコースティック専門の修理屋で、」と言う事で、プランの流れが良くわかりませんが、当方をお勧め頂いたようで嬉しかったですけど、こちらのギターは当方の見積もりではネックリセットの必要はありませんので、ショップによって判断基準の違いを改めて痛く感じた仕事でした。
ですので、逆にうちで納得いかなかった人が他所で見てもらったら「こんな事したの?」なんてことが無いとも限りません。
判断基準が違うのですから、当方を信頼して頂くお客様には本当に感謝いたします。
さださんで 一つ思いだした話があります。
私(葛飾区出身)が中学生の時、中川中学から転任して来た、理科の中島先生が授業中に話していたこと。
「彼(さだ君)はね、授業中一切ノートは取らないけど、全部、記憶している。集中力がすごい。」
「キミ達もそうしなさい。」位の勢いで話されていましたが、無理です。
ただただ、ノートを書かない子になるだけです。
バイオリン以外の事はやらなかったという、さださんの天才っぷりがほんとによくわかったお話でした。
ネック反り修理 / Gibson LP custom
通常ネックの反りを直すのであれば、アジャストロッドで調整したり、アイロンで矯正したりすのではないかと思います。
もしくは、状況によってはリフレットして指板を修正するのも手だと思います。
反りがひどい状態でも、仮にアイロンが効いたとすると、その後は指板を修正(リフレット)もしくは最低でもフレットのすり合わせをしなければなりません。
ネックアイロンは不確かな修理方法の為、ある程度修理代をかけても、反りが戻る可能性も残ります。
このギターのように反り具合がひどく、過去の修理も良い成果が出ていない様であれば、仮にアイロンが効いたとしても、今回も良くない予想が付きます。
長年の経験では、アイロンが有効なものとそうでないものが、ある程度メーカー等で分類できるような気がしています。
Gibson等はアイロンは1番有効なブランドではないかと思っています。
何故、熱でネック反りが修正(矯正)出来るのか。
接着剤は熱で柔らかくなるので、矯正してある状態で熱したら、冷ました時に貼り直されているようなイメージではないでしょうか。
インレイの保護(ネックアイロン) / Gibson southern jumbo
タイトルにもありますように、これからネックアイロンを掛けるのですが、この指板のインレイは貝ではなく、パーロイドと言う白蝶貝(Mother ofpearl)に似せたセルロイド製なので、熱を掛けると白く焼けてしまいます。
大昔、オリジナルのレスポールのインレイ全部燃やしたと、知人の武勇伝を聞いた事がありますが・・・。
本物のレスポールにアイロン掛けちゃいけません。あー恐ろしや、恐ろしや。
指板(フィンガーボード)修正する際も、この選択が求められます。
過去に指板修正歴があまり無ければ、インレイの厚さもまだ余裕があると思いますが、幾度と無くリフレットが施されている物は修正の際に状態によってはインレイが薄くなってしまったり、消えてしまったりします。
消えても気にしない人は、そのままですが、残す場合は外して、インレイを戻すスペースを、指板を削った分掘ってインレイを戻します。
今回はネックのアイロン矯正の際のインレイについての記事ですが、当方ではアイロンでのネック修理をすすんでお勧めする事はありません。
そのことについては、以前の記事でごらん頂くか、また改めて書く事がありますのでその時ご覧頂ければ幸いです。
ご了承下さい。
ネック反り修理(指板貼り直し) / Martin D-28s
このMartin のようにアジャストロッドでは無かったり、アジャストロッドが一杯まで締めきってしまっている場合、反りを直す方法は2~3ありますが、その方法の良し悪しはオーナーの意向に副うのか否かです。
先ず、何も考えず使っている人が多いのはアイロン(ネックヒーター)。これだけに頼っていてはネック修理の50%以上は不可能になってしまいます。
アイロンは効果がある無しが、メーカーによって差が出てしまうので、アイロンを使ってのネック反り矯正は勧めません、先ずアイロンによる効果がどの程度のものか説明が必要です。
長年やってきて不思議に思うところが、どの接着剤を使ったもの、どの年代のどの工場のも、等で差が出るものではなく、メーカーによって差が出るような気がします。ただこれは断言出来ませんが、「やはりそうだ。」と思う事が多いと言う事です。
Martin の場合は、イメージ通りには行かない事が多く、上手くいったはずの物も後に戻ってしまっている物もいくつか見て来ているので、私の中ではMartinはアイロンが効かない事になっています。
ただしオーナー次第では、無理くり何度もアイロンをかけてとりあえず何とかやってみて、その後ダメならその時考える。という方もいなくはありません。
次が、指板(フィンガーボード)を修正して(削って)反りを無くす方法です。
この方法はとても確実で作業内容はリフレットですので、修理後の演奏性も良いです。
ただし、程度によっては修正部分がかなり削られてしまう事になるので、その点は注意が必要です。
もうひとつは、画像にあるように指板を貼り直して修正するやり方です。
アイロンで期待する効果を実際に手を加えて、欲しい状態を確実に作り出す作業です。
アイロンでは1度暖められた接着剤が冷えて再度硬化する事と比較すると、貼り直す場合は強度も期待できます。
ただし一旦剥がしてしまった指板は歪みますので、貼り直した際は両サイド、指板面も修正して、新しいフレット打ちます。
修理の費用と納期は紹介した順番に大きくなります、どの方法がベストなのかは、見積もり後の検討で最終的にオーナーが決めます。
このギターの修理を3回続けて見ていただきましたが、ここまでやるには、修理費用がどれくらい掛かったのか気になる方も居ると思います。
このギターはこの他にも力木(ブレーシング)の剥がれも修理しています。
気になる方はメールにて問い合わせ頂ければ、そういった質問にも回答差し上げます。
指板(フィンガーボード)のアールについて
リフレット(フレット交換)なので、この指板(フィンガーボード)のアールをどうにかしなければなりません。Fenderみたいだ。
ネックの状態をある程度判断する為にバインディング(指板サイド)のラインを見ますが、おそらくそれだけを気にするばかりに、サイドばかり削り落としてしまったのかと想像します。
フィンガーボード(指板)厚み修正 / Martin HD-28
指板を剥がさなくてはならない場合と言うのは、大概ギブソンのロッド交換の場合ですが、こちらのMartinは何故、指板を剥がしているかと言いますと。
過去、指板の歪みの修正やリフレットなどで、指板が大分薄くなってしまい、ネックも反っているという状態で、今後ミディアムゲージを使用予定の為、指板の厚みを戻します。
指板(フィンガーボード)修正 / クラシックギター(フラットフィンガーボード)
修理等でネック折れと並んで依頼が多いのがリフレット(フレット交換)ですが、フォークギターやエレキギターと違いクラシックギターはあまりありません。
クラシックの場合1~3弦がナイロン弦ですのでフレットがほとんど減る事がありません。
ですが、他のギター同様、指板(フィンガーボード)が歪んでいるものは、フレットを取って指板を修正しなければなりません。
どのギターの指板を修正する際も、ストレートにする事が一番の目的ですが、それに到達するためにバランスが悪くなっては元も子も無くなってしまいます。
10歩引いて、仮にバランスが崩れても、弾き易くなれば良いのですが、弾き難くなってしまっては全く意味の無い事になってしまいますので、リフレット(指板修正)する以前にネックの修理をしなければバランスが保てない場合があります。