ネックリセット

ネックリセット / Martin OOO-18


 

 

現在修理進行中のギターで、Martin のDSTGと言うモデルがあるのですが、それのネックを抜く必要がありまして、私はまた新しいタイプのマーチン式ジョイントに出会いました。

そんなに突拍子もない感じでは無く、「あれ?」と言う感じ。

いずれまた、ブログで見て頂く機会があると思います。

 

←こちらは大定番のOOO-18でございます。

ネックの角度直して、指板修正(リフレット)します。

 

 

 


指板修正後の弦高は、ネックリセット直後の弦高より多少高くなりがちですので、サドルが低くなり過ぎない様に、かと言って出過ぎないように、計算しなければなりませんが、数値的に測れないので難しいのです。


指板修正しましたので、フレットも新しくなります。

 


新しい第1フレットに合わせたナットを作ります。

 

 


 


 

このヒール部分の接着は、あまり重要ではありません。

ヒール下にある、蟻組(ダブテールジョイント)の精度が大事です。

きつ過ぎては奥までしっかり収まりませんし、緩くて接着だけに頼ったジョイントでは、いずれヒールが浮いてしまいます。

奥までしっかり収まって、テンションが掛かってもヒールが浮かない様に調整します。

 

 

 

ネックリセット / Framus 5/024


 

画像的には、「貼っているのね。」…その通りでございます。

この前段の画像があればよかったのですが、いつものように撮り忘れてましたので、ここからになりました。

(このネックを外す為にジョイントの隙間を探って指板から穴を空けていたが…)

指板を剥がそうとして、途中でやめて、貼り直しています。

何故かと申せば、以前にやったJ-200 の時と同じようにドリルをいくら打ってもダブテールジョイントの隙間が見つからず、らちが明かないのでジョイントを確認する為に指板を(バインディングが無いので全部)剥がしにかかって途中まで剥がした段階で見えた為、疑問が晴れて貼り直しているところです。

ジョイントの隙間がわずかで分かり辛い場合と、位置が想像と違う場合やそもそもそもジョイント方式が違う場合、更にJ-200のような場合があります。

「なんか違う…」と思った時は大体なんか違います、闇雲にやり続けていても埒があきませんので、その際は確認しなければなりません。

 

 


通常のフレットの位置に空いている穴は外れ。

その上の穴が当たり。


この当たりの位置にダブテールジョイントの隙間があります。


以前の蒸気では無く、半田ごてで温めますので、多少ずれていても温まる事は温まります。


ですが、こんだけ外れちゃってると時間が掛かり過ぎて、こてが触れている部分が大分焦げてしまいます。

 

 


リセットが済みましたら、リフレットします。この穴をどんなふうに塞いだか確認したかったのですが、画像が残ってませんでした。


ここまで来た際には、大した事では無くなっていたのかもしれないです。

それか、カッコ悪くて写せなかったか、それかな。


0フレットと言うのは、考えるより面倒なのであまり好きでは無いですが、作りての意思なので尊重しなければなりませんね。

 


 


 


 

4年程前にも同じギターを修理させて頂いたお客様からのご依頼でしたが、探しても滅多に見つからないので見つけたら入手して直すしかない様です。

弾き易いこれを持っているのは、ビートルズファンにとっては羨ましいのではないでしょうか。

 

ネックリセット / Gibson Hummingbird

ネックリセットでございます。

出来る限り撮影の順番で更新しております。

70年代Gibsonも最近では、ビンテージと呼ばれるようになり、復活させてまた使いたい人が増えました。

元々音も作りも良いですから、末永く使っていけます。

70年代Gibsonが人気が無かったのは、それまでのGibsonらしい音や見た目でなくなったから、だったのだと思います。

(シムが左右でローズとメイプルなのはたまたま)

 

 

個人的な私の世代での感覚だと思いますが、70年代はどこのメーカーも独自のスタイルがあって面白いメーカーやギターが沢山生まれた時代と言うイメージ。

ギブソンのアコギでは、このハミングバードもそうですが、力木がダブルエックスになったり、カーシャ博士が考えたブレーシングを採用したMKシリーズなんかもあったり、国産メーカーも特にエレキなんかは、今思えば面白くて(カッコよくて)良い物が沢山ありました。

