普段は見えない部分ですがネックの強度にも関係してきますので必要な修理と言えます。ただ修理し終えてから思ったのですが、、なぜ掘り込みは拡大されたのでしょうか、、。ロッドを締め切っても奥に掘り込むのなら分かるのですが、、。うーん、謎。
こんな「どうしてこうなった!?」みたいなギター、たまにありますね。
ペグをつけたらこの後ロッドカバーをつけて完成です♪
こちらはヘッドが折れて分離してしまったもの。お客さんから処分を依頼されたので勉強も兼ねてやらせていただきました。滅多にない修理ですので試行錯誤しながら進めましたが師匠の塗装技術のおかげもあって思っていた以上の仕上がりに♫
オベーションのデカールはまだ在庫がございますので消えてしまったor消えかけている方はご相談くださいm(_ _)m
ご常連さんが入手したマーチンのロゴ(デカール)の1833の1が欠けて無くなってしまっているのが、どうしても気になって仕方がない、らしいです。
皆川ギター工房が始まって以来、一貫して言ってきましたのは、演奏性や強度等に関わらないキズ直しは(リフィニッシュも)基本的にお断りしております。と。
キズ付けた直後はショックですが、直しても使ってればまた必ず付きます。
傷もその楽器の歴史の一部ですから、その傷も愛でて頂ければ幸いです。と。
但し、借り物をやっちまった…や、どーしても…と言った場合にはお預かりする事はあります。
Martin(オールドタイプ)のデカールはまだあるし、今回はお断わりする理由が無いのでお預かりいたしました。
昔、修理に必要な事がありまして、業者さんからは「修理で使うのであれば作りますが…贋作用であれば作りません。」と釘を刺されて作って頂きました。
今でも時折お世話になりますが、贋作用は作らないと言うだけありまして、原寸を何十倍に拡大して細部まで再現するとおっしゃっていました。
技術も倫理的にも信頼出来ます。
クラシックギターのネックジョイント(スペイン式)と言うのは、フォークギターのネックジョイント(ドイツ式)の様にネックを抜く事が出来ません。
ネックの角度が狂ってしまったらどうすれば良いのか、当方では指板の厚みを変えて辻褄を合わせています。
フォークギターでもスペイン式のネックジョイントの物もあり、初めてやるブランドはネックが抜けるのか抜けないのか調べなければなりません。
現在修理中のB.C Richの古いフォークギターのネックのジョイントがどうなのかいろいろ調べ、アメリカの修理屋のサイトで画像を発見、半信半疑の部分も多かったので詳細を確認したくグーグル翻訳を使ってメールで聞いてみた所、やはりダブテールジョイントでは無い事が分かったのですが。
このアメリカの修理屋さん、優しくて親切に修理方法もおしえてくれました。
それはそれで、「ほー!」と言う…またそのギターの記事の時に書きます。
キズ直しは、基本的にはお断りしております。
どうしても直したい場合は、ご事情等聴かせていただいて、預からせていただく事もあります。
但し修理を承っても、リフィニッシュしてまで傷直しはしませんし、修正し辛い場所や色等ありますので、いつもきれいに出来るとは限りません。
キズ直しは正直、難しくてお断りしているところも無い訳ではありませんが、「これくらいは出来るんだぞ、ほんとは。」というアピールで今回はアップしています。
使っていればキズは必ず付きますので、直してもきっとまた同じような事があります。
キズもそのギターの歴史の一部として愛でて頂ければ幸いです。
思い入れも人それぞれだと思いますが、音楽をする為の道具ですから使い倒してやってください。
借り物のギターをぶつけてしまった等、どうしても直さなければならない事情もあると思います。
傷直しも快く預かってくれる修理屋さんも沢山あると思います。
ですが、わざわざ当方でキズ直しをご依頼頂ける事は、本当に感謝致します。
確実にきれいに修正するには、リフィニッシュしか方法はありませんが修理上、必要のないリフィニッシュはやりませんので、今回のように割ときれいに行く場合もありますし、行かない場合もあります。
大昔、私が若い頃クロサワでアルバイトをしていた時、修理屋の今井さんが塗装修正の依頼を、「きれいには直らないですよ。」と断言していた事を思い出します。
