スタッフブログ

ネック折れ修理(塗装修正あり) / Gibson L-5


L-5のネック折れ修理を塗装修正ありのプランで修理します。


割れた跡(筋、欠け)は白くて目立つので、ある程度濃いめに色を付けなくてはなりません。


つやつやに見えて、実際つやつやですが、若干くすんでもいます。

仕上げの際に一所懸命に磨いてしまうと全体と違ってしまいます。


磨かずに最初から、ちょっとくすんだ塗装が出来れば良いのですが、私にはそんな技術はありません。


技術上真っ平らに吹く事が出来ませんので、一旦磨いて仕上がり状態にします。


ですので、この前の状態はすごくピカッとしています。

そのピカッと仕上がった所にもう一度、ちょっとだけしぶかせて塗装します。


元よりくすみ過ぎな感じですが、これ以上磨いてしまうと、艶の感じが違う方へ行ってしまいます。


ですので、この先はオーナーに普段触ってもらって自然な艶が出る様に仕上げてもらいます。


大急ぎでやった修理ですが、ちゃんと気をつかってやっています。

 

リフレット(フレット交換)/ Gibson L-OO


 

古いギターのリフレットです。

当方のリフレットの料金は、各工程を分けて設定せずに、指板調整、フレット交換、ナット交換等、必要な作業は込みの料金になっています。

ネックバインディングは有る無しに拘わらず同料金です。

指板調整の有無やバインディングネックに新しいフレットを打つ前の処理等、単純に手間が掛かる方が料金が上がる事が多いようですが、バインディングの無い場合のネックサイドの処理であったり、指板を調整せずに(触らずに)仕上げる場合も返って手間でもありますので、基本的に通常のリフレットでは料金に差は付けていません。

昔は、バインディングの有無で料金を分けていたのですが、それも然程大きな差は付けていなかったのですが(3千円差だった記憶)、バインディング付きのリフレットの方は得した気がして、バインディングなしの方はなんだかもらい足りない様な気がしていたので、十数年前から差を無くしています。


バインディング無しのネックは、横から見えるフレットの足部分の処理が面倒な場合もあります。


バインディングが有っても無くてもどちらが楽と言う事は無いのです。


ビンテージと呼ばれるオールドギターの古いパーツは素材を足して調整し直す事が良くあります。

 


リクエストによりますが、最近では牛骨ナットであってもエレキではオリジナルパーツを残す事があります。

 

当方は圧倒的にアコースティックギターの修理が多いでのでナットを作り直したり、ネックの角度を直すと同時にブリッジも作り直したりすることは良くあります。

作り直したパーツはオリジナルの雰囲気できれいに出来ている事が前提ですが、アコースティックの場合はそれで価値を大きく下げない様な気がします。

それはアコースティックの場合エレキと違い、修理しながら後世にのこしていくもので、特にソリッドのエレキギターが遺っている事と、アコースティックギターが遺っている事の意味が違う為ではないかと考えています。

そんな理由から、消耗パーツであってもオリジナルを遺して行こうとする変な価値観がエレキの世界についてしまったのではないかと思います。

エレキの世界しか知らない人は、取って置いても仕方ないアコギのパーツに拘ってみたり、アコギの世界しか知らない人は、エレキのオリジナルパーツに対しても特に未練がなかったりします。

理解はしていてもエレキの世界から来たアコギの修理依頼には時折、多少戸惑うことはあります。

(もちろん、アコギもオリジナルで状態が良い方が価値は高いです。)

エレキとアコギのオリジナルパーツに対する価値観の温度差があるな~、と感じている今日この頃。

 

ピックガード交換 / Gibson Dove

ピックガードが崩壊しています。

最近はこのDaveのピックガードもそこそこ雰囲気が良い物が売っているのですが、大きさが微妙に異なる事があるので、この柄の入った素材を入手して加工します。

 

元の素材を撮っておくのを忘れてしまいましたので、出来上がっています。

素材は厚めのアクリル板ですが作業中に割れてしまわないように、昔からアコギパーツで頼りになるショップから入手後、こちらのリペアマンのやり方を参考に、後は自分でやりやすいように加工。


新しいピックガードも弾いているうちに擦れてだんだん馴染んで来ます。


ピックガードの仕様は年代で多少異なりますが、壊れたままのピックガードより何倍も良いです。


70年代のDoveですが、本体がきれいですのでP/Gが新しくても良い感じです。

 

ネック折れ修理(塗装修正無し)/ Epiphone EB-2

相変わらずネック折れ修理が多いですが、こちらはベースで弦は4本ですがペグが大きくヘッドも重量がありますので、やはり何かあった時には折れてしまいがちです。 

塗装修正無しのプランですので接着後、磨いて仕上げます。


「修理後、何か注意することはありますか。」と聞かれることがありますが、ギター同様これまでと同じように使って頂いて大丈夫です。


注意する事はこれまでと同じ、ぶつけたり、倒したりしない事。

ギターハンガーに掛けても大丈夫です。


色合いもいいですが、ラッカー仕上げは古くなるとより良いです。

 

