コラム

ギターの保管方法

 ギターの保管方法

保管する時は弦を緩めておく

弦を張った状態でギターにかかる負担は約70~80kgです。弦を張りっぱなしにしていると大人1人分の体重と同程度の負担が常にかかることになり、ネック反りやブリッジの剥がれといった不具合の原因になります。ブリッジ剥がれは修理が必要となり、ネック反りはプレイヤビリティの低下や音のビビり、チューニングが合わなくなるといったトラブルにもなります。そのため、保管する際はギターの弦をある程度緩めることをおすすめします。

湿気だけじゃなく「乾燥」にも注意しよう

湿気を気にするあまり、乾燥剤や除湿機を必要以上に使っていませんか?
確かに湿度の高いジメジメした環境はギターの劣化に繋がりますが、逆に湿度が低すぎてもギターに悪影響となります。湿度の低い乾燥した環境でギターを保管すると、ボディ割れや指板割れ、フレットにバリが出る要因になります。そのため、湿度が低下する冬場の乾燥対策はもちろん、梅雨時に使用する除湿や夏場の冷風といったエアコンの風に気をつけましょう。また、日中陽が差し込みやすい部屋も乾燥・劣化を招きやすくしますので、直射日光が当たらない場所にギターを保管しましょう。

ギターを床に寝かせるのはNG

ギターを床に寝かせたまま置くと、当然ですが、誤ってギターを踏んだり蹴ったりするといったトラブルに繋がります。特に、ヘッド部分に角度のあるギターは重力が一点に集中するため、万が一踏んでしまうとネック折れやボディ割れなどの重大な破損の原因となります。

アコースティックギターのフレット交換やネック反りなどでお悩みなら、東京都にある皆川ギター工房にお任せください。お客様の都合に合わせてスピーディーかつ丁寧なリペアを行います。フレット交換やネック折れ・反りであればエレキギターも対応可能です。素材料金込みの分かりやすい価格で表示していますので、「予算内でフレット交換・リペアをしたい」「ギター修理の相談をしたい」という方はどうぞお気軽にご依頼ください。

ギター奏者なら知っておきたい音のメカニズムとは

アコースティックギターの奏者なら知っておきたい「音のメカニズム」。その音の正体は、物体の振動が空気を伝播していくことによって生まれる波です。大気圧を軸として空気の振動が波となり、伝わっていくのです。空気中はもちろん金属や水の中でもこの現象は起こり、知らず知らずのうちに音となって私たちの耳に届いています。

音が出るメカニズムは楽器によって違う!

音が出るメカニズムは楽器によって違う!

金管楽器や打楽器、弦楽器など、一口に楽器と言っても様々な種類がありますが、音が出るメカニズムはそれぞれ違ってきます。
例えば、金管楽器は唇を使って空気を振動させ音を出し、打楽器であれば膜や板、棒を用いて物体を震わせ、振動を空気に伝えます。そして、弦楽器であるギターの場合は、弦を振動させることで音を発生させます。

ただ、音が出るメカニズムは違っても、音の高低・音量は共通しています。音の正体である振動のスピードが速いほど、波の層が細かくなるため高音になり、遅く なるにつれて低く聴こえます。また、振動の大きさで音量は変化し、振動の規則性によって音が安定したり不安定になったりします。

ギターの音質が気になりだしたら

ギターの音質が気になりだしたら

弦を震わせることでギターを演奏できますが、良い音を出す上で重要になるのが弦やフレット、ナット、サドルの状態です。ギターの音質が気になりだした時は、1弦から6弦までの全ての弦をしっかりと鳴らし、フレット交換やサドル調整などのケアをしてみましょう。

ギターを演奏するうちにフレットに汚れが蓄積されていき、その汚れが錆びを引き起こし、音質に影響を与えることがあります。ギターの音や演奏性に問題が無いようであれば、修理・メンテナンスをする必要はありませんが、フレットやサドル、ナットの錆びや削れでギターの鳴りが悪いと感じる場合は、一度ご相談ください。

東京都足立区にある皆川ギター工房では、国内のお客様向けとしたアコースティックギターのリペア業務を行っています。フレット交換やナット交換、指板、弦高、サドル調整を行い、快適なギターライフをサポートします。ボディ割れ修理にも対応いたしますので、ぜひご相談ください。また、アコースティックギター同様の修理に限っては、エレキギターにもご対応いたします。見積りを算出いたしますので料金が気になる方はお気軽にご依頼ください。

 

象牙パーツに潜む問題について

なめらかで美しい見た目と馴染みの良い質感が魅力の象牙は、ギターのパーツにも多く使われる人気の素材です。しかし、象牙のニーズが高まる一方で、象牙の需要の影に潜む大きな問題が起こっています。

象牙の需要とともに増える密猟

象牙の需要とともに増える密猟

サドルやナットに用いられるパーツは、自然死した象から採取された象牙が使用されます。しかし、象は50年以上も生きる動物であり、ワシントン条約もあってそう簡単に手に入るものではありません。それなのに象牙が安く取引されているのはなぜでしょうか?

