割れの跡は、大なり小なり残るのですが、いずれにしても跡は目立たない方が良いのは言わずもがなであります。
割れの跡は多少でも目立たない様に、でも、出来るだけ自然な色合いに、といつも着色の際に迷います。
今回はこの位。
いつも一番良い位の濃さ(着色)でやれば良いんでないか、とお思いでしょうが、毎回丁度良さが分からず着色しながら、「ここまで!」とか「ん・・・もちょっと・・」
とか言いながらやります。
ナチュラルの場合は、どうにもなりませんので予め、色を付けるか否か相談いたします。
こちらのギターは、依頼人様のご友人の形見。
ご自身は左利きでこれから、このギターで練習する予定。
フレットを交換して、左用に直したいとの事でしたが。
今後転売する事は無いにしろ、今となっては非常に貴重なギターですので、これから練習するのであれば、右用のこのままで練習されてはいかかですか、と言う流れでリフレットのみのお預かりとなりました。
特にこのTVカラーは昔からサンバーストより高価でしたので、このまま残して頂ければ幸いです。
私が持っていた57年のサンバーストのjr.は、委託で17万円で売りに出しましたら、お店の方々に「皆ちゃん、高いよ。」と言われたのが、今から33~4年前。
スタンダードは昔から古い物は高かったのですが、いつの頃からかレスポールと名前が付けば昔では考えられないような値段がついています。
皆川ギター工房スタッフの山口です。今回のギターは1966年〜1969年製と思われるエピフォンのテキサン FT-79のネックリセットです。ナローネック+ハカランダサドル。当時はもうすでにGibson傘下ですので、ミシガン州のカラマズー工場で製作されたギターです。Gibson同様、基本的にヒールが太く、木工精度も高いのでスムーズにネックが外れると本当にホッとします。ちなみに画像はもうネックを外したところ。なんかネックブロックに数字がスタンプされていますね。
ネックの角度がいい具合に決まり、いよいよネックを着けるぞ、というところでパシャリ。接着後のフレットすり合わせや弦を張った時の雰囲気など、様々な要素を想像して角度を決めます。その後さらに師匠に見てもらいGOサインを貰ってから接着です。
このギターは黒なので、1768-5となります。
以前にOvation のカラーナンバーの事をどこかのブログの記事で書いた記憶がありますので、記事を探してみました。
Ovation 1881-NBBG ←ここに書いてあります。
モデル番号に関しては、ややこしすぎて説明が不可能です。
ネックの角度を調整する前にブリッジを作成します。
基本的に指標となるブリッジがないとネックの角度調整ができませんので。
右が薄く削られてしまった元々のオリジナルのブリッジ。
左はアメリカから取り寄せられるマーチン風の既製品のブリッジ。
真ん中は僕の作成途中の新ブリッジです。0.1mm単位で師匠に相談しながらディティールの調整をしていきます。
題して、「山口君のページ」
こちら、スタッフブログと言いつつ私しか書いて無いのが実情。
この写真の手の人。
4年間位、週二(火、金)でうちで頑張ってる、山口君。
もうそろそろ、まあまあいい歳。
この人もやった仕事は画像に残しておりまして、担当は主にギターショップの在庫等。
もうちょっと言ってしまえば、お茶の水の某オールド専門店の在庫。
このお店からいつもいいギターを預かっているのに、私のブログのネタにならずにそのままになっているのは勿体ない。
この人にも書いてもらおうかとも思ったのですが、預かったデータを見れば無駄な画像が多すぎ、完了形の画像が無いやつ、時系列分かり難い、等々・・・サイト内のデータが私のとごちゃ混ぜになると、こりゃ面倒だな~、どーしよっかな~・・・考えました。
こうします。
預かったデータを私が管理して選んで画像だけ並べます、そしてとちょっとだけなんか字を書く時もある。
それを後日、山口君にテキスト(文字)を付けてもらう。
なので、先に画像のみアップしちゃおうかと思っています。
こんな感じで山口君のページを初めてみようかなと思っています。
お世話になっているギターショップで、当方以外にも修理屋が入っているのですが、そちらでネックリセットしたMartin が弦を緩めたにも関わらず半年でまたネックが起き上がってしまった、という事らしいのですが・・・
その修理屋さんは良心的ですから、それは何かあるかもしれない、と無償でやり直すらしいです。
仮にうちの仕事でしたら、うちももめるのは嫌ですから、渋々 同じ様にしていると思いますが、多分その人は緩めたつもりでちょこっとペグを動かした程度なのだと思います。
弦を緩めておけば、ネック角度が狂う原因は無いのですから。
皆さん、いろんな考えがあります。
ペグを1回転緩める、半音下げる、緩めてはいけない、等々、緩めないよりも良いですし楽器によってはどれかが当てはまるかもしれませんが、アコースティックギター(ボディが空洞)なら弦はしっかり緩めましょう。
経験上、当方ではこのように言っております。