フレット

フレット交換(リフレット) / Gibson J-45


フレットが低く、更に大分減っています。


古いギターですので、何度と無くリフレットされ、またフレットの交換時期が来たと言うところ。


指板修正の際には、インレイも一緒に削られますので、浅く埋まっていれば薄くなります。


ブラジリアンローズ(ハカランダ)は割れ易いので乾燥のし過ぎには注意。

フレットを抜いた際に、クラックは修正します。


フレットの高さは好みが分かれる所ですが、個人的にはこれ位が弾き易く感じます。


次回のリフレットは、弾かれ方によります。

来年なのか、それとも現在勉強中の若いリペアマンが10年後にリフレットするのか。


今後何十年も確実に残っているギターですので、携わる私達の責任は大きいです。


クラック修正は表面に留まらず、奥までしっかり接着することが大事。

古いギターのフィンガーボードは、大幅に修正する事はほとんどありませんが、新しいフレット打つ前には軽く調整します。

そして軽くオイルで潤いを与えれば、質感もとても良くなります。

勘違いしてはけないのは、オイルをたっぷり塗ってしまったり、頻繁に塗ってしまわない事。

オイルも水分ですので、中まで浸透するほど与えず、軽くすり込んで残った表面のオイルは乾拭きで拭き取りましょう。

そして乾いたら、また塗れば良いのです。

 

第1フレットに合わせた新しいナットも作り直します。

象牙ナット等、交換せずに流用したい場合は、底上げをして調整し直します。

良いギターは引き継がれます。

象牙パーツに潜む問題について

 

 

フレット交換 / 古い国産ギター


 

リフレットです。(フレット交換、指板調整、ナット交換、他調整)

ピックガードは浮いてしまっていたので、貼り直します。厚みのあるP/Gですのでリフレットの際は外してあると都合が良いです。

一見 Gibson のDaveですが、グレコのギター。

塗装がウレタンなので、やはり雰囲気は違いますが、ぱっと見Dave。良く作ってあります。

40年近く前は、Gibson 等は買えませんから、こういったギターが私達に夢をみせてくれました。

この方、GibsonのDaveも持っていて、グレコも大事にしている、素敵です。

物の価値は、携わり方で違いますが、思い入れのあるものは値段は関係ないです。

 

 

 

なかには、「二十何万円以下はギターじゃない。」等と言う同業者もいますが、では、それ以下は何なのか教えて欲しいです。

この人とは面識はありませんが、割と有名な同業者なので知っていますし、私の師匠筋の所にも居た人なので、間接的に繋がっちゃっていますが、これからも私と接点が無い事を願います。

現状はちゃんと伝えないといけませんけど、大事にしているから修理したいのに、悲しくなる様なこと平気で言う人が居るんです。

でも昔、アメリカの中古バイクに乗っていた時は、そこの店主も辛口でずばずば言うが腕も良いので、納得していた自分を思い出せば、頼りがいがある気持になるのは分かる気もしてしまいます。

毒舌、辛口だとその方が 「この人、ちょっとすごいのかな。」等と考えてしまいます。

 

 


フレットのエッヂは、一本ずつ丁寧に角を取ります。


リフレットの際は、基本的にナットは作り直しになります。

(流用する場合もあり。)


リフレット後、多少弦高が上がることがありますので、状態を見て、弾き易い弦高がキープ出来なくなるようでしたら、リフレットは出来ません。


何年か前のギブソンより、こっちの方がよっぽど、Gibsonらしいピックガードです。

 

フレット交換 / Gibson Southern Jumbo


 

サザンジャンボのリフレットです。

オールドギターの指板は、軽く調整する程度でリフレットできる物は多いと思いますが、時折、結構削らなければならない場合や過去に大分削られていて、もう少し削らなければならない場合に、指板のインレイが消えてしまう事を心配しなければいけない時があります。

