スタッフブログ

ヒールキャップ交換 / Martin

ヒールキャップの交換ですが、例によって最初の画像を撮り忘れていますので、完了後に上に外したキャップを乗っけて撮影しています。

 

白い材料で作り直してから着色してトップコートを吹いています。

肉眼ではバインディング部と色合いは割とそっくりなのですが、おそらく古い塗装と新しい塗装の反射率の違いだと思いますが、思ったようには撮影できません。


ちょっとづつ角度を変えてみたり、


色合いを変えて撮影しましたが、


角度が悪いと、ヒールキャップとバインディングの色合いが全然違います。

 

ネックリシェイプ / Martin ooo-28EC


こちらは、ネックの角度が悪くて、弾き難い為、ネックリセットのついでに予てから考えていらしたリシェイプをします。

肉厚のVシェイプのネックを薄く、出来るだけ薄くというリクエストです。


Martin の場合、ロッドが指板寄りに入っていますので、削りすぎて出てきちゃううんじゃないかと言う心配はないのですが、あまりやり過ぎると強度に影響が出てしまいます。


目標値まで削りましたら、形を整えて一度見ていただきました。

見て頂いた後、「もう少し薄く!」 と言う事で、更に削って仕上げに入ります。

「年齢的に、あと数年もてばいいですから。」とユニークなお客様。


全部塗り直すのは面倒なので、ヘッド部分は残して塗り直し、元より多少濃い目の色合いに。


最初にノギスを当てた画像を撮っておけば良かったと、削り始めてからずっと思ってる、いつも何か撮り忘れてしまいます。


リセットもきれいに出来ました。


近年物のMartinのジョイントは緩い物が多いですが、リセットでしっかりジョイントできました。


 

今回のネックリシェイプは、全面的にお任せ頂いたので、受けさせて頂きました。

弦高が低くなって、グリップが変わって、今までとは全く違うギターになったのではないでしょうか。

昔、気に入っていたギターのグリップのイメージがあるそうで、「そう!こんな感じだった。」とおっしゃっておられたので、良かったです。

 

 

 

プリアンプ交換Ovation1617-1 / Fishman


 

Ovation に Fishman  Ellipse Matrix Blend をつけました。

マトリックスブレンドですが、ピックアップはそのままオベイションの付いているものを流用しました。

その方が見た目も自然ですし、手間も省けます。

古いOvationの電気周りのパーツ(その他のパーツも)の在庫がなくなり修理、交換がほぼ出来無くなってきています。

神田商会へパーツの問い合わせをしても詳しい人がいらっしゃらないので、修理扱いで本体ごと預けて、実物を見ながら探して、数日後パーツが有りませんので、修理不可です。となります。

この面倒なやり取りを過去2~3度やっていますので、お客さんと協議やり取りの結果、チョイスしたのがFishman。

コンデンサーマイクは、使う際によい位置に合わせていただきます。

 


 

↑ サウンドホールに取り付けるプリアンプは、オーソドックスなギターであれば大体そのまま付くのですが、Ovationの場合、安定して付く場所が無いため多少工夫しなければなりません。

クランプの反対側にある同じこの薄い力木が邪魔でプリアンプが付かないのですが、取っちゃう訳にもいかないので、同じ高さになるように板を足します。

クランプで平らに、同じ高さの板を、付けたらサンドペーパーを掛けてちゃんと平らにします。

 

ジャックは、エンドブロックに取り付ける為の形状となっていますので、エンドブロックがあれば、ボディエンド部のピンの位置へ取り付けたい所ですが、ブロックがありませんので、元のジャックの穴を生かします。

ジャックの形状上、強度や安定性を重視してブロックを取り付けて固定。

元々のプリアンプの位置は、ネックヒールの横、そしてバッテリーボックスの取り付けボタンがボディのくびれ部分にあり、そこは同じような雰囲気で塞いであります。

新しいプリアンプで心配なく、使って頂けることと思います。

 

ネックリセット / Gibson J-45 40’s


 

古いGibson(40年代)のネックリセットです。

ネックを外す際は、蒸気を使いますので、ギブソンのように外し難いものは時間が掛かって蒸気で塗装が焼けてしまう事があります。

焼けてしまったら、塗装は修正しなければなりませんが、ここまで古くてクラッキングも派手なものは、塗装を部分修正すると周りと雰囲気が多少変わってしまうので、出来るだけ焼けないようになるべく早く外したいのですが・・・