それは、合法的に輸入された象牙の中に「密猟によって採取された象牙が混じっている」ことが理由の1つです。環境省によれば、過去に2回だけ日本は合法的な輸入をしていますが、残念ながら密猟によって入手された象牙も出回っているようです。売る側もわざわざ密猟された象牙であるという説明はしませんから、正規なのかそうでないのかを正確に知る術がありません。

「象牙を使わない」…皆川ギター工房の思い

一時は沈静化していた密猟がここ数年の間で深刻化し、今アフリカ象の個体数が激減しているといいます。ワシントン条約で象の保護を行ってもなお密猟が続いているという事実があるのは、世界的に象牙の需要がそれだけ高いことを表しています。

だからこそ、皆川ギター工房では“象牙を使用しない”ことを決めました。「小さな工房が取り扱いを止めただけで何になるの?」そう思われるかもしれません。それでも、需要をできるだけ抑えることで少しでも密猟が減ってくれればと考えています。

ギターにおいて重要なのは

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皆川ギター工房が最も伝えたいこと、それは「パーツの加工精度」です。もちろん、象牙は出来栄えが美しく、とても希少性が高い素材ですが、だからといって「象牙でないといけない」ということではないと思うのです。

どのような素材を使用するにしても、音の良さを決めるのは加工精度、音の性質を決めるのは素材の質量と硬度です。象牙を使わなくても牛骨やタスク(人口象牙)など代替のきくパーツは多くあります。

象牙密漁記事

象牙密漁記事 ←(画像注意)

東京都内にある皆川ギター工房では、アコースティックギターのメンテナンスを行っています。ネック折れやブリッジ剥がれ、ギターの基本調整、フレット交換と幅広く承っています。お客様の要望に合わせてメンテナンスを行いますので、見積りやメンテナンス料金のお問い合わせはお気軽にどうぞ。

 

ギターの塗装について

ギターの塗装について

ギターの品質を維持していくためには、ネック折れやブリッジのリペア、メンテナンスなどを行うことも重要ですが、塗装の役割や種類を把握し、うまく使い分けることも大切です。

「塗装」の役割とは?

塗装の本来の役割は、大きく3つに分けることができます。美しく見せるための塗装、防水・防錆・防カビといった特殊な機能を付与するための塗装、そして物体を衝撃や様々な劣化要因から保護するための塗装です。

ギター塗装の様々な種類

ギターはトップ材と共鳴させる楽器ですから、素材本来の鳴りになるべく近いほうがよいため、塗装も薄く仕上げるのがベストです。もちろん、塗装の種類・塗る人によってサウンドは異なります。

オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュは、木材に油を浸透させることで水分から守るための塗装です。
混ざり合うことのない「水と油の関係」をうまく利用した塗装は、乾性油や不乾性油など様々な種類があり、塗装を施しても表面に被膜を作りません。木目の質感をそのまま活かす、ナチュラルな仕上がりが特徴です。

ラッカー塗装

ラッカー塗装は、オールドギターによく使われる塗装で、他にも輸入家具の塗料として使われています。
合成樹脂塗料の中でも特に歴史が古く、ソフトでなめらかな光沢を演出できます。光に焼ける性質を持っているため、経年変化による楽器ならではの趣を感じることができる塗装です。

ポリウレタン塗装

ポリウレタン塗装は、数ある塗装の種類の中でも最もポピュラーな塗装方法です。
プラスチックのような材質で比較的乾きが早いため、大量生産を行う際に取り入れられることも多くあります。温度や湿度の変化に強く、ラッカー塗装と比べると経年変化がかなり少ないのが特徴です。

セラック(シェラック)塗装

セラック塗装は、ラックカイガラムシの分泌液をアルコールなどと混ぜ合わせて塗装する、天然素材を使った昔ながらの伝統的な塗装方法です。塗膜を薄く仕上げられるため、ギターの振動がボディに伝わりやすいという特徴があります。

皆川ギター工房では、国内のお客様を対象としたアコースティックギターのリペア・メンテナンスを行っています。リフィニッシュ(塗り直し)、傷直しは基本お断りしていますが、ご事情がある場合やどうしても塗り直したい場合は、預かることもあります。アコースティックギターのピックアップ取り付けやフレット交換も行っていますので、ギターの修理やメンテナンスをお考えの方はお気軽にご相談ください。