当時は、こんな事が出来る人が世の中にいるんだ、と思っていた人(神様)が「直らない。」と言ったのでびっくりして覚えています。
ネックアイロン。ネックヒーターによるネックの不具合の矯正は基本的にお奨めはしません。
必ず効果が出て、その後持続するとは限らないからです。
「念のため一応1回やってみて。」とご要望があればやってみます。
反り方によって、アイロンの掛け方は毎回違います。
(アリアのアイロンもありますが、こっちの強力なヤツを使うことが多い。)
結局このマーチンもアイロン効果なし。
1回は仕上げましたが、ジワジワと戻ってしまいました。
結果、指板修正(リフレット)で反りを直します。
マーチンの場合、アジャストロッドが入っていないものも多いので、反った場合は何らかの修理が必用になります。
反りが酷い場合は、指板を一旦剥がして、貼り直すこともあります。
統計を取った訳ではないので何%がこう、とは言えませんが、今までやってきてアイロンを使って良く出来たイメージとしては、Martin の場合は3割位。ただしその3割位もその後はわかりません。
最初より良くなったから、良しとするしかない場合も入れて5割以下位・・・そんなに無いかなー。
Gibsonは余程状態が酷くない限り、他のメーカーと比べる良く効くかもしれません。
それ以外のメーカーでは中々比較し難いですが、唯一分かるのはYamaha、コレに関しては絶対にお奨めしません。
あと、Ovation(カマンバー以外)が意外と効果があって意外なのです。
自分のグレンキャンベル(ネックアイロン、リフレット、ブリッジ交換・・・見積もったがお客さんがギターをそのままくれた。)アイロンで修理してずっとよい状態を保っています。
管理の仕方にもよりますが、過去にやったOvationも良いんではないかと想像します。
このようにメーカー(おそらく使う接着剤や接着方法等)や個体差(過去にアイロンの使用あり無し等)で結果に差が出るので、やるのであればダメ元と考えるしかありません。
大昔はアイロンも、修理の有力な方法と考えていましたが、現在はどうしても安く上げたい場合の選択肢で、結果余計にコストが上がってしまうという位置付けの選択肢と当方では捉えています。
私のアコギ修理の大先輩の村山さん(村山工房)はアイロンは持っていないと、おっしゃっていた記憶があります。
キズはその時は気になりますが、そのうち気にならなくなりますし、直してもまたキズはつきます。
キズもその楽器の歴史一部になり、味わいのある雰囲気をかもし出して、使い込んできた迫力も伝わってきます。
塗装も古くなるにつれ、擦れて、くすみ、色も焼けて変わって来ます。
リフィニッシュしてしまっては、もったいないです。
何より、そこまで使ってきたのに、大概音は悪い方向に変わってしまいますからね。
フィードバック対策で、サウンドホール塞ぎのご依頼。
ライブ専用ですので、脱着不要でお任せしていただきました。
ボディが薄く、手が入り難いので、今後いろいろと作業し易くなるように裏の穴を増したり、広げたりしても構いません。との事。
材料は、化粧版が着いた4mmの合板。
両面テープでは、遠い方は圧着し切れないので、両方とも接着、接着固定は、プリアンプ側から、長いクランプを使います。
接着後は塞いだ部分を塗装をするのでなるべくきれいに接着して、塗装前にきれいに出来るように。
こちらのオーナーは、シンガーの小林洋一さんですが、小林さんもギター好きだと思いますが、大体、特にシンガータイプの方は、ギターありきの人が多いと思います。
小林さんは歌ありき、歌い易くする為に、ライブで使い易くするために、徹底しています。
J-160Eなどは、ここまでやる?って位のギターになってます。
思いは、重いと日頃言っていますが、だからか、J-160Eの重いこと。
ギターとの関わりも、おもい、おもいですね。
今回のネックリシェイプは、全面的にお任せ頂いたので、受けさせて頂きました。
弦高が低くなって、グリップが変わって、今までとは全く違うギターになったのではないでしょうか。
昔、気に入っていたギターのグリップのイメージがあるそうで、「そう!こんな感じだった。」とおっしゃっておられたので、良かったです。