今回も、セ~フ。

古い楽器(特にアコースティック)は必ず修理暦がありますので、過去の修理屋さんが蒸気でも外れないような接着剤を使っていないか等と考えると、いつもちょっと緊張します。

 

 

 

 

ネックが色濃く着色してあり、分かり辛いですが、中から見ればメイプルとローズの5ピースと言うのが分かります。

いつもですが、古いギターは、材料の質が良いのか、時間が経ってそうなるのか、木が硬くて、ノミを使った場合、ノミがすぐに切れなくなります。

ネックに角度をつけると、ジョイントから指板が下がりますので、厚みをつけます。

この場合0.5mmのローズ板を3枚使って、14フレット部(0mm)から指板エンドに向かって(1.5mm)厚くなるように貼ってあります。

ヒールは接着してない状態でテンションがかかっても隙間が出来ないように調整します。

この塗装の雰囲気ですから、修正しなければならなくなった場合は、難しいです。

ですが、同じようにはなりませんので、それなりにやるしかないのでしょう。

古いギターのサドルは、出来ればあまり高く無い方がカッコよいのですが、サドルを高くしたい人は多いです。

高くしたくても必然的に高く出来ない場合もあります。

古いGibsonの音は、本当に迫力がありますね、これだけ修理してこの音はすごいです。

この固体の場合、力木や割れ等かなり修理しましたので、弾き込んで元に戻った音が聴いてみたいです。

※個体差はありますが、修理後若干鳴りが変わる場合がありますが、弾いて行くうちに元の音か、それよりもう少し良くなって行きます。

ブリッジ溝(スリット)直し

こちらのブリッジサドルの溝はピックアップに合わせる為か何らか理由で通常より大分広げてあります。

通常のサドルにする為に一旦埋めて切り直します。

 

ブリッジ材と同じエボニーで埋め木をして平らに削ります。

一見ピッタリ埋まっている様に見えますが、元の溝の精度が悪く、真っ直ぐではないので若干隙間が出来ますが、そこは充填して対処します。

古い溝を少し大きく切り直して、埋め木をすれば隙間無く出来るのですが、この際は、そこまでやる必用も無いのでこのまま行きます。

ピッチを図り直して、溝の長さと深さ決めたら、トリマーで精度の良い溝を切り直します。

古いギターですので、サドル上のピッチ(うねうね)は付けず真っ直ぐです。

リクエストがあればつけます。

サドル上のうねうね(ピッチ補正)は個人的にはあまり重要では無いと思っています。

(エレキのようにその都度、合わせられれば良いのですが・・・)

それぞれのギターのコンディション、弾き手の押える指の力、タッチの違いや弦交換の際の使用弦のゲージや仕様の変更等により、一様にサドル上のピッチがあっても弾き手によっては、返って邪魔になる事さえあるのではないかと思っています。(勿論、無いよりマシと言う考えもあって当然ですが。)

 

LR Baggs Anthem取り付け


 

人気のLR Baggs Anthem 

発売らい結構経つと思いますが未だに、ご依頼が大変多い機種です。

すぐには思い出せませんが、ギターによっては素直に付けられないモデルのギターもあって、それでも何本か取り付けたものもありました。

こちらはヤマハですので、問題なくつきます。

溝はちょっとでも怪しければ、一旦埋めて切り直します。

これをしなければ、いくらサドルの精度を出しても、出音に反映されない事があります。

Anthemのもうひとつのピックアップ、Tru-Mic。

撮り忘れてしまったので、別のギターですが・・・ブリッジプレートにつきます。

 

分かり辛いので、カタログです、中はこんな感じです。

ピックアップの好みはそれぞれですので、どれが良いとはあまり言わないようにしていますが、Anthem は人気です。

 

ブリッジ貼りなおし / Martin oo-28G


 

こちらの画像、ぱっと見た目何の変哲の無い画像ですが、よく見ると気付きます。

若手のリペアマンさんが間違って、逆さまに貼っ付けっちゃってお困りの末、当方でお預かりの流れになりました。

クラッシックギターのブリッジの形状は上下外周が同じなので、20年に1回位こう言う話聞きます。

間違っちゃった人がやり直せば、技術も責任感も向上するのですが、「もうこれ以上なんかやらかしたくない。」

と言う気持ちも分からなく無くもないです。

剥がす際は、多少なり隙間がある事がほとんどですが、しっかり貼り直してありますので、私もやりたくありませんが頼られるうちが花ですので、ガンバリます。

 


