プラスティックブリッジは60年代前半しか作られていませんので貴重といえば貴重ですが、何かしらの問題が多いためにGibson社も復活させないのではないかと思います。
なので割れたり変形していて演奏に問題がある場合は今回のような修理にならざるを得ません。もし今現在綺麗な状態もしくは演奏上問題ないのであれば保管状態に気をつけて、すなわち演奏していないときは弦を緩めてあげる事をお勧めします。しつこいようですが・・・( ´ ▽ ` )ノ
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
プラスティックブリッジは60年代前半しか作られていませんので貴重といえば貴重ですが、何かしらの問題が多いためにGibson社も復活させないのではないかと思います。
なので割れたり変形していて演奏に問題がある場合は今回のような修理にならざるを得ません。もし今現在綺麗な状態もしくは演奏上問題ないのであれば保管状態に気をつけて、すなわち演奏していないときは弦を緩めてあげる事をお勧めします。しつこいようですが・・・( ´ ▽ ` )ノ
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ようやくOM-42(CV.)の完成です。仕事の空いた時間に少しずつ進めておりましたので完成までなんと2年近くかかってしまいました。
完成してから思ったのはヘリンボーンにしたことでジョンメイヤーのシグネイチャーモデルのOM JMに似ているな、と。良く言えばですが縦ロゴだったりポジションマークやブリッジのインレイが入っている分少し豪華版な感じでしょうか。
音はアディロンダックのスキャロップドブレイシング、ちゃんとMartin、だと思います。工房に展示しておりますのでお越しの際はぜひ弾いてみていただければと思います。
買取価格と材料費、手間賃を計算しても販売価格ではペイできませんが、とても勉強になったので思い切って買い取って良かった!と思います。コンバージョン、世界に1本だけのOM-42と考えたら何だか達成感もあり、リペア学校を出ていない自分としては卒業作品みたいなギターです。
、、かといってまだまだ未熟な部分も多く、皆川ギター専門学校卒業には全く至りませんので、これからも日々精進して参る所存でございます。
番外編、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
トップ板がほぼほぼ完成しました。美しい、、と思い記念撮影。長くなってしまうので前編はここまでです。空いた時間を使って進めているということもあり、ここまでで半年以上経過しています。修理というより製作に近いですね!「修理は製作の逆の工程になることが多いので製作工程を知ることはとても大切」という師匠の言葉が印象に残っています。
後編では完成までを載せたいと思います。完成品はHPのメニュー→在庫販売から既にご覧いただけますが、、
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
ボディが剥がれますと、大なり小なりずれが生じております。
クランプをして接着しますが、ピタッととはなかなか元には戻りません。
接着されたとしても、そのままでは気持ちが悪いので段差は削って無くします。
削りますと色が変わりますので、修正して出来るだけ見た目が悪くならないようにします。
Ovationのバインディングには塗装が乗っておりませんので、汚れている事がほとんどです。
修正の際にバインディングにも触れますので、きれいになってしまう為バインディングも元の色の雰囲気に合わせます。
私は89年~2002年の前半までOvationの輸入代理店で修理や検品等をやらせてもらっていました。
独立後はOvationの修理はほぼゼロになり、もうOvationはやる事は無いんだろうな、と思っておりました。
その後、代理店が神田商会になりモリダイラになり、それにつれ徐々にOvationの修理が増えていき、今ではMartin Gibson のような頻度で依頼が来るようになってます。
長くやってますといろいろあるもんだとつくづく思います。
昔のOvationは懐かしさもあり修理依頼は嬉しいのですが…
電気周りの修理が…見える線が切れてる程度であれば何ともないですが、中身になるといかんともしがたいのが困ります。
どーやっても、ちょっとずれちゃうときがありますが、絶対ズレたくないと思ってやってますから、順番を考えたり、接着剤を変えたり、ジグを作ったり…
毎回同じような事をやっているようで、違う物に対峙しているようでもあります。
基本的に一人でやって来た仕事ですから、2本腕でやれるようにいつも考えていますが、先日は山口に手を借りて4本腕が無ければ出来ない酷いテイラーに関わってしまいました。
それはいずれこのブログで見て頂きます。
いつもサドルはこの位になる様にイメージしていますが、なかなかジャストな感じにはならないものです。
これより1mm高くなっても我慢できますが、これよも1mmも低くなった場合は、「う~ん…くやし~!」と叫びながらもう一度ネックを取ってやり直さなければなりません。
なかなか計算通りに行かないものですから、どっちに転んでも良い位の所を狙って作業しますが、何故いつも同じに出来ないか、計算通りに出来ないかと多少言い訳しますと…
弦の張力が掛かってない状態 → チューニング完了状態で0.何ミリ弦高が上がるか、ネックの左右の反りの違い等々調べられること分かる事全て用いて計算(図る事が出来ない部分はイメージ)します。
リセット前は何度も仮止めしてサドルの高さやセンター等確認調整を繰り返しますが、接着剤を付けて本セットした際に仮止めの時と若干角度が変わる事があります。
