フレット

リフレット(1弦引っ掛かり)/ Gibson

弦を外しちゃったので、文で説明いたしますとフレットとフレットバインディングの隙間に演奏中に弦が挟まってしまいます。

そうなると演奏出来なくなってしまいますので、何かしらの対策が必要です。

ならば隙間に何か詰めて弦が挟まらない様にするか、交換してオーバーバインディングのフレットにするか、どちらかになります。

 

こちらはフレット交換してオーバーバインディングにします。

隙間に詰め物をして挟まらなくなっても、そこの段差部分の違和感は残りますので交換してしまった方がスッキリしてよいでしょう。

このフレットバインディングと言うのは、見た目から手間が掛かって高級ギターなんだろうな、と言う感じは醸し出していますが・・・

やはり高級感だけの為のものなのでしょうか・・・

 

 

私、このあたりの理由や歴史的な背景が勉強できてませんので分からないのですが、なんのメリットがあるのでしょうか、分かる方は教えて頂ければ幸いです。

多分、たぶんですよ、マンドリンばかり作っていた時代、指板がやせた時にフレットが出てチクチクするのでなるべくチクチクならない様に考えたのがフレットバインディングなんじゃないかなー。

そしてそれは高級機種の証、なんて思います。

それがギターに引き継がれて、特に良い事も無いのが分かっていながら誰も「もうやめようよ。」と言う人が現れずに現代まで続いている・・・

だってGibsonの伝統なんだもん。

そういう事なんじゃないかなー。

 

 


 


 


 


 

伝統はいつも、尊重して、重んじて、尊んで、アンタッチャブルなのは、そこの年寄りが許してくれないからなんだよね。

若者を中心に仕事をやらせなければ、絶対に発展なんて無いのはわかっているのに(分かってないのかな…)、居心地が良い年寄りはそこから退かないんだ。

 

「あんた、そら違うよ!」と言う方は真実を教えて頂ければ幸いでございます。

 

フレット交換&ブリッジ剥がれ / Gibson L-0


スタッフの山口です。今回はギブソンL-0の修理を見ていただきたいと思います。まずはフレット交換の前に剥がれかけていたブリッジを貼り直します。写真はハロゲンライトでブリッジを温めているところです。


この形のブリッジだと接地面積が小さく剥がれやすいためにその後ベリーブリッジなどに変わっていったのだと思います。きっとこのギターも80余年の間に何度となく剥がれてきたはず。


どちらも接地面を綺麗にして平らにしてから接着します。しっかりと接着し、弦を張りっぱなしにしなければまた早々に剥がれることはありません。

溢れてくる程度に両面に接着剤を塗りバランス良くクランプ。溢れた接着剤を拭き取り一日以上待ちます。

ブリッジ貼り直しが完了したらフレット交換。今回はアイロンでネック矯正してから行います。うまく矯正できれば指板の修正を最小限に抑えられます。


ネックアイロンもいい感じに効きました♪

フレットを抜く前にネックジグで調弦時の状態を記憶させます。


調弦時の状態を再現したままフレットを抜き指板修正。アールを小まめに確認しながらビシっと決めます。削り幅はなるべく最小限にできれば理想的です。


今回はネックバインディングがあるモデルなのでこの工程があります。専用工具でフレットの足の端を切るのですが、どうしても少しだけ残るためヤスリで一つ一つ綺麗にします。


フレットをコンコン打っています。


サイドを均し、すり合わせ、エッジを丸め、そして磨きます。


1フレットに合わせてナットも新しく。

サドルも新しく作り直し一通り調整を終えたら完成です。

Gibsonの初代フラットトップ、激渋です。

ロゴもカッコイイですね。Gibsonは現行のロゴも筆記体ロゴもバランスが絶妙で素晴らしいですよね。

輪ゴムが付いてるのは弦を巻いていないとブッシュが外れていつの間にかなくなってしまうから。これをしないと後で床を這いずり回ることになってしまいます。

今回も閲覧いただきありがとうございました。

 

フレット交換 / tokyo violin industrial factory NO:50

クラシックギターは1~3弦がナイロンなのでフォークギターやエレキギターのようにフレットの減りが感じられない事が多い為リフレットの依頼も少ないです。

ですが画像を見ますとこれより、やはりフレットに高さがある方が弾き易いのではと想像します。

大たいのクラシックギターの指板はアールが無く平らなのですが、調整はアールがある指板より平ら指板の方が難しく感じます。

最初の頃は両サイドがちょっと下がっちゃったり、うっすらアールが付いてしまったりして、それを直すのがまた大変っだったのを覚えています。

意外と真っ平って難しいんです。

 

 


 


 


 

過去のブログも見て頂ければ幸いです。

Takamine

 khono masaru 


 

詳しい事は分からないのですが、日本の古いメーカーです。

バイオリンや、ウクレレ等も作っていたようです。

この時代は色々なメーカーがあって時代と共に淘汰されていったメーカーのひとつだと思いますが、いずれ見る事が出来なくなってしまうかもしれないギターも多いのではないかと想像したりします。

