この付近が折れ際の接着は、アジャストロッドも一緒に接着してしまわない様にします。
いつも途中の写真はほとんど撮らないのですが、思いだしましたら撮っておきます。
アジャストナットを外して、半月板のワッシャーも外します。
ナットとワッシャーを外したアジャストロッドにグリスを塗布しておきます。
この付近が折れ際の接着は、アジャストロッドも一緒に接着してしまわない様にします。
いつも途中の写真はほとんど撮らないのですが、思いだしましたら撮っておきます。
アジャストナットを外して、半月板のワッシャーも外します。
ナットとワッシャーを外したアジャストロッドにグリスを塗布しておきます。
前回ネックリセットをした人をここで責めるつもりはありませんが、こうして他の工房の元へ再度出されて手直しされてしまうというのは「悔しい」と自分だったら思います。
ちょっとした隙間だし、ボンドでガッチリ接着されていますので、とりあえずは演奏性も問題ないし、もしかしたら気がつかない、そもそも気にしない人も中にはいるかもしれません。クレーム来なかったらラッキー!みたいな考えで納品したのかもしれません。
でもそれではダメです。
自分が修理したギターがいつ、どこで、どんな人に見られても恥ずかしくないと思える仕事をしなければなりません。これは師匠の皆川がいつも言うことですので当工房のポリシーの一つと言えます。
どんなにやり慣れた作業でも手を抜かず、毎度しっかり向き合い続ければ、その度に新しい気づきや学びがあるものです。そしてその積み重ねがスキルアップと実績、そして信頼に繋がると思うのです。
今回も最後までありがとうございました。
「ブリッジ、塗装しなくちゃね。」(クラシックギターの場合は、塗装が施されている事が多い。)
このブリッジに関わった人は、こんな事を言ったり考えたりしたのではないでしょうか。
フォークギターにちょっと知識が足りない人の修理なのだと思います。
スモールガードのLG1は私も所有していたことがあります。
この年代のLG1はとても良いです。
私には、ラージガードのLG1のイメージとは別のモデルと言う認識です。
現在はわざわざ楽器屋さんに行かなくても色々買えてしまいますので、いろんなギターに触れる機会も皆さん少ないと思いますが、楽器屋さんに行ってみていろいろ弾いてみてください。
本やYouTubeから得た知識(思っていた事)と違う事実が必ずあります。
ギターに関わる何らかの職にある人、これからの人も出来るなら、一時でも所有してみてください。
より深いところが見える(感じる)はず。
でもそうは言っても、相場が上がり過ぎだし、バカ政府のドケチアタマワルスギ経済政策ではギターも買えるようにならないね。
悲しい時代だ・・・
スタッフの山口です。
今回は昨今話題のブランド、Futraのエレキのフレット交換です。ニッケルシルバーからステンレスにしたい、指板Rを9.5inchから12inchに緩やかにしたい、との理由で交換です。通常フレット交換は「すり減って背が低くなっているから」という理由で依頼を受けることがほとんどですがこういったイレギュラーな理由でももちろんOKです。
R出しのできるサンディングブロックについて道具の利点と欠点のことを書きましたが、、自分のこれまでの経験から得た感覚、道具の精密さと性能、対角にあるこの2つのバランスをうまくとって作業することで仕上がりに大きな差が生まれると思います。
どちらかに偏ってはあまり良い結果が得られないことが多く、その道具の良いところだけを利用して、欠点を自分の人間の感覚で補うのがベストに繋がるのではないかと思います。これは師匠の仕事から学んだことの1つです。
道具や機械の性能を100%信じてそれに任せるのではなく、そこに人間の知恵と感覚をプラスしてコントロールすればもっと良いものが生まれると思うのです。
けれど限りなく100%近く信じられる道具を見つけたときは、とっても嬉しくてテンションが爆上がりしちゃいますね。
今回も最後までありがとうございました。
当方では、ネック折れ修理にはタイトボンドを使用しない為、基本的に補強の必要がありません。
その為、コストが下がり塗装修正も無しで仕上げれば更にコストが下げられます。
塗装修正が無い場合は仕上がりの見た目が区々ですので、過去の修理実績をご覧いただければ幸いです。
こちらのギターの場合は、塗装は施されていない為、着色のみの仕上げ。
こちらのオーナーは同じギターを3~4本所有しており、それから約1~2年後に別の個体の修理でお越しの際に、今回のこのギターはとても調子よくお使いとの事でした。
個人的にはこっち方面のギターは興味は無いのですが、触ってみると良いギターなのが分かります。
見た目に偏見がある方が余計に良く感じるのかもしれません。
アコギならMatonなんかそうでした。
画像で見ると安っぽく見えるでしょ。
でも良いギターって、感触がよいのです。
自分では他にもっと好きなギターがあるので買う事はありませんが、でも良さは分かります。
良いギターは感触がよい。
アジャストロッドナットが無いです。
締め込み過ぎて、奥で折れてしまったようです。
私が非力なせいなのか分かりませんが、ロッドは折った事がありません。
ロッドを折ってしまうのは慣れない人だけではなく、プロの方でもたまに折る人がいます。
回っていたものがきつくなって回らなくなったら、それ以上締めるのはやめましょう!
