ネックリセット

ネックリセット / Epiphone TEXAN 1968


スタッフの山口です。

今回もナイスギターのネックリセットです。

現状の弦高は6弦で2.5mm強。一見問題なさそうですが、


サドルがこんな感じでした。アジャスタブルサドルで弦高を上げることしかできない状態です。

 


そしてセンターズレもあります。ネックリセットの際にここも直してあげましょう。


1960年代後半の厚型ピックガードは指板とトップ板の間にナイフを入れ辛いので外してから作業に取り掛かります。

ピックガードはビスだけで固定されていましたので今回は苦行のベタベタ除去がなくラッキー。


厚型ピックガードが付いたままだとこの写真のように1弦側からナイフが入れられません。


いきなり外れたみたいですがもちろんダブテイルジョイントを温めて外しました。

指板もヒールも綺麗に取れたのではないでしょうか。


写真じゃ分かりづらいですがこの頃のGibson同様、合板が使われていますね!


また少し飛んで、、ネックを適正な角度で仕込み直してあげたらフレット精度を出すためのすり合わせ。


結構ぺったんこですが依頼主はこれでOK。好みは人それぞれです。


ローズウッド指板は15フレットに開けた穴の跡がエボニーより目立っちゃいます。


リセット後の弦高は6弦で2.2mmほどに。


アジャスタブルサドルもこれだけ堂々と仁王立ちしてるとカッコいいですね!

このブログを作成中に「あれ?」となりました。フォルダによく似たギターの写真が混じっていました。こちらはGibson J-45の1968年製でした。

 

こちらが今回に1968年製Epiphene TEXAN。

一見するとインレイ(ポジションマーク)の違いだけに見えますが、スケール(弦長)が違います。僕は結構ロングスケールのTEXANの方が好きだったりします。

この二つ、同い年だけあって色味もそっくりですね。どちらもファンにはたまらないナイスギターだと思います。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

ネックリセット / Martin OO-15


今回のネックリセットは


ボルトオンジョイントの


Martinです。

 

過去にも何回かMartinのボルトオンタイプを紹介しておりますが、ボルトオンなのに接着してると言う点を確認して、やっぱりなと思う回です。

ダブテールジョイントなら15フレットから空間に穴を空ける事が可能なのですが、これの場合はこのアジャストロッドのすぐ脇をピンポイントで空けなければなりません。

穴を空けずに何とか外す事が出来ていますが、動く気配が無ければ穴を空けてダブテールジョイントと同じようにはずしかないと思います。

いずれにしても、ボルトオンジョイントなのにとてもめんどうなネック外しです。

 

 


サドルは思いの外ちょっと高くなりました。


ヒールは左右


見た目も良し。


フレットはすり合わせで調整。

 


 

ダブテールジョイントは角度の調整が終わった後、シムを作って隙間を無くしてネックを固定します。

ボルトオンジョイントはシムの必要が無く接着せずにボルトで固定します。

作業上この点以外に差が無い訳なのですが、角度の調整をするまでが大変なのでほとんど手間は一緒、いや、外しずらいので返って手間と言っておきます。

はじめてやった時は、動揺したことを覚えています。

「なんで取れないの?」「他にまだどっかにネジ打ってあるの?」「???」

その時大先輩の方に電話しました。Martinやアコギの事ならその方に聞く。

「そんなことないけどね、ボルトンなら取れるはずだよ。」

分からないままなんだかんだいじっていると少しずつ動いているので、温めたりしながらじりじりと動かして何とか外れて見て、「接着してたのー!!!」

びっくりしました。

                       

