今回、補強も兼ねた大きいブリッジプレートに交換したことで再発はしないのではないかと思います。破損していた状態で工房にやってきたので元の音は分かりませんが、とてもいい音を奏でてくれました♫
1930年前後に作られた90歳くらいのギターですが、これでまだまだ現役続行です。
指板を再接着します。ネックの矯正も少しできることを期待してあの手この手でシュミレーション。指板がネックに理想の形で接着できればフレットも指板修正も最小限で済みます。ビンテージギターを後世に永く残す為に師匠もそういった観点にこだわっております。
今回も名器が無事蘇りました♫男臭くてカッコいい、ナイスギターですね!
今回のような指板を剥がす修理+ネックリセットや、ネックリセット+フレット交換など、同時に行う修理の組み合わせによって作業効率が上がる場合に若干コストを抑えられることもあります。組み合わせによって手間が変わらない場合は修理料金も変わらないと思います(^^;
お見積りの際は気になるところはぜひご相談いただければと思います。
今回もありがとうございました。
古くて雰囲気の良い指板はこのまま温存、この見た目にも価値がありますもんね。
指板修正はせずにフレット交換します。
当方はアコギが得意なものですから、割合にするととても少ないのですが、時折こういったリクエストもあります。
中には「指板には絶対に触らないでください。」「そしてフレットのすり合わせは無しで。」等と言う人いますがそれは絶対に無理です。
悪しからず。
フレットのエッヂは削って揃えますので、当然その際に必ずヤスリは指板サイドに当たります。
指板は真っすぐに見えても真っすぐではないし、指板修正したとしても新しく打ったフレットはすり合わせをして精度を出します。
指板が真っすぐに見えても指板修正しなければ、新しく打ったフレットは指板修正した場合より多めにすり合わせる事になります。
特にフェンダーはアールがきついものがあり、チョーキングで音が途切れてしまう事がある為、他のギターより部分的にすり合わせの量が多くなります。
指板に触るなとか、すり合わせ無しは無理なのです。
まさにナイスギターです。ベリーブリッジより耐久性は劣りますがこの細いピラミッドブリッジもナイスです。
初めてのビンテージマーチン1本目にこれを選ぶ人はすごくオシャレな人のような気がします。なんとなくそう思います。
それかギターに関してかなりコアな人がオーナーになりそうな気もしますね!
KOAだけに( ̄+ー ̄)
最後はダジャレで締めてしまいましたが、今回も最後まで閲覧いただきありがとうございました。
このギターは昔トーカイ楽器が作っていたギターのようですがキャッツアイではなくて、それとは別のブランドのようです。
高価だから大切にするんじゃないんです。
ただ大切なんです。
当方のネック折れ修理は、補強の要らない接着をします。
ネック折れ修理は、タイトボンド等は使わずしっかりと強度のある接着剤を使用する事によって補強が無くても全く問題無く通常使用出来ます。
ネック折れ修理の見積もりは2通り、塗装修正をして出来るだけきれいに仕上げるか、塗装修正はせずに仕上げるか。
塗装修正が無ければコストを抑えた修理が出来ます。
補強が無い事で利点があります。
補強は接着力を補う事とその部分の強度を上げる事が目的になると思いますが、当方では通常以上の強度は不必要と考えています。
ギターが倒れたり、ぶつけたり、踏んづけたりした場合にネックは折れるのですが、その際いつものように折れてほしいのです。
補強がある為に複雑な折れ方になったり、そこが折れずにヒール(ネックの元の方)が折れてしまった場合はかえって面倒になる事があります。
ネック折れ修理で音質が変わってしまう事は無いと思いますが、理屈で考えればどの修理でも音の変化はあります。
その音の変化を聞き分ける人ならば、音は変わります。
心配されるのであれば補強をしない修理は、新しい材料を付け足しませんので音の変化は少ないと言えます。
、、、バックのハカランダの木目の迫力はさらに凄いですね。
僕には燃え上がる炎のように見えますが皆さんはどうでしょうか。
アコースティックギターは構造上、弦の張力で歪みが出やすいです。演奏時以外は弦を緩めていればこのギターもまた何十年もネックリセットしなくても大丈夫。
また新しい個体は弦の張力がなくても時間と共に木が動いてしまうことがあります。木は時間が経てば経つほど水分が抜け硬くなり、安定するので、保管方法さえ間違えなければ古い楽器の方が安定していると言えます。この「安定している」というのは、古い木製楽器が高額になる理由の一つだと思います。ただ新しいギターでも長時間しっかりシーズニングがされている材を使っていれば安定しているものもありますね。
木材のことを語り始めると長くなってしまいますので今日はこの辺で。
今回もご覧いただきありがとうございました。
半田ごてでネックジョイントを温めますので、以前のように隙間から蒸気が噴き出すことが無く、数年前から塗装のダメージを心配しなくてすむ様になりました。
ですが多少、ジョイント内部へ蒸気の効果も欲しいので途中で穴に水を差し込みます。
見えているスポイトで満タンに準備して半分~1/3余る位です。
マーチンであれば然程時間が掛からずネックが抜けてくれますが、他のギターでは時間が掛かりますので注意が必要です。
蒸気の様に直接塗装に熱は掛かりませんが、中から熱がかかって来ます。
あせらず、じっくり、もたもたせず、きをつけて、やります。
※指板に空いている穴は、ダブテールジョイントの底部につながります。ボディトップに空いている穴とは関係はありません。
メンテナンスやネックリセット等、時計のオーバーホールの様にやらなければならないと思い込んでいる人もいるようですが、日頃弾いていて気になる事が無ければ、無理にお金をかけなくても良いです。
それを弾く人によって、不満や不具合が無ければそれで良いのです。
みんなそれぞれ、十人十色ですから。
ネックが元通り接着できたらサドルも新しく作ります。サドルが高ければ高いほど弦高が下げられる余地があるのでその方が良い、と思われる方もいると思いますが、出過ぎたサドルは少々残念なネックリセット例の一つと見る人もいます。
程良く、さりげなく、丁度いい高さがやはりカッコよく、そして音もいいのではないかと思います。
バインディングから剥がれずに一緒に剥がれているトリム(内側の細い黒白)であればそのまま付けたまま作業すれば良いのですが、トリムがバインディングから剥がれている場合は、縮み具合が違うので、それぞればらして貼り直さなければなりません。
バックのバインディングは、ヒール下で継いであり、トップ側は指板の下まで入っています。
トップのバインディングが剥がれてしまった場合は、ネックを外さなければ剥がして詰められないので出来る限り頑張って圧着します。
ですが、無理な場合は、ネックを外すか、ボトム部まで剥がして切り離します。
その後は、バック側でやったように隙間の部分に足します。