Ovation(1966~)なんかも70年代に発展したメーカー、Ovationのような全く新しいギターはこの先、出て来ないだろうと思います。

メーカーは今、昔の物を追いかけている様に見えるし、Ovationの人気が復活するならば昔の物として若い人気者から火が付くのかなと思っています。

 
 
 

ネックの修理以外もあれこれやったのですが、ブリッジプレートの画像です。

弦が付いたままの方がわかりやすいのですが、他の作業が進んでいる状況の撮影が多くて弦を外した状態の画像になりがちです。

弦のボールエンドが穴の中に入り込んでしまう状態になります。

こちらが分かり易いかもしれません。

https://www.m-guitars.com/blog/2864/

 

 


 


 


 


 


 


 


 


 

一時代を築いちゃうとその後、廃れているみたいな印象になってしまうのが悲しいです。

モズライトなんかすごく良いのだけれど、おじさん達はある一定の音楽以外出来る気がしないので、是非これなんかも若い世代が他の音楽で見直してくれれば良いのになー、などと思ったりします。

ネックリセット/ Gibson Dove


なるべくやった順番でアップしていくようにしておりますが、同じような修理やモデルが続く事がなぜか良くあります。

日付が近いのでこの前のDaveと画像がどっちがどっちか分からなくなります。


ネック角度を調整しましたら、接着剤なしでテンションを掛けてもジョイントに隙間ができない様シムを調整して入れます。

メイプルとエボニーで分けている訳は特にありません、たまたま。

シムはなんでもよいと思いますが、一時期のマーチンやラりヴィーみたいに紙でシムを作っちゃ絶対ダメです。

特にマーチンは生産本数が多いのでホントに良く見ますが、ヒールにわずかに隙間ができている場合は紙シムが入っている事がよくあります。

ネックジョイントを蒸気で温める場合は、何が何でもジョイントの空間を探さなければならず、空間がどこにあるのか分からないギターはその空間を見つけるまで何度もドリルで探します。

空間がほぼ無い場合もありますので、その場合の判断はホントにムツカシイ。

現在は昔のように蒸気で外すことは無く、熱棒を差し込んで温めますから最悪、ジョイントのポケットが見つからなくても温める事が出来ますが、出来るだけその空間の中で温めるようにします。

 

 

 


1弦側と6弦側のバランスが逆になる場合は、6弦側が低くならない様に意識するのでサドルが高目になる場合があります。

これ以上高くなりますと見た目が好くありませんので、上げる場合も下げる場合もどちらに転んでも良いようにネック角度を決めて行きます。


ジョイントから下がらない様に指板に厚みを付けます。

 


指板を修正してフレットを交換。


ナットも作り直します。

 

 


ブリッジプレートも補修。

ボールエンドの向きはどっちでも良いのですが、私の場合は基本横向きで弦の根元の太くて出張っている方が下側にならない様に弦の向きを決めます。

 


ヒールを一所懸命接着しても意味無いのです。


くどいようですが、ジョイントがちゃんとして無いとダメなんです。 

 ナイスギター!

 

 

 

 

ネックリセット / Martin Custom


 


 


 

 

ネックの反りを修正したり、角度もネックを取り外すことなく、ネック修理専用のアイロンを使って修正する事もあります。

ネックを外しませんので、預かり期間と修理費を抑える事が出来ますが、当方ではお勧めはしておりません。

お勧めしない理由としては、確実な修理とは言えず、修理としては簡易的でまた元に戻ってしまうデメリットがあるからです。

メリットは「早い、安い」。

私の場合経験上、メーカーによっては良い結果が全くイメージ出来ないブランドもあるのですが、なんでもアイロンで直してしまう人もいますから、これは私の技術力不足の為かもしれません。

 