いつもそうであればそうすれば良いのですが、あと一擦りしようか迷って、「前回思いの外サドルが出過ぎ気味だったしな~」等と思っていると「やっぱりあと一擦りすりするべきだった。」となる事もあり、この場合はもう一回ネックを取らなくてはならない事態になる事も…。
指板修正する場合は、第1フレット部分が0.何ミリ削れて…第12フレット部分が0.何ミリ削れて…、等と数字に出来ないのでイメージで(経験で)進めなければなりません。
12フレット部分の修正が多めの場合は、気持ち弦高が高くなる事を予想します。
1フレット部分の修正が多めの場合は、弦高が下がる事もありますが、12フレット部分もある程度削れますから弦高は、変わらずキープなイメージでいきます。
指板修正(リフレット)で簡単に弦高に下がらないもう一つの理由は、新しい第1フレットの高さが弦高を図る際の第12フレットよりフレットのすり合わせの性質上、微妙に高くなるからです。
第1フレットが高くなると言う事は、その分ナットの弦溝の底が上がります。
その分弦高が高くなります。
このギターのローフレット側(第1フレットの位置)が薄いのはネック角度の辻褄を合わせる為に、過去このギターのリフレットの際か、もしくはそれ目的で薄く削られた証です。
いいギターはどの時代のオーナーも何とかして弾き易くして使いたいんですが、良いギターではありますが近年まではスチューデントモデルと言う位置付けの印象が強いギターですから、出来るだけコストは掛けなかったのだと思います。
割れは大概、外側(上側)に盛り上がっているのですが、Ovation の場合はそれが固くて平らな感じには戻りません。
塗装膜がポリウレタンで分厚い為か、なぜかは分からないのですが平らな感じにはなりません。
力木もファンブレイシングで、C型のクランプでは挟むところが限定されることが多く、このように上から押しつぶして接着します。
Ovationの場合、ボディが木ではない為に歪みがトップに出やすいと聞いたことがあります。
詳しく考えたことが無いので、鵜呑みにしています。
多分そうなんだと思います。
多湿度の季節と乾燥の季節があり、膨張と収縮を繰り返し、木は居心地の良い方へ動いてしまいます。
全体が木であれば、トップやサイドバックがお互いの変化にある程度合わせられるが、Ovationではそうはいかない…
そしてこのギターは、リフレットも行いました。
指板の調整は、フレットが乗る溝の部分が真っすぐに揃えば良いので、その他のフレット同士の間(弦を押さえる所)は歪んでいても問題はありません。
なので、多少カッコ悪くてもナットの前が削れていなくても問題ありません。
しかし、ヘッドの出っ張りを触らずにやる場合は、ヘッドに行かない様に1フレット目で削る手を止めますので削れ方が少なくなります。
1フレット目から真っすぐになっているか確認し、ダメなら辻褄が合うように改めて調整し直します。
この状況は何と言えば良いのでしょうか。
以前1度聞いた事が…ショルダー部が潰れてリンゴのようになってしまう…アップル何とか…
こんな感じ→ https://www.m-guitars.com/blog/2118/
ネック(指板)がサウンドホール側へずれてしまって、弦高もかなり高くなってしまっています。
ズレを修正して、割れを接着しますが、1番重要な作業はこの修正箇所周辺の力木の剥がれをしっかり接着する事。
ズレを戻せばネックの角度もある程度は戻りますが、かなりな見た目の状況ですのでネックを抜いて角度を修正する事も予定しています。
ボディのズレを戻しただけで、角度も十分良い状態になってしまいました。
修理代も見積もりより大分安くなりましたー。
割れ修理は勿論大事ですが、それより力木の剥がれを見落としちゃいけません。
ちからぎっ!とは、よく言ったもんです。
指板(ネック)の状態は良くありませんでしたので、修正して新しいフレットに交換。
新しいフレットに交換したら、新しい第1フレットに合わせてナットも作り変えます。(もしくは調整します。)
このような事も勿論ですが、あんな事やこんな事いろんな事が起きなように、弦は必ず緩めましょう!
335のように中心にブロックが入っていたり、厚い板にネックが付いているギターであればそんなに心配しなくても大丈夫かと思いますが、
製作家の先生や、有名なメーカーが緩めない事を推奨してもそれが「アコースティックギター」であればしっかり緩めましょう。
いつの頃からか、クラシックギターをクラギと呼んでフォークギターをアコギと呼ぶ人が出てきましたが、どっちもアコースティックギターでございます。
次の画像に行くまでの間は、ブリッジを剥がして、エポーレットを剥がして、ネックを取って、割れを直して、塗装面を調整して、はがしたエポーレットを直して、と言うようなことをやっております。
今回の修理で最もやりたくない作業は、次の画像の塗装、その後のエポーレット貼り。
なるべく元の感じの、どす黒い感じで、サンバーストの幅が割と大き目なそんな感じを目指してやってみます。
どす黒さを目指すと黒くなってしまいます、薄めにどす黒くなる様に回数重ねてみると杢目がみえずらくなってしまい、何度か塗っては消してやり直し。
塗装が下手、調色が下手、苦手意識に拍車がかかります。
どす黒さが再現出来ず、割と多くある1768-xらしい色でやってみる。
サンバーストで失敗したら、またやり直しになります。
エポーレットの接着は、ピックガードの様に両面テープでは全く持ちません。
アラルダイトを使えばまず心配はありませんが、どれだけ時間をかけてもきれいには拭き取れません。
ならばタイトボンドならどうか、それなら硬化後も拭きとれます。
風呂で考え、布団で考え、寸前に考え、やはりアラルダイトで接着。
タイトボンドでも大丈夫のような気がしますが後々めくれてきたらと考えると…誰か…教えてくれ…