知らない人にとってはただの古いギターですが、思い入れのある人にはその頃の思い出や匂いまでも思いだすものだと思います。

私もなつかしいものに出会うとときめいたりしますが、こうやってずっと使い続ける事はすごく好きです。

気に入った物を何年、何十年と直し直し使い続ける事が楽しみで喜び、そういう人も多いんではないでしょうか。

 

 

ネックリセット&フレット一部交換 Martin D-18


スタッフの山口です。今回はD-18のネックリセットとローフレットだけフレットが極端にすり減っているためそこだけフレットを新しくする、というオーダーです。


今回は画像が多いのでサクッと進めて行こうと思います。写真はブリッジのウィングの角を作っているところ。


上面を削って薄くしたことでノッペリしていたところを角を作りディティールをそれらしくしてあげます。

凛々しい顔つきになりますね。


いつも通りネックを外します。


記念撮影パシャリ。


センターズレはご法度です。

ヨシ!


ネックを元通りにしたらフレット交換。6フレット以降は抜いてクリーニングした後戻しますので分からなくならないように1弦側にマッキーでマーキングしました。


70年代のマーチンは指板が薄いせいなのか、ネックが順反りしやすい傾向があります(そんな気がします)。アジャストロッドもありません。

そのため今回はオーダー元からネックジグを使ってほしいとリクエストがありました。


弾いている状態を再現するための作業台は当工房オリジナルです。


メーターを0に合わせます。


起こしてから弦を外してメーターを確認。


ナット部と先端部を押したりひっぱたりして調弦時を再現します。


メーター値が0になるようにすれば理論上は演奏時と同じネック状態です。


状態を維持したまま作業台へ移動して固定します。


指板修正は最小限が理想です。


6フレット以降のハイポジションフレットは減りが少なかったためクリーニングして戻します。


鈍くなったナイフで長年の手垢、脂分でしょうか、緑色に変色した汚れを除去。これがこぶりついたままではフレット浮きなどにつながります。


ローフレット弾きのオーナーだったからだと思うのですが1〜5フレットは消耗が激しかったため新しくします。

通常は全て新しいフレットの交換することをお勧めします。指板修正をする以上、手間賃は変わりませんので。


無事にフレット交換が完了したらナットも新しくします。


70年代Martinらしく今回はミカルタで作製しました。


弦間にバラつきがあるナットは残念なナットです。愛情を込めてビタっといい感じにします。


ネックリセット効果でサドルがバッチリの出シロになりました。フレット交換による影響を先回りしてネック角度を決めるのですが、これが非常に難しい。主に経験から得られる感覚に頼るところが多いので師匠に相談しながらですが自分も大分感覚を掴んできたように思います。


メンテ完了!

これで堂々と店頭に並べられるビンテージギターになりました。

 

こちらのギターも店頭に出るやいなや売れてしまいました。

SHOPサイトで自分が手がけたギターたちにSOLDマークが付くととても嬉しい気分になります。なんとなく認めてもらえたような感じがして今後の糧になります。

これからも精進していきたいと思います!

フレット交換 / YAMAHA L-6

フレット交換します。

フレットが薄くなって、浮きもあります。

 

昔のフレットの足にはスタッドが無いものもあります。

ですので、ヤスリの角等何か固いものでフレットの足を叩いたりして出っ張りを作ってあります。

 

フレットを打ち込む溝は掃除をして新しいフレットの足や足に付いているスタッドに合わせます。

打つ際にきつ過ぎず、緩く無く、決して浮きが無いように打ちます。

きつい場合はスタッドをつぶして、緩い時は足をまげて足自体に幅を付けます。

 


 


 


 

リフレットする際にはフレットの溝が狭い場合、広い場合ネックの角度があまり良くない場合、指板をうんと修正しなければならない場合、指板修正をしない場合、など等、リフレット以外の事もそうですが、その都度その都度、状況に合わせて判断して作業しなければなりません。

等とカッコいい事言ってますが、私も人間ですので判断を見誤る事もあります。

と言うより分かんないことだらけでございます。

 

 

ピックガード貼り直し、リフレット/ Gibson J-50


 


 


 

ピックガードの貼り直しと、リフレットをします。

貼り直す面(P/Gの裏とボディトップ)は両方きれいにして、貼り直す両面テープは画像のような弱っちそうなテープでは無くもっと性能の良いテープを使用します。

画像では、P/Gが先ですが、リフレットする際にP/Gは無い方がやりやすいのでP/Gはそのあとに貼り直してます。

 


 


 


 

貼り直す際には両面テープを使用しますが、接着剤を使う時と同じように均等に圧着されるようクランプをして丸1日置きます。

60年代Gibsonは、太めのフレットが打たれています。

新しいフレットは高さがあり、エッヂも立てていますので元より細いフレットに交換されたようにも見えます。

 

ナットも新しいフレットに合わせて作り直します。

👍

 

