スタッフブログ

ピックガード交換 / Gibson J-35

スタッフの山口です。

今回はピックガード交換です。今回はクイズ形式です。

Q.写真の今ついているピックガードは問題がなさそうに見えますがオーナーさんは交換を希望しました。それはなぜでしょうか?

答えは最後に。

ピックガードを剥がす作業は油断できません。木表面を痛めないように、またベタベタを取るのもこれまた大変なのです。

古い接着面を除去せず貼っちゃったのか、たまに凸凹のピックガードを見ます。もちろん当人が良ければ全く問題ないですが、仕事として行う場合はそれではいけません。

この画像はクイズのヒントです。

新しい素材の上に重ねて型を取ります。オールドの場合は縮みが激しいのでこうは行きませんが、今回のはリイシューモデルなので縮みがほぼ無く、参考にできます。

貼り付ける前に何度もサイズをチェックして確認。

片側の曲線に合わせると反対側の曲線がずれてしまったり、そもそも小さくしすぎたり大きすぎたり。

文章だとイマイチ伝わらないかと思いますが、やってみると結構難しいものです。世の中そんな事だらけですが。

 

理想はピッタリ、ジャストサイズ。いい感じです。

あとは自然な雰囲気を醸し出す作業、水研ぎと研磨(バフ掛け)です。

バフ掛け作業中は写真を撮れませんのでいきなりいい感じになってます。

 

いい面構えになりました♪

皆さんはもうお分かりだと思いますが、クイズの答え(交換理由)は「虎目柄の向きを変えたかったから」でした。

せっかくリイシューモデルなんだから、なるべく当時のモデルに似せたい!と思うのは至極当然のことだと思います。きっと雑誌やネットで見て「あれ?俺のJ-35と虎目柄の向きが違うじゃん!」と気づいたのでしょうか。

気づいたら最後、ずーっと頭から離れずに気になり続けてしまう気持ち、分かります。

柄の向きもそうですがピックガードの面取りや磨きの工程をプラスすることでいい感じの質感になります。

確かに交換に使用する素材は新品でピカピカ、人によっては気にしない人もいるかもしれません。大きさをカットしてペタっと貼るだけ、わざわざ工房に依頼する必要はありません。

料理に似ています。一手間、二手間を加えることで味が良くなりますが、分かる人は分かるし、全く気が付かない人もいます。何が言いたいのかというと、オーナーが良ければそれでもOK。また、手間を加えすぎて失敗する、なんてこともありますね。一時期、カレー作りに凝って市販のカレールーにこだわりのスパイスや調味料を加えて、結局カレールーだけの方が美味しかった、なんて経験があります。何事も「良い塩梅」があるのだと学びました。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。