なので最初は、たまたま接着しちゃったものに当たったんだと思っていました。

ですが、どれも必ず接着してありますので 、申し訳ないのですがマーチンのボルトオンはダブテールジョイントと同じ料金になっております。

ご了承くださいませ。                                                  

ネックリセット /Gibson L-00


スタッフの山口です。

今日も古い古いナイスギターをバラします。ネックリセットは皆川工房のお家芸と言っても過言ではありません。


ナイスなヘッドストック。

輪ゴムはオリジナルブッシュがカンタンに外れてしまうので行方不明にならないように。


15フレットを抜いてダブテイルジョイントスポットに通ずる穴をドリルであけます。その後指板を温めてナイフを入れ、トップから離します。


専用ジグを装着しヒートスティックで時間をかけて温めていきます。


サクッとネックが抜けたように見えるかもしれませんが、細心の注意を払いながら、慎重に時間をかけて外します。

Martinはネックを外すことを前提に仕込んでるのか単に木工精度が甘いのかわかりませんが、Gibsonの方がボディとネックの接着は強い傾向があります。


このロッドエンドもこの頃の特徴。

あまり本やネットにも載っていない情報かもしれません。Gibsonの歴史は仕様変更の連続なのである意味そこにも魅力があると言えます。


工程をすっ飛ばしてネックリセット完了です。途中を撮り忘れるのも当工房のお家芸。ご容赦ください。


エボニーナット、このギターに似合いますね。

リフレットの際も象牙や当時の良質なエボニー材などは交換せずに底上げして残すことが多いです。それ以外は基本新しく牛骨で作ります。

 


指板RがきついのでGibsonのロングサドルの出方は独特です。これぞオールドギブソン!みたいな感じもします。

個人的にはやはりアッパーベリーブリッジが好きです。


 

一目で分かるヴィンテージギターの風格です。このくらいの小ぶりなギターを自宅用にずっと探しておりますが、何せ良いギターにたくさん出会える恵まれた環境におりますゆえ、目移りして迷っているうちにどんどん相場が上がって手が出なくなってしまいました( T_T)\(^-^ )

そんなナイスギターを数多くネックリセットしてきた当工房ですが、皆川氏も僕もカウントしておりませんので一体今まで何本やって来たのかわかりません。しかしながら全国的にネット検索しても、うちほどネックリセットの記事をあげている工房は見当たりません。

「ネックリセット本数日本一!」の看板を自ら掲げなくとも、お客様がブログを見て「ここは日本一やってそうだな」と思って安心して預けていただければ幸いだと思っております。

「数をこなすよりも大事なことがあるぞ」、とどこかから聞こえてきそうなので今日はこの辺で失礼します。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 

ブリッジプレート交換(トップ矯正)&ネックリセット / Gibson L-1


スタッフの山口です。

今回はGibsonのL-1。フラットトップが出始めた頃のものですが、トップが弱くアーチトップみたいになってます。


この頃のLシリーズはトップ板が薄いのに、大きな音を求めるプレーヤーは弦のゲージを太くしていったためそれに対応できずに姿を消していったモデルの一つです。


トップが薄いのでまともにブリッジプレートを裏側から取ろうとしても、ナイフがトップ面を突き破ってくるリスクがあるため、今回はブリッジ接着面もグズグズだったこともあり、表から削りナイフを入れることにしました。


こういうことですね!こっちの方が安全と判断しました。


スプルースのブリッジプレート。今はスプルースをブリッジプレートに使うメーカーはないと思います。


メープルに交換します。サイズもトップの補強のため多く作りました。サウンドもこちらの方が締まりが出る印象です。


トップが薄すぎるので、ブリッジプレートの接着とトップの矯正を同時に行います。


白熱球で内部の温度を上げていきます。初めの1日はたまに切って温度を下げ、またつけて、を繰り返します。その後は1週間くらい放置。


1週間以上経ったのでトップを埋木。


いい感じにトップがフラットに。写真じゃわかりづらいですが。


埋木は木工好きの人は好きなはず。


気持ちいいのです。


ブリッジを戻して、


ネック外して角度を適正にして、


テーパーをつける板を作って、


指板に厚みを足して、


ネックをつけます。ここらへんはいつも書いてるのでサクっと。

センターがズレていないかは途中途中でも確認します。

ネックが着いたら今回は指板修正も行います。フレットが浮いているところがあまりにも多い場合は一箇所ずつ直すよりもこちらの方が得策と考えています。


元々のフレットは汚れや塵を取り除いて打ち直し、その後すり合わせを行います。


このタイプのブリッジ強度を考えると背の高いサドルはお勧めできません。


弦高はバッチリいい感じになりました。


中々お目にかかれないGibsonロゴです。


アコースティックギターと聞いてこれを思い浮かべる人は少ないと思われるルックスですが、何となく大人っぽいルックスに惚れ惚れしてしまいます♪100歳の風格という感じでしょうか。

今回も最後までご覧いただきありがとうございまいた。

 

 