それなりに古い貴重なものですから、パーツも出来るだけ残った方が良いとは思いますが、そのものをどうするかはオーナー次第です。

出来るだけ状態やパーツを温存したい人。 使う道具(ギター)ですから余計なコストは掛けずに出来るだけ使いやすい状態に、パーツが無いとか、壊れたりすればその時は、それなりの物を付ければ良いではないか、と言う人。

(もちろん、しっかり修理して、オリジナルパーツも大事にする人も沢山いますが。)

アコースティックギターの場合は、エレキのオールドとは違い、「オリジナルパーツじゃないと、価値がさがっちゃう~。」なんていう人は少ないですから、修理する場合、多くは後者。

何故なら、ほとんどのアコースティックギターは修理しなければ、使い続けることが出来ないからです。

ストラトやレスポールの様にただ、板にネックがくっ付いているだけ(ちょっと言い方が乱暴。)のギターであれば丈夫ですし、パーツはビスで留まっていますので、修理暦が無いものもあり、オリジナルパーツの有無で価値にも差が出ると言う訳です。


最近の事は分かりませんが、行き過ぎちゃって、オールドエレキの広告で、フレットもオリジナル!と強調していた記憶があります。


当然ナットなどもだと思いましたが、それでは勿体無くて、好きなだけ弾けない人もいるでしょう。

そういうのは、本物のコレクションだけにしてもらって、


出来れば、逆に弾かないのは勿体無いから、「おれの所に来たからには、こいつはコレクターズアイテムなんかじゃねー!」

「おりゃー!」と、


エレキも弾いてやってください。

 

私が楽器店のアルバイト時代、”1957年製Gibson LP Jr.”を17万円で委託に出していた時に、店員の先輩に「高けーよ。」って、つっこまれていた時代からオールドギターと付き合ってきたおじさんは、古いのは気を使って弾くものではない、と思ってしまいます。

やはり現在は、所有するだけでもいいのかな。 高いもん。

 

フレット交換 / 部分交換


 

フレット交換は、基本的に全部のフレットを交換しますが、出来る条件であれば部分的に交換する事もあります。

ただし部分的ですので、指板調整などの作業はありません。

交換後、第1フレットの高さが上がりますので、これ以上弦高が下げられない状態の場合は、弦高が上がります。

部分交換の方が、料金は安く上がりますが、内容を考えると割高と言えるかもしれません。(料金は、お問い合わせ下さい。)

 

なるべく元のフレットに近いものを選びますが、在庫の種類は限られていますので、ある程度になります。

9フレットまでが新しいフレットです。

9フレットと10フレット

古い方のフレットにある程度雰囲気は合わせますので、通常のリフレットより若干多目に削りますが、あまり削ってしまうと、折角新しいフレットの意味がなくなりますので、頃合良く。

 


 

フレットを交換した場合は基本的には、第1フレットに合わせて新しいナットを作り直しますが、その雰囲気や象牙等を残したい場合は、底を上げて調整します。

底上げは、きちんとやれば音には影響は出ないと思っていますが、理屈で言えば音にも影響はあると言えるかもしれません。ですので敬遠される方はいらっしゃいます。

ですが、こう言う事にうるさいくせに、リフィニッシュの相談などされてしまうと、私達、楽器屋さんは心の中で、ズッコケています。

「この人、いい加減だな。(なんも分かっとらんな。)」と思われてしまうので、気をつけましょう。

金属などで底上げした場合は、質量が大分変わりますので、音の変化は出易いかもしれません。

 

 

 

 

 

指板に凹みが見えると思いますが、この凹みは指板調整などで、きれいになってしまえばそれで良いと思いますが(画像の凹みが消えるほど削ることは無いです。)わざわざ埋めてまで平らにする必用は無いと思います。

平らでも、凹んでいても、演奏性は変わりません。

埋めるとかっこ悪いです。

埋めない方が断然かっこよいです。

オールドギターは使う事が理由のものと、持っている事が理由のものがあります。

(半々もありますが。)