Martin D-28 / ネックリセット

ネックリセットは、昨年から蒸気を使わない方法でネックを外しておりますが、蒸気を使って外している修理例の画像がまだある為、順次紹介させて頂きます。

サウンドホールからタオル(汚れている)が見えますが、アジャストロッドの付いたマーチンの場合、アジャストナットの為に開けた窓から蒸気がボディ内に入ってしまわない為にタオル等で塞いでおきます。

ネックを外して修理と言う事態にならないよう、お返しの際に必ず伝える事は、どのギターであってもアコースティックの構造であれば弦を緩める習慣を付けて下さい。と言う事ですが、感覚で5割以上の人が弦を緩めるか否か迷っています。

「必ず緩めます。」と言う方は3割位、1割位の人が「張りっぱなしです。(でした。)」と言う感じでしょうか。

張りっぱなしにしてもらった方が仕事が出来てありがたいのですが、こちらにお訪ね頂いた縁ですので同じ事を言いますね。

経験上、弦は緩めるに超したことはありません。1音・・・、ペグ1回転・・・、いろいろ言う人もいますが緩い分にはいくら緩くても構いません。

ギターの状態によっては1音だけの場合もあるかもしれませんが、良い状態であればしっかり緩めた方が良いと思います。

弦を緩めて逆反りを心配する方もいますが、逆反りを嫌って緩めなければネックだけでは無く、ブリッジ、トップ、ジョイント部に問題が出るリスクが増えてしまいます。

 

 

 


出過ぎたサドルはカッコ悪いので、出過ぎないよう修理します。


指板とフレットの状態が良ければ、リフレットせずに、すり合わせで調整します。


マーチンの場合は物によってはジョイントが甘く、管理を怠ってないにも拘わらず角度が狂ってしまう物もあります。

 

Martin D-28 / マーチンクラック修正+ピックガード交換


いわゆるマーチンクラックと呼ばれるクラッキング。


過去に修理はしているようですが、同じ所がまた割れてしまっています。


ピックガードが反って剥がれている事と割れに段が付いてしまっていますので、ピックガードは剥がします。


ピックガードは付いたまま修理する場合もありますが、P/Gは交換予定ですので、剥がして修理しやすく。

剥がしたP/Gは平らに直して貼り直す事も考えられますが、縮んで元には収まらず、かっこ悪いでので交換します。

特に黒ガードの再利用は、カッチョ悪く感じます。


内側に補強材が貼ってありますが、テキトーに見えます。


剥がしました、効いて無かったと思います。

きれいにして割れの修理後クリートを付けます。

クリートが貼れる条件は、平らに修正出来ている事ですので、段があると画像のように片側にしか当たりません。

 

 


 

この記事のギターではありませんが、撮り忘れましたので他のギターの画像です。

このような感じでクリートがつきます。

 

 


ピックガードは一寸だけ大きく作ります。


けがいた線の分ほど大きく作り、下地とさらに割れの線も隠せれば尚良いです。

少し大きく作りますが、違和感は無いと思います。


大きさよりピカピカなのが違和感ですが。

ピカピカは、保護シールを剥がしただけでは無く、サンドペーパーで水研ぎをしてバフ掛けします。

そうする事によって質感が良くなりますが、塗装面のように磨けませんので、P/G作成で1番大変な作業。


きれいなのは一時だけで使っているうちに、すぐに馴染んでしまいます。

 

 

フレット交換(リフレット) / Gibson LP

リフレットしました。

(指板調整、ナット交換、他調整込み)

フレットバインディングのリフレットは基本、今後オーバーバインディングになります。

※フレットバインディングと言うのは、ギブソンギター等に見られるフレットの延長のようになっているバインディング

※オーバーバインディングは、画像のようにフレットがバインディングの上に乗ってる一般的な状態

当然ですが、フレットバインディングでリフレットしたいと言う人は今までいない。

フレットバインディングと言ってもフレットとバインディングが一体になっている訳では無いので、時間が経ってバインディングが痩せてくればフレットとの間に隙間や段差が出来ます。

特に1弦側は、弾き方によってはその隙間に弦が当たった場合、パチパチ音がしたり、弦が挟まって演奏不可能になります。

 

 


当方のフレットの仕上げ方の特徴は、両サイド(1弦側、6弦側)を削り過ぎない。

端側(1,6弦側)が中側(3、4弦側)より低くなると気持ち悪いので、すり合わせの際は気を付けてすり合わせします。


フレットエッヂの処理は、斜めにし過ぎず、なるべく丸く仕上げます。

斜めに大きめに削り落としてしまえば、それだけで指の腹(1弦側)に当たり難くなるので、その方が処理は楽なのですが、いかんせん安っぽく見えてしまいます。

エッヂが立っていても、チクチクしないように手間をかけて仕上げます。


ナットはエレキの場合、アコギほど詰めずに調整します。

エレキの場合は必ずと言っていいほどアンプを使って音を増幅して演奏しますので、多少ビリビリいっても気になりませんが、エレキ弦は細いので、アコギよりちょっと溝を浅くします。

 

 

 

