前回アップした50年代のJ-200ですが、力木の画像がありました。
なかなか見る機会もありませんので、画像を撮っておりました。
現在とはパターンが全く違います。
この時代この大きいボディに合う力木のパターンをいろいろと探していたのだろうと思います。
サウンド、強度、コスト、等々・・・1番よいところを。
なので、私が思うにどんな製品もマイナーチェンジの度につまらなくなってしまうのかなと思ったりもします。
前回アップした50年代のJ-200ですが、力木の画像がありました。
なかなか見る機会もありませんので、画像を撮っておりました。
現在とはパターンが全く違います。
この時代この大きいボディに合う力木のパターンをいろいろと探していたのだろうと思います。
サウンド、強度、コスト、等々・・・1番よいところを。
なので、私が思うにどんな製品もマイナーチェンジの度につまらなくなってしまうのかなと思ったりもします。
早いもので、年が明けて1週間が過ぎてしまいました。
本年もよろしくお願いいたします。
令和3年最初は、修理屋の仕事の定番、リフレットです。
とても良く聞かれる質問の一つがフレットの交換時期について。
修理屋にもよるかと思いますが、当方の答えは、「オーナー次第。」
フレットがvの字に削れてしまっていても不具合を感じなければ無理に交換しなくても良いと思いますし、弾き難さや音質の劣化等フレットが原因であれば、交換時期なのだろうと思います。
指板とフレットはサイドが下がっていると気持ちが悪いので、アールが付いている指板だからと言っても削り過ぎてはいけません。
このギターも過去に色々な調整や修理を繰り返したのだろうと思いますが、削ってしまえば元には戻らないので、極力削らない様にうまい事やらなければなりません。
と、このように自分を戒める為のブログでもあります。
わたしなどは、抜けている所が多いものですから、出来る限りポカしない様にと、今年も同じようなブログが続きます。
本年も引き続きお付き合い頂ければ、幸いに存じます。
今年最後のブログは、ちょっと珍しいギター。
B.Cリッチのアコギで、昔B.Cリッチの社長が手作りした数本中の一本らしいです。
バインディングが大きく剥がれちゃって、ネックの角度が狂って、力木が沢山剥がれてる。
ブリッジの溝が浅い為、サドルが立つように修正、ブリッジプレートは穴が削れて広がっているので修正。
ネックの角度を直さなければならないのですが、アコギだからと言って必ずダブテールジョイントとは限らず、どの様なジョイントがなされているか確認しなければなりません。
このギターのネックジョイントはクラシックギターと同じ工法ですので、マーチンやギブソンのネックと同じように取ろうとしても絶対に取れないのです。
金メッキのパーツは、コンパウンド等で磨いてしまうと、メッキが剥げてしまいます。
スチールウールで磨くときれいになります。
当方では、番手の細かいやつで磨いています。
クラシックギターのネック角度を直す時と同じように、指板はハイポジション側に向かって厚くなる様に厚みを付けて角度に辻褄を合わせます。
指板面を調整して、フレット、ナットも交換します。
大分長い事、お預かりしましたが無事お返し出来ました。
見た目の期待通りの音がします。
本年もこのブログをいつも見て頂いている方、ご常連、今年出会えた方々、大変お世話になりました。
来年もご愛顧のほど頂けましたら、幸いに存じます。
まだまだ大変な状況が続きますが、皆様にとって良い年になります様、願っております。
過去のブログでこれに触れた記憶があるのですが、それにについて、アメブロに裏話的な事を書きましたので、よろしければご覧ください。
では!
