スタッフブログ

ネックリセット+リフレット / Ovation 1597CH-MG(Char)


Ovation が続きます。

湿布してる訳ではないです。

大事なサインが擦れないように。


いつものように、ボディ側のアジャストナットはネックが外れているうちに忘れずにグリスアップしておきます。


ワッシャーも追加しておきます。

アジャストロッドが長い事きつく締めてあった場合は、アジャストの効き幅が少なくなっている事もあるので、ワッシャーを足すと少し効き幅が戻ります。

 

 


指板修正する場合は、締め込んであったロッドを戻したり、指板の歪みがどこにあって、どの程度削るか、把握した上でネックリセットします。

 

 


指板面はテラテラしているのはカッコよく見えないので、当方ではあまり細かい番手までサンドペーパーは掛けません。


フレットのエッヂは斜めに落としすぎず仕上げます。


そして両サイドは、指板、フレット共に下がらないように削ります。


ナットは外して見ると、しっかりと収まって無いものも多く見られます。

他のパーツが完璧に調整されていても、ここが不出来では台無しになると言って過言では無いです。

とても難しくて、重要なパーツのひとつです。

 

 

新しい弦を張って調整して、アンプからの音をチェックします。

「ん?」「なぜ2弦が弱い?」

私、思い出しました。

代理店時代にこう言う事、経験してました。

もしや。


あたり!

石(圧電素子、ピエゾ)が入ってません。


オベジャンクP.Uから同じ石がありましたので、拾って付けます。


こんでよしと!(名前みたい。)

ピックアップの取り扱いは細心の注意を払います。

はんだで留めてある所はそれほど強く無いので、折れてしまうと断線してしまいます。

 

こちらで預かる以前に雑にいじられたもので、辛うじて通電していたものが触った時点で断線する事が希に(時々)あります。

ハンダし直せるものは良いのですが、フィッシュマン等、再生する事がほぼ出来ないので、いじる人は気を付けて下さい。

こちらでは、本当に慎重に取り扱っておりますので、その点はご安心頂いて良いですが、ピックアップに不具合が見つかる時は、すでに不具合状態であったと、ご理解下さい。

ピックアップ等をいじる人は、無造作にピックアップの脱着をしたり、ボディに手を突っ込んで線に指を引っ掛けたり、コードを引っ張ったりネジネジしたり、絶対にしないで下さいね!

 

 

どなたのサインでしょうか。

チャー様かな。

コンサートは中々行けませんが、葛飾に来てくれた時は必ず行きます。

BAHOも行ったな~。

 

昔、中尾貿易という代理店で仕事させてもらってた時に1768-Xと1763-4と言うモデルを私が検品調整して、ガムテープに「江戸屋」と書いてケースに貼り付けて、「これ、チャーが弾くのか。」とその時の感動を覚えています。

去年のコンサートでアンコールも終わった時に、客席の後方からその1768-Xを持った人がステージに持って向かって行ったので、スタッフかと思いましたら、ギターにサインをもらってました。

 

 

 

 

もう4年か~。石やんはやっぱり、大昔から使ってる黒のアダマスを向こうでも弾いているんだろうな~。

それかタイガースだね。おにぎり型のサウンドホールの変なアダマスは弾いてないだろな~。

トップリセット / Ovation 1681-5 (Adamas Ⅱ)


トップに剥がれがあるアダマスⅡのトップをリセットします。

ネックの角度も何もかもおかしいので、丁度都合が良いです。


力木もいっぱい剥がれています。

力木もそうですが、トップの接着が弱っていては、仮に演奏可能でも本来の音では無いはず。


トップ(が乗る)を貼り付ける、のりしろ(ライニング)に接着剤が残っています。

それが割と厚めで、多少柔らかいので音響的にはあまり良く無いと想像します。


どの修理でも貼り直す際は、古い接着剤は取り除きます。

 

トップが剥がれている場合、貼り直すか否かは状態の程度によりますので、このように貼り直さなければならない場合と部分的に接着する場合もあります。

 

 

 


リフレット(指板修正、ナット交換)します。


新しいフレットは長めに打って、後から余分を切り落として、仕上げます。

全てのアダマスではありませんが、ボディから外してある状態でリフレットします。

 


一番の理由がハイポジション部分がフローティングするためにフレットを打ったり、押し込んだりしづらい為です。


トップも非常に薄い為、強い力が掛けられません。

ボディにセットしてある状態でリフレットするアダマスは、溝を(トップ板上部の指板の溝は)緩くしてフレットをはめ込む感じになります。

 

ボディ側にアジャストナットがある場合は、ネックが外れている時に忘れずグリスアップします。

長い間、アジャストロッドを締め込んであるもの等、アジャストの効き幅が狭くなっている場合があります。

一旦ロッドを戻して、ワッシャーを足して、それから指板修正します。

※どの程度戻すか戻せるかは、その都度違います。

 

 

