フレット
フレット浮き すり合わせ / Gibson L-OO
これはどういう状況かと言いますと、ネックジグなる道具に括り付けてある状態です。
以前にアップしたブログの中でも説明してる部分があります。
チューニングしてある状態のまますり合わせの作業が出来る、と言う代物。
しかも演奏中のようにギターを横にした荷重状態を再現してます。
このような大げさな装置でやりますとついつい見せたくなってしまいます。
これがどれくらい良いかと申しますと…そんなに万能ではありません。
何でも同じやり方でするのも間違えでは無いとは思いますが…。
私はケースバイケースなんだろうと思います。現状ネックの状態は、ロッドはどうなっているのか、どの様にすり合わせしたいか、色んなことを考えないと(折角良い道具があるのに上手く使いこなせていないだけかもしれませんが、)上手く行きません。
ネックリセット / Martin 00-18
フレット交換&ピックガード矯正 / Martin D-28 (1950)
先日NHKで福山雅治さんが所有する1940年製D-45をマーチン本社に修理依頼するという企画を軸として、マーチンの歴史や本家としての伝統を重んじる気概やこだわりを紹介する番組が放送されていました。修理方法や引退したマーチン職人の「計測は2度、切るのは一度」という言葉など印象的でとても興味深く、勉強になりました。
僕の師匠のさらにその師匠にあたる大先輩が何十年も前に本家マーチン社でその伝統的な修理方法を学び、日本に持ち込んだ、という話を皆川氏から聞いたことがあります。マーチンのスピリットが日本で世代を超えて受け継がれ、そしてちゃんとこの僕自身にも受け継がれていると思いました。自分ももっと経験を積み、学び、そして技術を磨き、それを次の世代に伝えることの大切さなど、勝手にその壮大な使命を感じました。
番組後半に福山雅治さんが「この貴重なギターを僕が所有することで、この音をレコーディングやライブを通して皆さんとも共有していきたい」的なことを言っていたのがとても好感が持てましたね!
ということで最後は少し話が外れてしまいましたが、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
リフレット / Harmony Hollywood
リフレットする際に大概は、指板を修正してから新しいフレット打ちます。
こちらのギターの指板は茶色く着色してあったのですが、オーナー曰く茶色くしなくても良いとの事で、私も賛成。
先ず着色の面倒が減る事もそうですが、メイプル指板のきれいさは着色は無い方が良いと思います。
ただし、ローズやエボニーのように塗装無しの状態ではメイプルは汚くなってしまいます。
ですのでクリアーコートはしなくてはなりません。
このHarmony Guitar アメリカンビザール等と呼ばれているようですが、それはそうと、なんて素敵なギターなのでしょ。
ピックアップはデュアルモンドでしょうか、詳しくないので分かりませんが、何とも素敵なデザインです。
色合いも音も良いですね~。
高級品の良さがわかるひともそれはそれで、目も肥えてなければ高級品であっても目利きはなかなか難しいです。
値段が高いだけで、「これ・・・?」っていうのもあります。
高級じゃ無くったって、こんなナイスギターもあります。
ギターって音だけで選ぶ人の方が少ないと思いますので、「値段が高いのに大した音がしないギターに惹かれちゃう人がいる」のも事実。
唐突ですが、安く買えて良いギターな訳ですから、こちらの勝ちでよろしでしょうか。
価値あり!なんつって。
高くないと価値を見出せない人もいますしね、価値観は十人十色です。
フレット交換 / Gibson Humming Bird メープルサンバースト
フレット交換 / Gibson MK-35
ロゼットを乗っけちゃうところもさることながら、同じ時代にOvationがあるのは偶然なのでしょうか。
音響効率などのデータを元に、新しいブレーシングパターンを考案した辺り等は全くOvationと同じアプローチですね。
カーシャさんと言う先生が考案したとても複雑なブレーシングパターンのギターでブリッジのデザインも全て理にかなっているギターでした。
但し、ヒットする事無く終了。
Ovationも研究が繰り返されブレーシングパターンも何種類も考えられましたが、結局メインに採用したのはクラシックギターの伝統的なファンブレーシングに似たパターンが残り、現在ではそれもやめちゃってフォークギターの伝統的なエックスブレーシングになっちゃってます。