またいつものように途中の画像があまりありませんので雰囲気は、過去のブログを参考にして頂ければ幸いです。
https://www.m-guitars.com/blog/2833/
https://www.m-guitars.com/blog/4800/
他の記事もよろしければ覗いてみてください。
今回は、両利きの(順ぞり逆ぞり両方に対応できる)アジャストロッドを使います。
2Way、ダブルアクション、デュアルアクションいろんな言い方しますが、私は両利きと言ってしまいます。
指板は貼り直しましたら、指板上を整えて、リフレット、ナット交換。
指板を剥がすと大概左右に沿ってしまいます。
その為、指板とネックどちらかが出たり凹んだりズレが出ますので、削って整えます。
今回は、Loar と言うブランドのギター。
大昔にあったギターメーカーのようですね。
生産拠点等は当時とは全く別ですが復活するブランドがあります、そういったブランドの一つでしょうか。
安い価格帯でよいギターが結構ありますが、これも作り手(メーカー)の頑張りが分かります。
このYAMAHAのヒールキャップは構造的にバインディングの領域まで達しているのでとても手間がかかりました。Martinなどはヒールと一緒にキャップも削れてくれるので自然といい感じになりますが、このデザインだとヒールキャップを一度取り外して、ネック角度を修正後、それに合わせてキャップもリサイズ加工して綺麗に元に戻さなくてはなりません。
きっとバックのセンターとヒールキャップが同じフレームメープルで繋がっている方がデザイン的にカッコいいということなんだと思いますが、であればバックセンターのメープルをバインディング領域まで伸ばせばよかったのに、、。
後世に残すべき楽器だからこそ、何十年後かに必ず訪れる修理やメンテナンスのことをしっかりと考えて欲しい!という想いが何となく愚痴っぽくなってしまいました。もちろん言わずもがな、サウンドもナイスギターでした♪
今回も最後までありがとうございました。
ジョイント内部に白いものが貼り付いていますが、紙きれです。
ネックをセットする際に絶対にヒールが浮き上がらない様にシムを挟んで調整しますが、シムに紙が使われています。
紙は木で作ったシムのように繊維が通ってない為、シムとして使う事は間違い(手抜き)です。
修理屋はおそらくこんなことはしませんので、Martin工場でやられた修理なのだろうと思います。
(Martinでは過去に紙をシムとして使っていた時期があります。)
過去ブログにいくつか掲載しております。
これだけ古いギターですと(1939年製)いろいろと修理が施されているのは当然ですが、修理者の中には真面目な人も不真面目な人もいろんな人がこのギターに関わって来たのだと思います。
紙のシムであったり、指板裏にはスプルースで厚みを調整してあったり…
ローズ指板、マホトップですから指板に下駄をはかせるならローズ系、でなければマホ系が好いと思いますが、トップ側は他にもメイプルのような板でも補修してあったりもします。
こんだけ指摘しているのですから、どう綺麗にしたか見せろと言われると思いますが、大たい気持ちに余裕がない時は画像も無い事が往々にしてあります。
ご了承ください。
昔、Martin工場に見学に行った方の話では、ブリッジ修理は剥がさず壊して取り外して、オーバーサイズのブリッジに交換する、と聞きました。
Martinで修理するのだから何やったって公式なのだろうと思いますが…
現在は価値観が昔と違い、すごく細かい事を言う人も居ますから流石にMartin工場もやり方は変わったのではないかと想像しますが…
でも、前にNHKで福山雅治氏所有の大昔D-45をMartin工場で修理しよう!(タイトルは覚えていません。)と言う番組で修理には関係ないヘッドの突板まで交換しちゃっていたような気がします。
私の勘違いなら良いのですが、見ていたその時は、「何やってんの?」 もしそうなら福山さんはどうだったのだろうか、テレビでなければ流石の福山さんでも怒ったのではないかと想像してしまいます。