フレット交換 Gibson MK-35


スタッフの山口です。今回はGibson MK-35のフレット交換です。特徴的なピックガードでとても分厚いです。


丸い両面テープで貼ってありますね。

後にも先にもこのピックガードの形はこの機種だけです。


口輪も剥がします。指板やフレットを擦る時に傷つけてしまう構造ですのである程度簡単に剥がせるように考えられているのでしょう。ブリッジもこの機種だけの特徴的な形ですね。


今回はショップからネックリセットするコストはかけられないとのことでネックアイロンのリクエスト。これである程度仕込み角度を矯正します。ネックアイロンでは矯正があまり効かない時も多々あります。


今回もネックジグを使用します。


演奏中の状態を再現しながら指板修正ができる優れもの。


指板をサンドペーパーで擦り、歪みを無くします。表面の汚れや傷がなくなって指板が綺麗になりました。


フレットを浮きがないようにコンコン確実に打っていきます。


フレットのエッジは弾いてる時に滑らせてもチクチクしたり引っかからないように角を丸めます。これが本当に難しく時間がかかります。


工程は飛びますが、フレットの仕上げはボンスターで。コンパウンドは使わずとも程良く輝きます。


新しいフレットの高さに合わせてナットも作り直します。


口輪とピックガードを元に戻して完成です。


 

Gibsonの中でも異色のルックスMK-35。75年〜79年の4年間だけ作られたMark Series、MK-35はサイドバック材がマホガニーですが、実はメイプルサイドバックのMK-53、ローズウッドのMK-81、ハカランダのMK-99とあるそうです。フォークソングブームが下火になり始めた時代も相まって売れ行きが全く芳しくなく、日本にもあまり出荷されませんでした。その後Gibsonのアコースティック工場が閉鎖に追い込まれたことからGibsonの黒歴史、迷走ぶりを象徴するギターと言われることもしばしばだそうです。

そんな背景を知ったからでしょうか、、何だか「てやんでい!俺だって良い音鳴らすんだぜ!」と言っているような顔つきをしていますね(⌒▽⌒) 

確かにイイ音を奏でてくれましたよ!

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

リフレット / Fender Stratocaster


 

リフレットします。


 


 

 

 


 


 


 

古くて雰囲気の良い指板はこのまま温存、この見た目にも価値がありますもんね。

指板修正はせずにフレット交換します。

当方はアコギが得意なものですから、割合にするととても少ないのですが、時折こういったリクエストもあります。

中には「指板には絶対に触らないでください。」「そしてフレットのすり合わせは無しで。」等と言う人いますがそれは絶対に無理です。

悪しからず。

 


 


 


 

フレットのエッヂは削って揃えますので、当然その際に必ずヤスリは指板サイドに当たります。

指板は真っすぐに見えても真っすぐではないし、指板修正したとしても新しく打ったフレットはすり合わせをして精度を出します。

指板が真っすぐに見えても指板修正しなければ、新しく打ったフレットは指板修正した場合より多めにすり合わせる事になります。

特にフェンダーはアールがきついものがあり、チョーキングで音が途切れてしまう事がある為、他のギターより部分的にすり合わせの量が多くなります。

指板に触るなとか、すり合わせ無しは無理なのです。

 

 

 

 

フレット交換 / Yamaha L-41

フレット交換の意味は、各々オーナーにより違います。

こちらは、減りはそれほどでは無いように見えます。

何だっけ?

ブログは、出来るだけ画像を撮った順番に上げて行こうとしているのですが、1年以上前の画像を見ても思いだせない事が沢山あります。

大分減ってしまったから交換する人、フレットのサイズを変えたい人、気分を変えたい人、 減ったって問題無いからそのまま使う人、,etc.

お店の人が「もう交換ですね~。」等と言いだしたら、「君のじゃないでしょ。」と言ってやってください。

 

 

 


 


 


 

 

ネック折れ修理(塗装修正あり)+リフレット / Gibson LP


 


 

塗装修正ありプランで仕上げます。

その後、リフレットします。

塗装修正する場合、色が剥げた部分をピンポイントに修正して、その後に修理箇所周りまで少しだけ色を濃く付けて馴染ませるのですが、修理箇所が濃くなってしまうのは個人的にあまり好きでは無いので割れ跡等も多少見えても出来るだけ薄くと心掛けてます。

割れを隠すためにその周辺を濃く塗装するリクエストがあればそれもありですが、おまかせ頂ければ私が最良と思う感じでやらせていただきます。

ナチュラルや色味が明るいシースルー等は、割れ跡が見えてしまっても出来る限り色は付ない方が正解ではないでしょうか。

出来るだけきれいに仕上げる為に塗装修正するプランがありますが、”とことん”出来る限りきれいに仕上げるのであればネック全体を一旦剥がして塗り直すしかないでしょう。

但し、時間もお金も掛けてトコトンやったとして、理想通りになるかはやってみなければ分かりません。

折れてしまったのだから、元には戻らないのです。

あくまで、折れて、修理したものなのです。

ストーリーは、ずっと続いて行くんだぜ!

 


 


 


 

 


 


 


 


 

リフレットしました。

プレーントップで色合いも、カッコいいレスポールです!