もうすぐ来年だねー。
山口君に、もうしばらく続けてブログを書いてもらいます。
手を写しちゃうところなんかは、私に無いセンスですね~。
さー、今週のお題もはりきって、テキスト付けてくんなまし。
、、、と言う事でテキストをつけて行きたいと思います。スタッフの山口です。写真はすでにネックを外し角度を決めた後。0.5mm厚のエボニー(黒檀)を階段状に3枚重ねて接着しサンドペーパーで均してから写真のように指板に貼ってあげます。角度をつけるとハイフレットが下がってしまいますので、厚みを足してあげる必要があるのです。ギターによってはこちらの工程が必要ない場合もあります。
指板の厚みを足し過ぎると逆にハイフレットが跳ねてしまい、指板修正しなくてはならなくなります。逆に低過ぎるとせっかく下駄を履かせたのにお辞儀してしまいます。この指板の厚みを接着前に調整する工程は非常に難しいです。ギターの為にもコスト的にも余計な修理工程は増やさない方が良いのです。
デデン!お待たせしました。Martin 0-18 1931年製の全身画像です。もはやヴィンテージというよりアンティークに近いです。アコギの博物館に飾られるであろうオーラを感じます。1931年といえば満州事変があった年、それから90年が経ち、大日本帝国も中華民国ももうありませんがこちらのギターは当時のままです。もしかしたら200〜300年後はストラディバリウスのような価値になるのでしょうか。
スタッフの山口です。今回のギターはGibson CF-100のブリッジ交換とネックリセットの修理です。まずはネックリセットの前にブリッジ交換。初めからブリッジが無い状態でこの工房に入院しましたので交換と言うか作成です。写真に写っている角材をちゃんと50年代のGibsonらしいブリッジに成型して行きます。
オリジナルに忠実ないい感じのディテールで仕上げる事ができました。本来はブラジリアンローズウッド所謂ハカランダのブリッジですが、今回は先鋒と相談の上、インディアンローズウッドでの作成となりました。当工房にもブラジリアンローズウッドのブリッジ材は辛うじてまだ在庫があります。当然またいつ仕入れられるか分からない状況ですのでブラジリアンローズウッドのブリッジ作成交換を予定している方は是非お早めにご検討下さいませ(^-^)/
この後は弦長を測ってオリジナル通りロングサドルの溝をルーターを使って掘ります。
スタッフの山口です。今回もいつの間にか師匠が写真だけアップしておりました(笑)ので修理当時を思い出しながら文章を付けて行こうと思います♪( ´θ`)ノ
今回はネックリセットとトップのクラック直し。ギターは所謂「アコースティックギターの教科書」的な存在、MartinのD-28です。写真はおおよそ15フレットの下にあるダブテイルジョイントのスポット(隙間)にヒートスティックを挿入し温めているところです。接着剤(にかわ)を温めて徐々に力を加えることでボディーから外れます。
ネックの角度が狂って弾き難くなった、70年代のヤマハ N-1000です。
画像が途中からになってしまいましたが、ネックが外され、角度が調整され、指板の厚みが調整済みで、ボディサイド、ネックヒール部の塗装修正途中です。
Guild等同等にネックを外す事は、大変な事は想定済みでしたので塗装修正は予定内です。
ネックの角度を修正すると、ジョイント部から指板が下がってしまうので、厚みを付けて調整します。
ヤマハのネックヒールは、クラシックギターの様に次いであるので、熱をかけているとその継いだ部分から外れてしまう事が間々あります。
外れず残ってしまったヒール(これを取るのが大変)をボディから外し、ヒールに戻して、塗装修正してと、その辺りはGuild等より大変な作業になります。
案の定こちらのヒールも途中から取れてしまいましたので、それを直したりと、ここまでの作業がとても大変でした。
スタッフの山口です。今回はコチラ!GibsonJ-45(1967年製)のロッド交換です。写真はすでに指板を剥がしたところです。マホガニーネックの真ん中にメイプルの埋木、そのメイプルの下にお目当てのロッドが埋まっています。
