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リフレット(フレット交換) / Gibson LG-3

スタッフの山口です。今回はGibsonのLG-3のフレット交換です。角度が悪いので本当はネックリセットしたいところですが、先方の予算を踏まえ今回はアイロンで角度をできるだけ修正してあげてからフレット交換することになりました。

かなり年期の入ったアイロンですが現役です。師匠に何年前から使っているのか今度聞いてみよう。

ネックアイロン修理は簡単そうに見えますが、その後なるべく指板やフレットを削らないで済むように色々と試行錯誤するため意外と難しく、セッティングに時間がかかります。師匠に随時チェックしてもらいます。

 

 

 


アイロンで無事に角度修正できたら今回の主役、『ネックジグ』の登場です。

移転前の工房ではスペースがありませんでしたが、今の工房ではスペース確保が可能になった為、アメリカから取り寄せました。


簡単に説明すると弦を張って演奏する際のネックの反りや角度をメーターで記憶し再現したまま指板修正やフレットの擦り合わせができる、といった優れ物です。


演奏時のネック状態を維持したままフレットを抜き指板を修正します。

 

 

 


少し飛んで、、、フレット交換し、すり合わせたりエッジを丸めたりしながら磨いて行きます。


師匠が長年かけて編み出した工程、レシピは門外不出です。まだ僕がお客さんだった時、師匠の仕上げたフレット交換の仕上がりに感動して弟子入りするに至った、と言っても過言ではありません。

 

 

 


象牙やオリジナルにこだわるなど特殊な事情が無い限りナットは牛骨で新しく作り直します。


フレットが高くなるのに加え、指板もしっかり修正できますので弾きやすさは体感できるほど良くなります。


サドルは低めですがネックアイロンをかけておいたおかげで許容範囲になりました。ネックリセットで得られるサドル高には及びません。


元々『LG』は「Ladies&Girls」の略らしいです。一般的な日本人男性ならこのくらいが肩が疲れないギリギリのサイズだと思います。50年代のビンテージですが、J-45よりもいくらかお手頃価格なので狙い目です。ナイスギター!