ネック折れ(塗装修正無し)
ネック折れ修理 / フェルナンデス
直球で申し訳ないのですが、”安いギター”(←オーナーさんごめんね。)の修理もよく依頼があります。
ネック折れ修理は他店より安いようなので、割と頻繁にお受けしますが、大体同等の新しいギターが買える位の修理費ですから、一旦考えて見て頂きます。
ですが思い入れがあったり、可能な限り修理して使い倒す、という方の気持ち私も良ーく分かります。
なるべくきれいに仕上げる場合は、「塗装修正あり」ですが、こちらのように気にしない、安く上げたい方は「塗装修正無し」、で仕上げます。
仕上げる際に塗装が剥げます、と伝えてありましたが、「すごくきれいです。」と言って頂いて、女性のオーナーでしたのでちょっとこれは嫌かなと心配しましたが、良かったです。
私も個人的には、この感じもカッコよいと思っています。なんでしょうか、思いを隠してないと言うか、出しちゃってると言いますか、そういう迫力が伝わります。
ネック折れ修理(塗装修正なし) / Gibson Hummingbird
何度もネック折れ修理 / Gibson B-25
同じ所から折れている様に見えますが、同じ所から折れた時は、このように接着剤がそこにありますので、こちらは前回修理部分の強度に問題ないことが分かります。
ネック折れ修理(塗装修正なし) / Gibson LP
エレキはボディが重い分、倒れた際には折れてしまう確率が高いです。
アコースティックギターも同様、立て掛ける際には、気をつけて、ケースに入っていても安心ではありませんので、倒れない事の確認をして下さい。
それでも、アクシデントは付きもの。
その時は、皆川ギター工房にお任せ頂ければ、幸いです。
こちらの例のような通常のネック折れ修理は、補強無しで、同じ箇所は折れない修理をします。
当方修理で再度アクシデントのあった際、同じ部分が折れている様に見えた場合、ご確認下さい。
そこに修理の際の接着剤は、ほとんど付いていないはずです。
ネック折れ(塗装修正なし)/ Gibson Firebird
ライブなど演奏活動メインの方は、通常使用で支障が無ければ、塗装修正なしの仕上げで修理する事が多いですが、何れにしよ塗装修正有りの場合は、ナチュラル仕上げは色を付けて、なんとなく自然な雰囲気を出せないので、とても難しいです。
ナチュラルのネック折れをなるべくきれいに仕上げる場合は、どのような方法にするかお客さんと良く考えて決めます。
ネック折れ(ヘッド分離) / Gibson J-45
普通に折れただけでもショックですが、ヘッド(ネック)が折れて、分離してしまっています。
でも大丈夫。 着けてあげればよいのです。
骨折が治った後のように、強く接着すれば良いのです。
製作や修理の際に頻繁に使う「タイトボンド」では補強が必要になり、コストが上がり、再度アクシデントがあった場合は、折れ方が面倒になる可能性があります。
ネック折れ修理は、修理者によって考えや方法がこれほど区々な修理は無いと思いますので、いろいろ見てみると興味深いかと思います。
なるべくきれいに仕上げたい場合は、塗装修正あり、直ってさえいれば良い、(塗装修正無し)の2通りの仕上げ方が有ります。
塗装無しの場合は、コストを押えて、納期も短く修理が出来、強度に差は全く有りません。
こちらは、塗装修正無しで仕上げます。
ネック折れx2 / Martin
ネック折れ(ホームリペア失敗)/ Gibson LP
ネック折れ修理 / Epiphone
ソフトケースに入れていて、出した時には折れていたと言うことですが、ハードケースに入れていても、同じ事は起きます。
ソフトケースの場合、アクシデントがあった際はある程度のダメージは避けられないかもしれませんが、ハードケースの場合は、入っている状態や入れ方によって左右します。
まず一番良いのは、ケースに入れて前後左右に振ってみて、中でギターが動かずフィットしている事、ネック全体もしくはナット下付近がしっかり枕に乗って、ヘッドの先がどこにも当たっていない事。
緩くて中で動いてしまう場合は、新聞紙等で隙間をつめてやります。
普段はあまり神経質になるのも大変ですが、宅配便等を使って移動させる場合は、是非参考にしてみてください。