Ovationがオベイションらしさを捨てちゃった。
私が思うのは体と心、感覚で感じるものを数値に置き換えてそれを具現化する事は出来ない(相当難しい)と思っています。
多分…多分ですよ集めたデータは、音が伸びるポイント、音が大きいポイント等なのだと思いますが、それをいい音だとしたのだろう思います。
そこも大事だと思いますが、1番大事なのは何事もバランス。
奇跡的なバランスで出来たものはそれ以上変えようが無いのです。
Martinはものすごく昔に「これや!」と辿り着いたブレーシングパターンのまま基本の形は現在も一切変わりません。
フレット交換 / Gibson J-45
ビフォ-の画像で見て頂きたいのが、フレットのエッヂ部分。
斜めに削り込んで無く、エッヂが立っている感じです。
こういうの、私個人的には非常に好感が持てます。
何かと申しますとエッヂを立てて仕上げる場合、手にチクチク触るので出来れば斜めに落としてしまいたいのです。
工場レベルの仕事であれば尚更手間がかからない様に作業したいはずなのです。
これは全く私個人の主観ですが、高いギターでもフレットのエッヂを見て、そんなことは無いのだろうと思いますが「こういうところ、手間を掛けないのね。」と思ってしまいます。
そんなこと(手抜きで)は無いのはよくわかっています。
そういうのを作っている方からは、「他んところ、手間が掛かってるでしょ!」と言う声が聞こえて来る気がします。
リフレット / Morris WJ-50
私が中学生の頃はビデオ等ありませんから、週に一度「ザ・ベストテン」に出ているアリスを見て、一瞬映るか映らないかのべーヤンの手元を凝視してました。
「おー!フラットピックでスリーフィンガーやってるー。」と言う感じで。
情報が本当に乏しかったし、雑誌だって当時の私にとっては高価だし。
ほとんど弾き方も何もかも想像でギターに携わっていました。
頼りはコード譜の本とラジオとレコード。
それと演奏が一瞬映るテレビ。
「1週間でギターが弾ける本」は見たけど…弾けるようにはならなかった。
エレキなんかは、Vo10にすれば歪むと思ってたし、「なんで、ロックの音になんないの?大きくなるだけなの…?」
今の子達は羨ましいような気もするけど、昔は面白かったな。
先ずは中1の時、「音合わせって?」
「ピッチパイプっていうのでやるのか!」→「笛の音じゃん!分かんねーよ。」
私、音感なぞはありませんから、そのうち音叉と言う物を知り、めでたく音合わせを体得しまして、
自転車で行ける楽器店に出かけて行き、ピック2枚買って、お店のおにいさんにいろいろ教えてもらって。
お店のお兄さんもさぞ、子供相手に面倒くさかったことでしょうな~。
この場を借りまして、昔の大人の皆様ありがとうございました!
リフレット(1弦引っ掛かり)/ Gibson
こちらはフレット交換してオーバーバインディングにします。
隙間に詰め物をして挟まらなくなっても、そこの段差部分の違和感は残りますので交換してしまった方がスッキリしてよいでしょう。
このフレットバインディングと言うのは、見た目から手間が掛かって高級ギターなんだろうな、と言う感じは醸し出していますが・・・
やはり高級感だけの為のものなのでしょうか・・・
私、このあたりの理由や歴史的な背景が勉強できてませんので分からないのですが、なんのメリットがあるのでしょうか、分かる方は教えて頂ければ幸いです。
多分、たぶんですよ、マンドリンばかり作っていた時代、指板がやせた時にフレットが出てチクチクするのでなるべくチクチクならない様に考えたのがフレットバインディングなんじゃないかなー。
そしてそれは高級機種の証、なんて思います。
それがギターに引き継がれて、特に良い事も無いのが分かっていながら誰も「もうやめようよ。」と言う人が現れずに現代まで続いている・・・
だってGibsonの伝統なんだもん。
そういう事なんじゃないかなー。
伝統はいつも、尊重して、重んじて、尊んで、アンタッチャブルなのは、そこの年寄りが許してくれないからなんだよね。
若者を中心に仕事をやらせなければ、絶対に発展なんて無いのはわかっているのに(分かってないのかな…)、居心地が良い年寄りはそこから退かないんだ。
「あんた、そら違うよ!」と言う方は真実を教えて頂ければ幸いでございます。