その他にもジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する方法もありますが、ネックリセットする事と比較すると少しは安く上がるのかもしれませんが、見た目も悪くなりますし、現在ではあまりメリットが感じられない方法のような気がします。

大昔はネックリセットする事より、ジョイント部にクサビを打ち込んで角度を修正する修理屋さんも多くあったように思います。

その場合は、指板を14フレットまで剥がしてジョイント部にクサビを打ち、ヒールに隙間が出来ますのでそこも修正しなければなりません。

現在では道具の進化もあり、ネックを外す事は、どの修理屋でも可能になりました。

 

 


 


 


 

 

 

ネックリセット他 / B.C Rich B-300J

 

今年最後のブログは、ちょっと珍しいギター。

B.Cリッチのアコギで、昔B.Cリッチの社長が手作りした数本中の一本らしいです。

バインディングが大きく剥がれちゃって、ネックの角度が狂って、力木が沢山剥がれてる。

ブリッジの溝が浅い為、サドルが立つように修正、ブリッジプレートは穴が削れて広がっているので修正。

 

ネックの角度を直さなければならないのですが、アコギだからと言って必ずダブテールジョイントとは限らず、どの様なジョイントがなされているか確認しなければなりません。

このギターのネックジョイントはクラシックギターと同じ工法ですので、マーチンやギブソンのネックと同じように取ろうとしても絶対に取れないのです。

 

 

 


 


 


 


 


 


 

金メッキのパーツは、コンパウンド等で磨いてしまうと、メッキが剥げてしまいます。

スチールウールで磨くときれいになります。

当方では、番手の細かいやつで磨いています。

 


 


 

クラシックギターのネック角度を直す時と同じように、指板はハイポジション側に向かって厚くなる様に厚みを付けて角度に辻褄を合わせます。

指板面を調整して、フレット、ナットも交換します。

 


 


 


 

大分長い事、お預かりしましたが無事お返し出来ました。

見た目の期待通りの音がします。

 

本年もこのブログをいつも見て頂いている方、ご常連、今年出会えた方々、大変お世話になりました。

来年もご愛顧のほど頂けましたら、幸いに存じます。

まだまだ大変な状況が続きますが、皆様にとって良い年になります様、願っております。

 

過去のブログでこれに触れた記憶があるのですが、それにについて、アメブロに裏話的な事を書きましたので、よろしければご覧ください。

 

では!

もうすぐ来年だねー。

ネックリセット / YAMAHA N-1000


 

ネックの角度が狂って弾き難くなった、70年代のヤマハ N-1000です。

画像が途中からになってしまいましたが、ネックが外され、角度が調整され、指板の厚みが調整済みで、ボディサイド、ネックヒール部の塗装修正途中です。

Guild等同等にネックを外す事は、大変な事は想定済みでしたので塗装修正は予定内です。

ネックの角度を修正すると、ジョイント部から指板が下がってしまうので、厚みを付けて調整します。

ヤマハのネックヒールは、クラシックギターの様に次いであるので、熱をかけているとその継いだ部分から外れてしまう事がよくあります。

外れず残ってしまったヒール(これを取るのが大変)をボディから外し、ヒールに戻して、塗装修正してと、その辺りはGuild等より大変な作業になります。

案の定こちらのヒールも途中から取れてしまいましたので、それを直したりと、ここまでの作業がとても大変でした。

 

 

サドルのバランスは、ブリッジの左右の厚みの具合やネックのねじれ等で、どの位のネックの角度にしなければならないか按排が難しいです。

指板エンドは下駄を履かせた分厚くなっています。


ウレタン塗装は馴染まないので、修正は難しいです。


今回は修正の境目が出ず、上手く行きました。

ハカランダの杢目もきれいです。


弾き易くなって、ナイスギターになりました。

 

 

ネックリセット、リフレット / Gibson L-OO


 