約50年ぶりにロッドさんが外界にお出ましです。ガッツリ錆びています。まだ僕が生まれるずっと前にアメリカでこのギターのネックに埋められ、それから50年余り。複数のオーナーの手に渡り、その間に海を越えて、こうしてこの日本で最期の時を迎えることとなりました。きっとこのギターで奏でられたたくさんの音楽をずっとこのネックの中で聴いてきたのだと思うと、そのロマンを感じると共に「お疲れ様でした」と言いたくなります。
これからはこちらのロッドくんにこのギターのネック調整を担ってもらいます。このロッドは師匠が知り合いのバイク屋さんに掛け合って作成(溶接)してもらった特注品。長さを合わせてカットし、ロッド頭はねじ切りダイスで加工します。ロッドエンドは少しだけ大きくなるため、それに合わせて溝も調整します。
ロッドを溝に合わせてしならせた状態で埋木もそれにピッタリに沿うように作ります。埋木は修理前と同じメイプル材、工房で10年以上シーズニングされた材です。この後は埋木をネックに合わせて削り平らにして指板接着。接着後、指板とネックの境目を均してから師匠が塗装を修正、という流れになります。
無事にロッドのアジャストが可能になり修理完了です。ネック角度が狂っている場合は一緒にネックリセットを行いますが幸いこのギターは元起きもなく、ロッド交換だけで良い状態になりました。
実はこちらの修理は2年前のもので、まだ弟子入り2年目。横で指南しながら見守ってくれているとはいえ、本物のヴィンテージギターで大掛かりな修理経験を積ませてくれる師匠、そして修理依頼元である某ショップに感謝です。
アジャスタブルサドル特有のパーカッシブルな音、60年代後半の赤みのあるタバコサンバースト。まさに僕が欲しいGibsonのアコギ。修理前から密かに目を付けていましたが、当時は「これから先さらに良いギターに出会えるかもしれない」と思い購入はせず。。。案の定、ショップ納品後2〜3日後には売れてしまいました。人も楽器も一期一会、「これは!」と思ったら迷わず買っておくべきだと痛感させられた思い出深いギターです。今頃どんな人が弾いているんだろう。
「ヴィンテージギターなら価値が下がる事も少なくむしろ上がっているので、貯金や投資のつもりでとりあえず買っちゃって手元に置いておくのも全然有りですよね」と師匠と度々話します。同時に「宝くじでも当たらないかなー」とも話します。笑
逆に気入っていたギターをちょっとした状況や気分でポンと売ってしまい、すごく後悔しているなんて話もよく聞きます。ギターフリークあるあるですね♪( ̄▽ ̄)
古いギターは古いギターらしく、ギブソンはGibsonらしく、マーチンはMartinらしく、そんな風にらしく仕上げられればカッコよいなと思いつつ仕事をします。
そう思いながら修理完了するギターは、皆川ギター工房がやった修理となるのだと思いますが…。
先生はこう言ってた。本に書いてあった。ここは何ミリで。習ったやり方はこうで。など等、習ったり、勉強する事は勿論大事で、それだけでも修理は出来ると思いますが、私が思うカッコ好さで仕上げたいのです。
このカッコよさは、しみ込んだ感覚なので説明は出来ないのですが…。
何度となく修理を繰り返してるオールドギター等は、なんかカッチョ悪い物もしばしば見ます。
元に戻す事が第一で第二がそれの欠点を改善出来ればもっと良い、それが修理屋の仕事なのではと思っています。
それをその人のセンスでカッコ好くしようとして、第三にしちゃってるのを見るとゲンナリしてしまいます。
オールドカーやバイクなら第三のセンスも非常に大事な気がしますが、ギターの修理屋はオリジナルに沢山触れて知っている事と観察力を駆使する事が最も大事で、芸術的センスは特に必要無いのでは…と思っています。
経験と観察力が足りないと意に反して、第三の状態になってしまう事も。
などと、書いてみると、大層な事の様で、正解でもなんでもありません。
悪しからず。
それを持つ人が第3でも4でもよしとするならば、それが良いのです。
スタッフの山口です。50年代のGibsonJ-45、写真はすでにネックを抜いたところ。ダブテイル部に見えている丸いのはアジャストロッドの終端部です。60年代以降はこのようにダブテイル部分まで終端部が貫通していません。写真のような貫通型の方が製作工程で手間がかかると思われますので、効率化の為に設計を変えたのだろうと勝手に思っています。このロッドの仕様変更は正確にはいつなのでしょうか。もしかしたら師匠なら分かるかもしれません。