出来るだけきれいに仕上げる理由は、「折れた跡が見えて、心が痛んでしまわないようにする為」もちろん他にも色々あります。
塗装修正は、しない理由もいろいろあります。
ブラックライトでも当てなければ、楽器屋さんでも欺く事が出来る位自然に仕上がる時もありますが、折れて修理した事実はあります。
その修理も、そのギターの歴史の一部として愛でて頂ければ幸いです。
電気周りの修理や、その他の改造等も一切やっておりませんが、アコースティックギターと同様の作業(ネック折れ、フレット交換等)でしたらエレキも預からせて頂きます。
より専門的な対応をお望みであれば、エレキギターにも詳しい専門店へご依頼下さい。
※現在はエレキ専門の修理者が不定期ですが手伝いに来ていますので、一般的な電気修理でしたらお預かり出来ます。
※不定期の為、お見積りが数週間頂く場合があります。
グローバーのロトマチックタイプへ交換する為には、穴のサイズが大きくなりますが、穴は全部同じサイズに貫通させず、元のブッシュを再度取り付けられるように段にして残します。←(オーナー喜こんでくれて私もうれし。)
オールドエレキの査定は、アコギに比べてオリジナルパーツ重視の傾向が強いので、パーツ交換がされていてもオリジナルパーツを保管してある事やオリジナルへ戻せる状態が望まれ、市場価値の高いものほど配線(ハンダ)等も含めていじられていない事が重要視されているようです。
アコギの場合もオリジナルパーツで使用可能ならばその方が査定も良いと思いますが、修理する事が当たり前のアコースティック楽器は、エレキほど重視されてないように思います。(交換されたパーツがカッコ悪くなければの前提)
今回のようにペグだけでなく、ブリッジ、ナット、サドル、それぞれのパーツの質で音の性質も変わります。
大きく変化が感じられる場合は、交換前後のパーツの質量の差が大きい場合。
重ければ音も重くなり、サスティーンも長く、軽ければ音も軽く、サスティーンも短くなります。
アコースティックギターの場合は、ナット、サドルを交換する事が良くありますが、プラスティック系から牛骨へ交換した場合でも変化は感じられます。
この場合は重い方へ交換していますから、音は重くなり、感覚としては音が良くなったと感じる場合が多いようです。
しかし、この辺は全く好みですので、どちらの良し悪しと言う事ではありません。
重く、サスティーンも長くなると音もゴージャスになったように感じますが、好まない人には暗い音に感じます。
軽ければ音は軽く、サスティーンも短いですが、言い方を変えれば明るい音と言えます。
パーツだけではなく、ギターそのものの重量でも音質が左右されますのでギターを選ぶ際や、パーツ交換の際にはこの事もヒントにしてみてください。
キズ直しは、基本的にはお断りしております。
どうしても直したい場合は、ご事情等聴かせていただいて、預からせていただく事もあります。
但し修理を承っても、リフィニッシュしてまで傷直しはしませんし、修正し辛い場所や色等ありますので、いつもきれいに出来るとは限りません。
キズ直しは正直、難しくてお断りしているところも無い訳ではありませんが、「これくらいは出来るんだぞ、ほんとは。」というアピールで今回はアップしています。
使っていればキズは必ず付きますので、直してもきっとまた同じような事があります。
キズもそのギターの歴史の一部として愛でて頂ければ幸いです。
思い入れも人それぞれだと思いますが、音楽をする為の道具ですから使い倒してやってください。
借り物のギターをぶつけてしまった等、どうしても直さなければならない事情もあると思います。
傷直しも快く預かってくれる修理屋さんも沢山あると思います。
ですが、わざわざ当方でキズ直しをご依頼頂ける事は、本当に感謝致します。
確実にきれいに修正するには、リフィニッシュしか方法はありませんが修理上、必要のないリフィニッシュはやりませんので、今回のように割ときれいに行く場合もありますし、行かない場合もあります。