暖めながら、少しずつ剥がして、また暖めて、少しずつ繰り返します。

端が削れてしまいました。

ブリッジもまだ歪んでいますので、一緒に修正します。


双方の接着面を調整します。

ブリッジは時間の経過と共に大概歪んできますので、平らになるように調整してから貼りなおします。(色が少し違う部分は、エボニーを足してあります。)

ブリッジ他ブログ


上手くいってよかったです。

私も間違わないように、改めて気をつけます。

 

フィンガーボード(指板)厚み修正 / Martin HD-28

指板を剥がさなくてはならない場合と言うのは、大概ギブソンのロッド交換の場合ですが、こちらのMartinは何故、指板を剥がしているかと言いますと。

過去、指板の歪みの修正やリフレットなどで、指板が大分薄くなってしまい、ネックも反っているという状態で、今後ミディアムゲージを使用予定の為、指板の厚みを戻します。

指板を貼り直すことで、反りを修正して、更にネックを外して角度の修正もします。

剥がした指板の裏側にエボニーを足して厚みを調整します。

抜いたフレットの溝にダボを打って、接着の際動かないようにします。

薄かった時点の画像を撮り忘れましたが、ポジションマークの位置を見ていただけると、どの程度薄かったか想像できます。


縞模様の入った指板ですので、足した分の黒檀が分かります。

ネックに角度がついた分、ハイポジションが落ちますので、その分厚くして指板上まっすくにします。


指板はそれぞれの理由で、ローポジションが削られている場合とハイポジションが削られている場合のどちらか、あるいは別の時期にそれぞれ削られている場合が有ります。


指板が薄いからと言って、別段問題は有りませんが、今回は修理も含めて、ミディアム仕様にするというカスタム修理でした。

 

ピックアップ、プリアンプ交換 / Fishman

これは何をやっているかと言いますと、一旦溝を埋めて精度の良い溝を切り

直す準備をしています。

ピンの穴の間の亀裂に、すでに接着剤が入っています。

 

平らにしたら、トリマで溝を切り直します。

ピックアップが入る溝は精度が良くなければ、音圧のあるバランスが取れた出音に調整する事は出来ないのです。

比較すると分かりますが、割れている分、溝が前に歪んでいます。

切り直した後。

底面の精度は言うまでも無く大事ですが、溝の幅の精度も非常に重要です。

Fishmanのピックアップは、扱いが悪いと断線し易くノイズ等の原因となります。

Fishmanのピックアップ(板状のハードタイプ)は、ほんとにやさしく扱わないとダメなの。

プリアンプも何らかの原因で故障しています。

以前は外注に出して、修理不可、そしてプリアンプは高価でしたが、最近はFishmanのプリアンプは安く入手出来るようになりました。

外国から来ますので、いつまで入手出来るか分かりませんが・・・。

サイズが違うので、合わせます、大きくなります。

 


チューナーも付いて、性能アップ。


溝は正しく出来ていますので、後はサドルの調整でバランスのよい音を目指します。

弦交換等してサドルが外れても、バランスが崩れない調整をしなければなりません。

30年間、ピエゾと向き合って来ましたので、調整のノウハウは引き出しに、いろいろ入っていますが・・・→


インブリッジのピックアップ(ピエゾ)のバランス調整は、「後ちょっとだけ6弦が強く出ると良いんだけどなー。」等々、中々決まらず、日を改めて作業したり、とても難しくなることも未だにあります。

 

弦高調整 / Gibson ES-125

サドルを下げ切ったところで、1弦が多少高くて弾きにくい。

弦高調整部にブッシュがはまっているので、それを取れば多少下がりますが、将来的にもう少し調整幅が出来るように、サドルの下を削ります。

サドルを下げきって、弦高が高い原因は、ネックの角度狂いですが、ネックそのものの状態は悪くないので、現状のネック角度にブリッジ側を合わせる理屈です。

フォークギターでもネックリセットをしない場合は、同じような方法で対処する場合が有ります。

見た目ではブッシュが無い方が、かっこよいのですが、

入っていた物ですので、ブッシュも付けて完了です。

この後、リフレットした際には、指板、フレットの状態が良くなりますので、これで弦高を更に下げる事も可能です。