直し直し、使われてきたギターは大概ボロですが、音は良いんです。

 

 

フレットすり合わせ / J-45の続き

前回のJ-45のフレットです。

大分減っていますが、フレット自体に高さがあるので今回はまだ交換せず、すり合わせて、整えます。

 

使っていれば、フレットはいずれ交換する時期が来るのですが、フレットの高さ、太さ等、弾き手それぞれ好みがありますので、交換の時期も区々です。

 

フレットが減っていようが、低かろうが、演奏上問題なければ無理にお金おかけなくてもよいですし、「チョーキング命ですから、フレットが低いのはイヤなのです。」という方もいますし、他の部分の修理なども同じ事ですが、オーナーが問題を感じていなければ、無理にお金を掛けなくても良いのです。

ギターの詳しい人や、お店等で、ギター診断みたいな事をやられても慌てないで大丈夫です。

現在まで弾いていたのですから、壊れたら直せばいいんです。

 

 

フレット交換(指板、サドルのアールの変更)/ Martin D-45


 

D-45のリフレット(フレット交換)です。

指板を修正して、新しいフレットを打ちます。

このギターの場合、過去のオーナーの好みか、職人の癖か、指板のアールがマーチンにしては付き過ぎていますので、アールを少し戻します。

アールは削られて変更されていますので、戻す方向にしてもまた削らなければなりません。段階で言えば2段階位戻ればマーチンらしくはなりますが、あまり削らず雰囲気をマーチンらしく修正します。

指板のアールとサドルのアールは基本的には同じアールでそろえます。

下の画像は、指板修正して、フレットも交換済みの状態です。

サドルのアールはまだ元の指板のアールのままですので、サドルを修正します。


このサドルは修正前の状態。

スケール上約10の値

指板の修正前も、端が多少落ち気味の大体10の値、マーチンには無い形状

 


14位になればマーチンと言う感じですが、12まで戻せばグッと雰囲気は変わります。(数値が大きくなるほどアールが緩やかになります。)


修正前はこの10アール、画像がありませんが、10で端が多少落ちた感じ。


14を当てるとこんな感じです。

このスケールで14アール位になればマーチンにもよくある感じですが、もっと緩いアールもあります。


見え難いですが、サドルのアールを削った状態

アールを12にあわせた状態です。


指板のアール等、このあたりは好みですので、リクエストがあれば弾き手に合わせて変更される場合があります。

リフレットとナットの作り直しは基本セットです。

いつもの記念撮影で完了

 

リフレット(フレット交換) / Ovation 1985-1


 

Ovation  1985-1 のリフレットです。

久しぶりに出してみたら、音も出ず、弾けなくなっていたという事で、ネックリセット他オーバーホール中のリフレットです。

フレットを抜く際に指板が欠けてしまわないように、半田ごてでフレットを暖めながら抜いていきます。

このオベイションのエリートと言うモデルは、アダマスと似ていますが前にアップしました方法とは違い、ネックはついた状態で、私なりの方法で打ちます。

構造上トップ部分(ハイポジション、指板エンド部)のフレットは強めの力で、打ったり、押したりしない方がよいので、長年でたどり着いた方法で打ち込みます。見せないけど。

フレットの溝を多少広くしてやれば、フレットを打ち込んだり、押し込んだりしなくてもフレットは”着けられる”のですが、フレットはしっかりと溝に食い付かせたいので、”私なりの方法”で打ち込みます。みせませんが。

 

 

サドルのアールの確認。

サドルのアールは変えられませんので、こちらに指板を合わせます。

指板のアールの確認。

大体同じになってますので、このアールを崩さず指板(フィンガーボード)を調整をします。

調整する際の注意は、端が下がってしまわない様に、フレットを削る時も同じ注意が必要です。

指板もフレットも端が下がるとカッコが悪いです。

(この画像の指板は悪くはないですが、多少下がっています。)