ネックリセット&リフレット / Framus 12弦


本年も宜しくお願い致します。

スタッフの山口です。新年一発目は12弦ギターのネックリセット&フレット交換というヘビーな修理です。


弦高は高いですが、


サドルはもう下がりません。

ネックリセット屋の出番です♪


あと今回はボトム割れのトリプルコンボです。


珍しいメーカーの場合はダブテイルジョイントかどうかをネットで調べたりします。そうするとネックリセットしている人がブログを書いていたりします。

それが皆川氏が過去に書いたブログだったりします。笑


今回も過去の皆川ギター工房のブログ通りに進めます。


ダブテイルジョイントを温めてネックを抜きますが今回はヒール脇のサイド板が割れてしまいました。


やたら弱いな、と思ったのとボトム割れが気になったので中を調べたらネックブロックとバックが接着されておらず隙間が空いていることに気づきました。


エンドブロックも案の定、浮いていました。

これでは十分な強度が得られない気がします。


サイド割れを直してネック角度を修正します。


写真じゃ分かりづらいですが、ネックブロックがスプルースです。これもあまり強度が足りなくなりそうです。


ネックがついたらリフレットに移ります。

先週も登場しましたが、便利だけど使いこなすのが難しいやつです。


この状態をメーターに記憶させます。


弦を張った状態のネックの指板を修正します。


フレット打ち。


フレット交換は技量が試される修理だと思います。


個人的にはこのフレットサイドの処理が一番気合いが入ります。

ここがガタガタだと師匠のOKはもらえません。


フレットが新しくなると気持ちいいです。


今回は0フレットがあるので12弦ギター修理の難関、ナット交換はしなくてOK。


指板もフレットもネック角度も改善し、良い面構えです。


0フレットは1フレットより高さも幅もあるものにします。


サドルに余裕も出て、弦高も下がりました。


フレット交換はやるたびに腕が上がる感覚があるので、毎回気合いを入れてそれを実感できるように頑張っています。


好きな方には生唾ものの良いギターですが、、どうしても細かい部分を見ると惜しい、という作りでした。でもこの「惜しい」が個性のあるグッドサウンドを生み出してたりするので、ギターのそういうところが面白いよなぁ、 と思います。

今年も皆川ギター工房をどうぞ宜しくお願い致します。

 

ネックリセット / Martin 00-18


スタッフの山口です。

急激に寒くなってまさに冬。乾燥はアコースティックギターの天敵ですので加湿をお勧めします。


今回もヴィンテージギターのネックリセットです。いつも通り15フレット下のダブテイルジョイントポケットを温めます。


マーチンは本当に素直にネックが外れてくれます。ヴァイオリンのように長く使って欲しいからと、修理を前提として設計されている点だけでも好感がもてるメーカーです。


恒例の記念撮影。


ダブテイルジョイント周辺は古い接着剤や塵を綺麗に除去します。


それをしなければ良い接着ができません。

精度の高いジョイントは音にも影響が出る、はず。


ヒールを調整し角度を正常にしてあげたら、お辞儀する指板の厚みを足してあげます。


これがないとネック角を見た時に14フレット辺りから下に下がってカッコ悪いし、ハイフレットを弾く際に弦高が高くなってしまいます。


ネックとボディを組んで接着したら15フレットを戻していきます。


エボニーは埋木しても馴染むため、ほとんどの人がそれに気づきません。


今回は指板がガタガタなので最低限の指板調整をします。フレットは戻す時のために1弦側にマッキーでチョンチョンと印をつけておきます。1弦側と6弦側がリャンコにならないように。


チップしないようにフレットが抜けたら指板修正開始。


フレット浮き防止のためにフレットに何十年も溜まった手垢や皮脂の汚れを1本ずつ落としていきます。


フレットを打ち直してすり合わせ。良い具合にピカピカに仕上げます。


ネックリセット時はサドルの新調は必須です。


良い具合のでしろになりました。


弦高もバッチリ。


センターもしっかりと調整できました。


多くのギターを手にして思うのは00サイズが日本人の平均的な体格にとって至高のサイズ感なのではないか、ということ。


このヘッドストック、これもまた至高のフォルムではないでしょうか。


当時はヘッドの形は選びたい放題でデザインできたのではないでしょうか。何事もシンプルイズベスト!です。


最後は修理前の画像。いつも思うのは、このギター何十年もどこに眠っていたんだろう、です。アメリカの田舎町の蔵的なところにあったのかもしれないし、ショップのバックヤードにあったかもしれない。どちらにしても弦高がまともに弾けるレベルではないのでどこかに長年眠っていたのでしょう。家の収納の奥からこれが出てきたら、、と妄想してしまうほどのナイスギターでした🎵