大昔、私が若い頃クロサワでアルバイトをしていた時、修理屋の今井さんが塗装修正の依頼を、「きれいには直らないですよ。」と断言していた事を思い出します。
当時は、こんな事が出来る人が世の中にいるんだ、と思っていた人(神様)が「直らない。」と言ったのでびっくりして覚えています。
ホームリペアも楽しいので、それも悪いことは何もありませんが、接着が不十分でヒビが入ったり再度折れてしまうと最初の修理より面倒になります。
当方では補強無しで、接着部は折れない修理をします。
いつも同じ事を言ってます。→過去ブログ(記事の下の方)
今、改めて見てみますと、正面は全体を濃くしているのだからヘッドの裏のマークは見え難くなってもヘッド全体を濃く塗ってしまえば良かったかなとも思っています。
ネック折れ修理例は、他にもいろいろとアップしていますので、修理ご依頼の際に参考にして頂ければ幸いです。
久々にナット交換の様子を見て頂こうかと思います。
ナットはただの弦のガイドにあらず、チューニングにも演奏性にも音質にも影響する非常に重要なパーツです。
ナットを外す際は叩いて外すしかないのですが、がっちり着けてあるナットは無理に叩いてしまうとヘッドの突板を壊してしまう事になります。
ガッチリ付いていて、突板が分厚い場合はナットを半分に割ってから叩いて外します。→例
ガッチリ付いていますが、今回はそこまで突板は厚くないので、突板が割れないようにカバーして叩きます。(画像はありません、ご了承ください。)
突板が割れてしまうといけませんので2~3度叩いて外れなければ、叩いて外そうとせず半分にしてから外すことをお勧めします。
ナットが交換されているギターは沢山ありますが、修理者独自の形であったり、なんでもマーチンの形にしてしまう人とか、いろんな修理者がいます。
私個人的にはそれぞれ見慣れている為、そのメーカーらしくない場合は非常に違和感があるので、出来るだけそのメーカーらしい形に近づけます。
新しい弦を張って調整して、アンプからの音をチェックします。
「ん?」「なぜ2弦が弱い?」
私、思い出しました。
代理店時代にこう言う事、経験してました。
もしや。
こちらで預かる以前に雑にいじられたもので、辛うじて通電していたものが触った時点で断線する事が希に(時々)あります。
ハンダし直せるものは良いのですが、フィッシュマン等、再生する事がほぼ出来ないので、いじる人は気を付けて下さい。
こちらでは、本当に慎重に取り扱っておりますので、その点はご安心頂いて良いですが、ピックアップに不具合が見つかる時は、すでに不具合状態であったと、ご理解下さい。
ピックアップ等をいじる人は、無造作にピックアップの脱着をしたり、ボディに手を突っ込んで線に指を引っ掛けたり、コードを引っ張ったりネジネジしたり、絶対にしないで下さいね!
もう4年か~。石やんはやっぱり、大昔から使ってる黒のアダマスを向こうでも弾いているんだろうな~。
それかタイガースだね。おにぎり型のサウンドホールの変なアダマスは弾いてないだろな~。
前回3回に分けて紹介いたします、と言ったHummingbirdですが、4回になります。
今回ともう1回。
クリートと呼ぶ人は少なくもっと分かり易く、割れ止めと呼ぶ場合が多いかもしれません。
このクリート、あっても無くてもと書きましたが、確かにそうなのですが、割れの接着が難しい場合、接着剤がしっかり奥まで入らない可能性がある場合等はクリートも個数を増やして、補強の役目を担いますが、きっとそれも希望、願望、期待…。
しっかり接着をしていれば、わざわざ補強は要らないのですが、しっかり接着がしてあるトップのセンターの継ぎ目から隙間が出来てしまう場合もあり、これも仮にクリートがあったからと言って防げるか否かは神のみぞ知ると言うところです。
ネックや他の事に関しても、まずはそうならないように、日頃の一寸の気遣いが大事です。