 


 

端が下がってカッコ悪くなる事と、もうひとつの形がフレットのエッジの形。

左は新しく打ち直した方、右は抜き取った古い方。

左はエッジが立っていますが、右はエッジが斜めに奥まで削られています。

エッジの処理は斜めに削ってしまったほうが処理(整形)に時間が掛からなくて作業的には楽で良いのです。

ですがこの分、弦が内側に乗るようにナットを作ります。

別にこの辺は好みであったり、気にしない方も多いのでかまわないのですが、個人的には弾き難く、何よりもヒジョーにカッチョ悪く見えてしまいます。

 

 


独特な形の指板エンドのフレットの処理も時間が掛かります。


 


新しいフレットに合わせ、ナットを作り直します。


 

私も大昔から大好きな方の春からのツアーで使用予定のギターです。

その人を感じられるほど、弾き込まれたギターではありませんでしたが、このギターで歌っている姿を想像いたします。

このように、弦が多少でも張られた状態で放置されますと状態が悪くなります、お気をつけください。

 

リフレット(フレット交換)/ YAMAHA FG-1500

ヤマハのリフレットです。

昔の国産のフレットの足にはスタッドがついていませんでしたので、足を何か角のあるもので叩いて、スタッドもどきを作ってあります。

叩いてつぶれた分、フレットの足より幅が出来ます。

現在は、勿論こんな事はやりません。


指板修正は削り過ぎないように。


フレットのエッジは丁寧に処理します。


国産オールドもなかなかです!

 

フレット交換(リフレット)/ Gibson J-45 ’50s

オールドJ-45のリフレット(フレット交換)です。

 

奥に半田ごてが見えます。

フレットを抜く際はフレットを半田こてで暖めて抜きます。


リフレットの際は、その精度を上げる為に指板(フィンガーボード)を調整してから新しいフレットを打ちます。

※オールド等、場合により一切指板の状態を変えずリフレットする場合もあり


その際に気をつけなくてはならないのは、指板だけで精度を出さない、必要最小限で調整する、削り過ぎない、こういった事を念頭に作業します。


オールドの場合は、オリジナルの状態を出来るだけ保存する(のこす)事も考えます。

 

 

 

このJ-45も所有する、オーナーのものではありますが、必ずと言っていいほど後世に受け継がれていきます。

楽器ですので、弾き易く、自分好みの状態で楽しむ事が1番の目的です、それが出来なければ持っている意味も半分以下になってしまいます。

オールドであれ思い切った事をやる事もありますが、何でも型にはまった様な仕事ではなく、私達修理者はその都度、何に重きを置いて接するかを考えなくてはいけないのかなと思っています。

 

 

フレット交換(リフレット)/ Gretschi 6120


 

グレッチのリフレット(フレット交換)です。

どのメーカーも基本的にやることは大体同じですが、グレッチの場合は、指板(フィンガーボード)やバインディングの状態が良くない無いものに良く当たります。

新しいフレットを打つ前に指板を調整します、思い切って削ってしまえば指板上真っ直ぐになりますが、特に古いギターの場合、必用最小限の修正を目指します。

指板面の凹みやバインディング(左右反りが逆に見えてます。)の状態に惑わされず、削ってはスケールを何度も当てて確認します。

指板修正のポイントは、ネック(バインディングのライン)が反って見えていても新しいフレットを打った際に、フレット上真っ直ぐになるポイントより余計に削り過ぎないこと。

フレットのエッジは斜めにし過ぎず立てて、角を丁寧に処理します。

0フレットがある場合は、ナットは単なる弦のガイドなので、問題なければそのまま使います。

 

0フレットは1フレットよりちょっと高めのフレットを打つだけで、「はい終り。」の場合も多いですが、それでは意外と1フレットに対して高すぎるので、0フレットも調整したり、擦りあわせ後に同じフレットを打っても良い場合もあります。

Gretschi Guitar でした。