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

ネック逆リセット / Gibson Dove


スタッフの山口です。

いつもはネックリセットですが今回は逆リセットをします。ネックリセットをして角度をつけすぎてしまったようです。


この画像を見ればナイスギター間違い無しとわかる方も多いはず。チューンオーマチックサドル。


ヒールにヒビが入ってますのでネックを取るのに苦労するかもしれません。


いつも通り15フレットを抜いて、


ダブテイルジョイント内部を温めていきます。


折れたヒールは持ち堪えてくれそうです。


ネックが無事に外れましたがトップ板が少々剥がれたのとヒール折れを接着してあげたらおやすみなさい、と声をかけます。


ヒールと同じマホガニーの板材で傾斜つけます。


左から右にかけて厚みが増しています。


ダブテイルに合わせてカット。


この画像で「なるほど!」となるのではないでしょうか。


つけ過ぎたネックの仕込み角度をいつもとは逆に戻すのが通称、逆リセットなのです。


折れたヒールを塗装修正するために剥いじゃいました。


マーチンはヒールキャップがついてますがギブソンはないことの方が多いです。ついてないとサンドペーパーを抜くときにヒールがささくれたり欠けることがあります。


センターも結構ズレてたので調整。仕込み角度のつけ過ぎ、センターずれ。当工房ではNGです。

 


角度が決まり、さらに塗装修正も完了。


自分的には上出来です。


ネックリセットの難しいところは仕込んだ後の工程後まで計算して仕込み角度を見極めるところです。


15フレットの穴埋め完了。フレットが太いので助かります。


出過ぎていたサドルもちょうどいい高さになりました。


後ろ。


1弦側。


6弦側。


正面。ほぼ完璧。

ネックリセットはネック折れに並ぶ皆川ギター工房のお家芸と言っても過言ではありません。しかし、師匠も僕も自分たちのアコギはネックリセットを必要としません。それは「弦を緩めている」からです。当工房に持ち込まれるアコギの修理が必要となる原因は弦の張力によるものが6割以上です。なので当工房では弦を緩めましょうと必ずお客様にお伝えしています。弦を緩めましょう活動。発起人は皆川氏です。数年前に僕は密かに心配していました。「みんなが弦を緩めて良い状態を保っちゃったら仕事が少なくなっていくのでは?」と。

しかしありがたいことに修理の依頼は増え続けています。まだまだ「アコギは弾かないときは弦を緩めましょう活動」を続ける必要がありそうです。

話が外れましたが、もちろんGibson Dove、ナイスギターです!チンペーさんを想って今回はダヴにしました。ご冥福をお祈りします。

今回も最後までありがとうございました。

 

 

ネックリセット / YAMAHA FG-200D


ヤマハのネックリセット。

ヤマハもマーチンもギブソンも似ているようで違いますから、注意点も少し違ってきます。


ヤマハはヒールが接いである為、熱してネックを抜く際にヒールの途中から外れてしまう事がり、そうなるとちょっと面倒です。


ペグもついでに後できれいにしましょう。

コンパウンド等は使っちゃだめですよ!

 

 


サドルも丁度いい感じです。

今回はリフレットが無いので、狙い易かったです。

リフレットする場合は、指板修正をして、新しいフレットになった場合、若干弦高は上がりますので、それがどの程度か予想を立ててネックの角度を決めなくてはなりません。


角度が付くと、ハイポジションの指板が下がりますので、板を足して厚みを付けます。

上の画像で確認できます。

 


コンパウンドなどを使いますと、隙間に入り込んで取れなくなるとかえってきれいに見えません。

金メッキの物は剥げてしまいます。

ですので、スチールウールで磨きましょう。

https://www.m-guitars.com/blog/2695/

 


今回はヒールが離れなくて良かったです。


面倒な事が起きずスムースに事が運んだ場合は、修理者本人は安堵するとともに結構満足しています。


ヤマハ等、経験上、分かっているネックジョイントは良いのですが、他のメーカーは可能な限り調べてからかかるか、分からなければ指板を剥がすしかありません。

 

以前にネックを外さなければならなかったMorrisにはやられた経験があります。

モーリスなので、インターネット上にも割と多く情報があり、それなりに出来る限り調べて、過去の皆川ギター工房の資料にも照らし合わせて「これはダブテールジョイントに違いない。」と結論が出、ネックを外し始めたのですが、外れないのです。

一向に外れる気配が来ないのです。

私は、これはダブテールジョイントだと分かってますから、ずっとそうやって外しているのですが…

外れる訳ないのです、だって違うんだもん。

それからは、すごく調べても間違い(嘘)の場合も多々ありますので、分からないジョイントは指板を剥がす!

