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ブリッジ底上げ→ネックリセット Guiid D-50(70s)


スタッフの山口です。Guild D-50のネックリセットです。ビンテージギターにはよく見られる薄く削り落としたブリッジ。今回は予算の関係で交換ではなく、写真のように底面側にローズウッドを足して本来の高さを取り戻します。


接着後足した部分との境目をタッチアップで目立たなくします。


反対側も目立たなくなりました♪

注意深く見なければほぼ分かりませんが、もし販売するときにはブリッジ補修歴を正直に伝えなければいけません。全交換の場合もまた然り。

削られて形の変わった上面を本来の造形(ディティール)に整えたらタイトボンドでブリッジを接着します。

イイ感じではないでしょうか。


ブリッジ補修が終わったらネックリセットに入ります。ネックリセットとブリッジ修理はセットで行うことの多い組み合わせです。


ギルドはギブソン同様にネックヒールが太いので外すのに時間がかかります。

指板を剥がす際にトップが剥離してしまいました。


慎重に剥離したトップ材を元の場所へ戻してあげます。

次の工程に進むには1日以上クランプしおく必要があります。


ヒールが太いと大変です。昨日はGibsonのネックリセットでヒールを削るだけで日が暮れてしまいましたε-(´∀`; )


ヒールを削ってネック角度が付くとその分指板とトップに隙間ができることが多いです。その分は作製した縞黒檀の薄板を足します。


ネックを接着した後はフレットの擦り合わせとナット調整、サドル交換しネックリセット完了です。


ブリッジも厚みを取り戻しサドルの高さも十分確保できるようになりました♪


ヒール部分も塗装修正せずに済みました。


反対側も綺麗に戻ってます。接合部が荒れてしまいラッカーで修正する場合もあります。


 

師匠も過去のブログで言っていますがネックリセット後は楽に弦を抑えられるようになるためか、とても音が良くなったと感じることが多いです。ネック角度が適正になることで実際に良くなっているとも思います。また、その後弾き込むことでそのギター本来の味が出てくるのでさらに良くなるのではないでしょうか。

アコースティックギターは木製生楽器ですので個体差もあり、同じ年の同じモデルでも鳴り方が全然違ったりして本当に面白いですね。

Guildのギターは弾くたびに「Guildらしい音だな〜」と思います。このGuildもやはりGuildらしい音がしました。もちろんGibsonらしいなー、とか、これぞMartin!!とも思うのですが。。。ちなみにうちの実家にあるThreeSのギターはマーチンのコピーなのにDoveっぽい音がします。

何を言いたいのか分からなくなってしまいましたが、、アコギの修理をすればするほどアコギが好きになる今日この頃、ということです。(?)