古いギターは古いギターらしく、ギブソンはGibsonらしく、マーチンはMartinらしく、そんな風にらしく仕上げられればカッコよいなと思いつつ仕事をします。

そう思いながら修理完了するギターは、皆川ギター工房がやった修理となるのだと思いますが…。

先生はこう言ってた。本に書いてあった。ここは何ミリで。習ったやり方はこうで。など等、習ったり、勉強する事は勿論大事で、それだけでも修理は出来ると思いますが、私が思うカッコ好さで仕上げたいのです。

このカッコよさは、しみ込んだ感覚なので説明は出来ないのですが…。

何度となく修理を繰り返してるオールドギター等は、なんかカッチョ悪い物もしばしば見ます。

 


指板の厚みを足す場合、バインディングが無ければ馴染みやすいです。


フレットのエッヂは斜めにし過ぎず丁寧に処理します。


サドルの高さが、ナイスです。


エボニー(黒檀)ナット。


 


 

 

元に戻す事が第一で第二がそれの欠点を改善出来ればもっと良い、それが修理屋の仕事なのではと思っています。

それをその人のセンスでカッコ好くしようとして、第三にしちゃってるのを見るとゲンナリしてしまいます。

オールドカーやバイクなら第三のセンスも非常に大事な気がしますが、ギターの修理屋はオリジナルに沢山触れて知っている事と観察力を駆使する事が最も大事で、芸術的センスは特に必要無いのでは…と思っています。

経験と観察力が足りないと意に反して、第三の状態になってしまう事も。

 

などと、書いてみると、大層な事の様で、正解でもなんでもありません。

悪しからず。

それを持つ人が第3でも4でもよしとするならば、それが良いのです。

Martin OOO-21 / ブリッジ交換、ネックリセット

ブリッジがちょっと薄いのでネックリセットにつき、ブリッジの厚みを戻します。

年代的にはロングサドルですが、ショートサドルで作り直し。

ハカランダの在庫は、まだ少しあります。


ブリッジが出来ましたので、ネックリセットします。


後ろが剥がしたブリッジ。

交換せずとも個人的には十分と思いますが、色々拘りがあります。


通常のネックリセットより多少高いサドルです。

 


 


 


 

リフレットして、ピックアップを付けます。

完全にご自身が使いやすい、好みの状態を想像しての修理依頼、という感じです。

個人的好みではサドルは高く出ていない方がカッコよく思っていますので、通常はもうちょっと低くなる様に角度を直すのですが、サドル高目がよろしければ言って頂いて全然かまいません。

但し、たまに見る現行品ですごくサドルが出てる、イヤミの出っ歯(アニメおそ松くん)みたいなのは勘弁してください。

そのリクエストは、他の修理屋さんでお願いいたします。

修理画像を過去にどこかで見た記憶がありますので、やって頂ける所があるはずです。

 


 


 


 

今回はサドルが高目になるように狙って調整しましたが、最終的に弦を張って調整してどちらに転んでも良いようにネック角度を直しますので、結果いつもより高目なサドルになる場合もあります。

 

 

ネックリセット / Gibson ES-175

175のネックリセットです。

アコギほど数はやっておりませんが経験上これもダブテールジョイントだと、思い込んで初めてしまいました。

作業中違和感が無かったと言えば、「違うかも…」と感じてはいましたが基本的には温めて外していくしかありませんので、がんばって外すしか無いのです。

 

 


ネックリセットが出来ましたら、リフレット。

(指板修正、フレット交換、ナット交換、)

ナット交換は新しい第1フレットに合わせて作り直します。


リフレットする目的は、フレットを新しくする為、または指板を修正する為、もしくは両方。

 


エクステンションが付いたネックは、私が慣れない為か、それの無いネックと比較すると格段に面倒であります。

 


アコギのサドルが出過ぎているのがあまり好きでは無いのと同じで、ブリッジのポストに余計な余裕があり過ぎるのもカッコよく見えないのです。


数え切れないネックリセットをやってますが、中子ジョイントのネックのリセットは初めてでございました。


苦労が見て取れますので見られたくは無いのですが、密着させる部分に妥協が無いように、きつくジョイントされるように、弦が指板上バランス良くなるように。


ネックリセットで大事な部分は、抜かりなく完了でございます。