オールドギターの醍醐味、価値はそれぞれではあるかと思いますが、古いパーツや塗装が残っているからそこににロマンがあるのに…、しかもぷりおーまーちんなのに。
今では流石に、私の勘違いだったろうなと思い込んでいます。
このギターの修理のリクエストのひとつが「ニカワ接着」だったのですがニカワの扱いは全く慣れていません。
それ故、慣れないものは安易に使わない方が良いので積極的には使わなかったのです。
十七、八年前にタイトボンドのフランクリンから出ているニカワ接着剤がある事を知り、これなら誰がやっても同じ接着力になると思い、頼まれていないのに1度だけMartinに試してみたことがあります、記憶が曖昧ですが他にも一回リクエストがあった際に使ったかもしれません。
その際に感じたことは、「固まらない、すごく遅い」この理由から、その後リクエストもないし全く使う事はありませんでした。
そして今回、やはりすごく遅いので調べてみれば、消費期限は2年であることを知り、流石に古すぎでしたので、新しいフランクリンタイトボンドニカワを入手してやり直し。
新しく買ったって消費期限は後6ヵ月しか残ってません、もう一回ネックを取り外して、「さー付けるぞ!」と思いましたが、思いとどまり。
他で硬化具合を観察してからにしましたが、やはりだめでした。
むしろ昔の方がまだまし、すごく遅くても何とか固まりましたが、今回は気温次第で硬化が進んだり戻ったりしてしまうのでとても使えません。
でありますので、当方ではニカワの使用は今後一切ありません。
その際は、ニカワの取り扱いを熟知された方にご依頼ください。
ただ不思議なのは調べた際の評価では、とても良いとダメが半々位だったのはフランクリンであっても何かコツがあるのか無いのか、分かりません。
当方の基本接着剤は、フランクリンから出ている「タイトボンド」です。
ニカワのように修理が可能で、ニカワより接着力があり、ニカワのように劣化もしませんし、とても固く硬化しますので音響への影響も優れています。
よろしくお願いいたします。
追加画像
一つ画像が見つかりましたので、追加します。
こいつが例のフランクリン タイトボンド、ニカワです。
指板の接着面にはメイプルやスプルースが貼られていましたが、平らに修正してネック角度も決まり、シムも調整が出来、全て準備が整い、今回はこのニカワでございます。
という画像。
今後このタイトボンドニカワは使う事はありませんが、本物ニカワを自分のギターで試してみたいなと思います。
その後、リクエストがあった際は、お答えできるかもしれません。
ボディの割れを接着する際は、出来る限りずれないように接着したいのですが、割れが一筋(1本)だけであっても難しい作業であります。
こうなっちゃっていますと、かなり難しく全部きれいに揃える事はある程度諦めて、どこまで合わせられるか、どこを合わせたらどこが合わなくなるか、どの位ずれるのか、クランプは掛けながら接着出来るのかしら、そして接着本番の時には「あれ?仮止めの時はもっとうまく行ったのにー!」となる所まで考えておきます。
修理は昔から一人でやって来まして、それなりにやるしかありませんでしたが、気が付けばそこに山口の手X2があるでは無いですか!
一人でやろうとしますと手が二つしかありませんから、どうすれば上手くクランプ出来るか、順番はどっちからどうするか、何かジグ作らないとダメかしら?、等々…どうやってったら良いか分かんなくなる時があります。
一人じゃないってありがたい!
この時の見積もりは忘れましたが、塗装はしてありますが色合わせしてないところ見ますと出来るだけ面倒は省いて仕上げたのかな、と思います。
トップが無事だったのは、不幸中の幸い。
トップ板の事をサウンドボードと呼びます。
左弾きの方にとって左用のギターは貴重ですし、まして気に入った物となればなかなか見つかりません。
何につけ、左用の道具は貴重です。
左利きの人の中でも、道具は右利き用を難なく使いこなし、そして利き腕は左と言う方もいます。
そう言うバランスって、羨ましいです。