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ネック反り修理 , リフレット / Gibson F-2

今回はマンドリンの修理です。

こちらは以前ネック反り修理で、アイロン修正のリクエストで一旦は反りも直り、弦高も下がったのですが、それから数ヶ月、やはり戻ってしまいました。

当方では基本的にどのネック修理にもアイロンはお勧めしていませんが、リクエストの場合はアイロンいたします。

アイロンでの修正は物によっては、結果が良い場合もありますが修理方法としては簡易的にやる場合の方法ですので、当然結果が良くない場合も多くあります。

指板を一旦剥がして、貼り直して反りを直します。

古いギブソンマンドリンのジョイント部、初めて見ました。

ギターと大差は無いと想像していましたが、大分違います。

ダブテールジョイントの下にもジョイントと言いますか区切り部分があります。

どう言うことなんでしょーか。

そしてこの指板、エボニーだったはずですが、裏は何か茶色です。

剥がす際は暖めて剥がしますが、随分ひびが入ったなと思っていましたら、茶色い指板(ハカランダ?)に薄いエボニーが貼ってある指板なのでした。

前回アイロンをかけた際もここまででは無かったですが、ヒビ修正が多くて面倒だと思っていました。

アイロン修正した場合は、通常すりあわせしてフレットの高さをそろえますが、こちらはフレットが低過ぎて、すり合わせが不可能でした。

 

 


 

このひび割れを直さなければなりませんが、フレットを抜く前にヒビを接着してしまうと、フレットが抜き辛くなって、抜く際に新たに割れが出来ると思い、フレットを先に抜いたのですが、割れ部分がパズルのように剥がれて取れてしまいます。

それらを無くさないようにして、地道に全ての割れに接着剤を流します。

リフレットの際には注意する事がいくつかありますが、フレットを打ち込む溝と新しいフレットの足や足に付いているスタッドが溝と合っていなければ(合わせられ無ければ)良いリフレットは出来ません。

溝は出来るだけ広げたくありませんので、きつい場合はスタッドを潰して合わせます。

溝が広過ぎの場合や、きつく打つ場合は、専用工具でフレットの足を曲げて幅を稼ぎます。

マンドリンのリフレットは大昔に一度だけ経験があり、これが2度目。

その時はギターと同じ様にやってみて、なんでこんなに下手くそなのか、仕上げて見て大分落ち込みましたが、何で下手くそか分かりましたので次こそは、と思ってから何年経ったかもう分かりません。

このような細ーいフレットは、一手間、二手間増やさなければ、きれいなリフレットは出来ないのです。

何でも経験しておくものだと常々思います。

 

 

 

滅多にやらないので、


いつもより、


画像多めで。


ナットも同じデザインで作り直します。


小さい楽器は楽な部分もありますが、


難しい部分もとても多いです。