これに尽きると思っております。

ネックリセット / Gibson L-1

Gibson  L-1をネックリセットします。

ネックの角度を修正して、指板の厚みを修正して、ジョイント部に挟むシムを作って…

バインディングも同じ厚さにテーパーつけて貼ります。

ジョイント用のシムはどれも同じって訳には行かず、必ずそのジョイントに合わせて作らなければなりません。

絶対に動いてはならず、奥までしっかり収まっていなければなりません。

シムによってセンターが変わってしまう事もあるので、どっち側にどのようなシムを作って入れるか、よ~く観察しなければ失敗の元になります。

 


サドルが接着されている場合は、大概簡単には外れてくれません。


ナットと同じように半分に割って外します。


元の溝は精度が悪くなっちゃっていますので、一旦埋めてサドルがしっかり立つようにきれいに掘り直します。

 

12フレットジョイントのネックは、14フレットジョイントと比べると見た目が角度が足りなく見えてしまうので、ついついちょっとだけサドルが高目になってしまいます。

指板は底上げして厚くしてあります。

フレットはまだ変えたばかりのようです。

今回はすり合わせで調整。

 


この塗装の感じはたまんないですな。


古くて荒れている状態なのに、美しくさを感じます。


ピックキズ、ぶつけた傷

本物の凄み。


このヘッドも・・・

ひとしきり弾いたら、酒飲みながら眺めたいね。

 

オールドギター、ビンテージギター、みなさん惹かれる魅力は、それぞれだと思いますし、どのように関わっていくかも自由だと思います。

なのでオーナー次第で良いとは思いますが、汚くしないで欲しい・・・

古めかしい雰囲気はカッコイイですが、思いっきり勘違いされている方を思い出しました。

勘違いと言うか、ズレているというのでしょうか。

その方曰く、「せっかく古くて汚れているのに!」と言う方で私は「なるほど…」と…オーナーの自由ですから。

心の中は、「汚いでしょ。それ。」

 

車やバイクでもラットスタイルと言うのがあって、最近のはボロク見せるように技術も使って手が込んでいますが、昔のラットはただ掃除が出来ない人の言い訳のようでした。

「よくそこに座って、そこつかめるな。」と言う感じ、「ギターもそれ触りたくねー。」と思います。

 

 

 

 

ネックリセット / Gibson Hummingbird

70年代のハミングバードのネックリセットです。

画像では分かり難いのですが、ネックはスリーピースでダブテールは、その張り合わせ部分が剥がれて残ってしまっています。

ダブテールのこちら側は全部取れてボディ側に残ってしまっています。

上手く取り外せれば元に貼り直します。

上手く取れなければ新しく作り直します。

 

分かりずらいですが、上手く取れなかったんだと思います。

「なかったんだ」と言うのは大分前のデータなのでよく覚えてない部分が多々あります。

こちらは分かり易いです。

新しく作り直しています。

ネックの角度を直せば指板が下がるので厚みを付けて指板が曲がって下がらない様に厚みを付けます。

リセットが完了しましたら、リフレットします。

フレットはペタンコ。

 


 


 


 

ネックリセットすれば、弦高が低くなって弾き易くなりますが、リフレットすればその感触は雲泥の差と言っていいでしょう。

フレットが低いと知らず知らずのうちに手に力が入ってしまって弾き疲れてしまう事があります。

フレットがしっかり立っていれば余計な力が必要無く、とても楽に演奏できるのです。

 

 


 


 


 

70年代Gibsonは長らく評価がそれほど高く無かった様に思いますが、オールドギター高騰の今、70年代Gibsonの良さの認識が広がりつつあるのではないでしょうか。

当方で修理して販売した個体などは本当に良い音で、売れなくてもそのままここに置いておいてもよかった。

70年代GibsonはそれまでのGibsonとずい分違うのでGibsonぽく無いとお思いの方もいらっしゃいますが、70年代Gibsonはアコギもエレキも年代別に見ますと1番面白いギブソンかな、と思ったりします。