今思い出して、同じ画像をもう一回貼り付けてますけど、こちらのオーナーにリフレットをすんごい褒められちゃった。

頻繁に褒めて頂く事はあるのですが、もういいから。って言うほど、今まで出したどこよりもいいし、SNSでもみんな褒めてるって。

私、そんなの目撃した事ないので、かなりお世辞が入っていますが、それにしても褒められるって言うのは嬉しくて、人を幸せにしますな~。

うちのお客さんは、ホントにいい人ばかりで助かります。

長年やってきましたが物理的に無理な場合は除いて、完全拒否した人は一人。

レストランでもどこでも、どちらが上では無く、対等と言う事をわきまえている大人がうちのお客様。

この一人は酷かった、なんだかんだ言って、最後にやっておけと置いて行こうとしたので、ギターをドアの外に出しても帰ろうとするから、「落とし物で綾警に持って行くから、取りに行って下さ~い!」と呼び戻しまして、「な、なんでそんなことするんだ!」と言って、幸いそれきりです。

 

 

 

ピックガード貼り直し / Gibson J-45

ピックガードを貼り直します。

裏返すと接着剤が付いています。双方ともきれいにしてから貼り直します。

貼り直しは両面テープを使いますので、ツルッときれいにします。

両面テープの貼り付けは、空気が入らないように、入ってしまったら抜いて、周りはきれいに切り取り、残ったバリはサンドペーパーで取り除きます。

両面テープで貼り付けるだけではなく、クランプでまんべんなく圧着させ、1日置きます。

いつもの最後の全体画像(記念撮影と言ってますが)を取り忘れてしまいましたので、今回は無しです。

 

このピックガードを貼り付けると言う作業は単純ですが、とても難しくもあります。

一旦貼ってしまったら簡単に貼り直しは出来ないので、貼る位置を決めたらポイントに印を付けたり、貼り方のシミュレーションをしてみたり、1発で決めなければなりません。

ちょっとずれて気に食わない場合は、なんとか剥がしてまた最初からやり直しです。

 

ヘッド折れ修理(塗装修正あり) / Epiphone LP


 

貼ってあるシールで分かるように、中国製のギターですから幾分材料の質も落ちますので、折れ方にも脆さが表れたりします。

木目に沿わず、お菓子を折ったような折れ方をしています。

そうは言っても、色もきれいで、音だって悪いわけではありません。

気に入って買ったギター、まだ新しいんですから、出来るだけきれいに修理します。

修理が完了したら強度も十分、また以前と変わらず使い続けます。

ネック折れの修理後、「ネックハンガーに掛けても大丈夫ですか?」と質問される事がよくありますが、勿論問題ありません。

以前と同じ使い方をして下さい。

気を付けるのは、アクシデント、ぶつけたり、倒したり、踏んじゃったりしないよう気を付けて下さい。

ピントが映り込んでいる物に合ってしまったり、ペグに合ったりしてします、合わせたい表面には合いません。

いつもですが、写真の技術が無いので画像で伝える事がとても困難です。


とても濃い色なので、修理跡は分かり難くなりますが、濃くてもちゃんとこの色に寄せないと着色したところが浮いてしまいますので、しっかり調色して着色します。


濃い色ですので、色が合えば折れた形跡は分かり難くなります。


きれいな青です。

ステージ映えすると思います。

 

ネック折れ(ヘッド分離、塗装修正なし)/ Gibson FV

こちらもまた、ショッキングな折れ方をしていますが、塗装修正なしのプランで修理いたします。

こんな折れ方でも当方の場合、補強は致しません。

 

折れないように接着してやればよいのです。

ですが、アジャストロッドまで固まっちゃわないように工夫します。

アクシデントもないのにまたヒビが入ったりせずに、普通に使えれば、それ以上の強度は不要です。

 

ネック折れ修理は、修理者によって区々ですので、初めて当サイトにお越しの方に多少説明いたします。

簡単に申しますと、補強が無くても折れない接着をします。

なぜ補強が要らないか、タイトボンド等補強が必要な接着剤ではなく、ネック折れ修理に耐える接着剤を使います。

補強をする作業が無く、さらに塗装がなければ、コストが抑えられます。

補強のあるネックで再度アクシデントに見舞われた場合、折れ方が複雑になったり、修理しにくい部分で折れないようにする為。

折れた所同士であれば1番密着できている為、削り取って別の材を足さない為。

等々。

過去の記事にも同じようで異なるような修理がありますので、いろいろ見て頂ければ幸いです。

 

 


塗装修正なしの仕上げですので、剥げてもそのままです。

修理者当人(私)的には、これはこれでカッコよいと思っています。


ですが、これだけ剥がれっちゃってますから、多少気になる所ではありますが。


過去にも塗装修正なしの仕上げで、結構なハゲ具合になったものもありますが、それでもほとんどの皆さんに、きれいと言う言葉を頂きます。


磨き方にもよると思いますが、これにはこれの美しさ、カッコよさを感じる方であれば、低コストで十分な修理が出来ます。

 

アジャストロッドカバーが大きいので、傷が目立たなくて好都合です。

ヘッドの面以外は、白く薄く塗りなおしてあり、過去にもいろいろあったのだと思いますが、これからもまた大事に使われていきます。