アダマスではジョイント部に空洞があるモデルがいくつかあります。


この部分には大きな力が掛り、ネック角狂いの一番の要因となり得ます。


今後少しでも変形するリスクを減らすためにエポキシパテを充填して強度を稼ぎます。


但しこの空間は、ずっと奥まで続いている為、ある程度の充填に留まります。

 

 


アダマスやエリートはこの部分のフレットのエッヂ処理が非常に面倒です。


指板面やフレットの両サイドは、すり合わせの際に削り過ぎず、下がらないように気を付けます。

サイドが下がると見た目のカッコ悪さもありますが、1弦側はチョーキング際に音詰まりの原因になる事もあります。


現行のOvationの事は分からないのですが、この年代のエリートやレジェンド以下のモデルのナットには練り物のナットが付いているので、牛骨等の硬質で質量があるナットに交換した場合、音が良くなったと感じる人は多くいます。

カスタムレジェンドやアダマス等上位機種には牛骨ナット装着、セレブリティーシリーズにはコリアンという素材が使われていましたが、あれはナット材としては良かったと思います。


復活!

この頃のAdamasやAdamasⅡには正直、当たり外れがありました。

音がイマイチだったのはトップの接着も要因の一部っだったのかと想像しています。

 

ネックリセット+リフレット / Gibson Hummigbird


前回まで3回紹介したこのHummingbirdもやっと最終回です。

いつもは、メインどころの修理を紹介したら他は省略してしまうことが多いのですが、今回は3回以上に分けて全部紹介しました。

 


ネックを外す際に現在では蒸気は使っておりませんので塗装が痛む心配がありません。

代わりにジョイントの中に多少焦げた後が付きます。

足りなくなった指板の厚みを足して、リフレットもしてあります。

 


リフレットしましたので、ナットも作り直してあります。

フレットが新しくなりましたので、古いナットは高さが足りなくなったり、作りが悪かったりしますので、基本的には作り直します。

 

 


サドルの高さは、狙い通りにドンピシャと行かない場合もありますので、特にリフレットがある場合は難しくなります。

上がる方向、下がる方向、どちらに転んでも良い角度に調整しなくてなりません。

(狙いより多少サドルが高くなりましたが、カッコ悪くは無いです。)


ヒールやジョイントの事を書いている記事がありますので、そちらも見てみて下さい。


ネックリセット」これとか

ネックリセット」これはどうでしょうか。


このハミングさん、やっと終わりです。

お付き合いありがとうございました。

 

 

サウンドホール割れ(段差)/ Gibson Hummingbird

前回3回に分けて紹介いたします、と言ったHummingbirdですが、4回になります。

今回ともう1回。

 


この割れている部分には大きな力が掛るので、耐えられなくなると、力が掛る方向へ割れてずれてしまいます。

弦を張りっぱなしで放置しなければこのような事態は発生しないのですが、仮にこの部分が割れたりしなくとも、他に不具合が発生したと思われます。

このギターの場合はトップが割れてずれている程ですから、当然ネックアングルもおかしくなっています。


過去の割れ修理で貼ってあったクリートを外します。

(途中まで取り掛ってる所です。)

クリートは気休め程度のもので、付いていてもまた割れる時は割れますので、それより割れや力木の修理そのものが重要です。

 


トップに段が付いて割れているのですから当然、力木も剥がれいます。

修理し辛い場所ですが、力が掛る部分なので見落しの無いよう注意します。

 

 

 


段差が無くなるように、ネックを外す前にネックを引っ張って段を戻して割れを修正します。

段差を戻した分のネック角度で、ネックアングルが正常になる場合もあり、ネックリセットの必要が無い場合もたまにあります。


割れと剥がれ修理の後に一応クリートを付けておきます。

付けないと、なんとなく手抜きしているように見られても困りますので、「やったよ!」と言う印です。


このギターは次の更新のネックリセットで終わります。

 

 

クリートと呼ぶ人は少なくもっと分かり易く、割れ止めと呼ぶ場合が多いかもしれません。

このクリート、あっても無くてもと書きましたが、確かにそうなのですが、割れの接着が難しい場合、接着剤がしっかり奥まで入らない可能性がある場合等はクリートも個数を増やして、補強の役目を担いますが、きっとそれも希望、願望、期待…。

しっかり接着をしていれば、わざわざ補強は要らないのですが、しっかり接着がしてあるトップのセンターの継ぎ目から隙間が出来てしまう場合もあり、これも仮にクリートがあったからと言って防げるか否かは神のみぞ知ると言うところです。

ネックや他の事に関しても、まずはそうならないように、日頃の一寸の気遣いが大事です。

 

 

 

 

 

ピックガード貼り直し / Gibson Hummingbird

こちらのギターの修理は、力木ハガレ、ピックガード貼り直し、ネックリセット、と一度に更新しますとゴチャゴチャしちゃいますので、3回に分けて紹介いたします。


ピックガードを貼り直します。

接着する面はきれいに掃除してから貼り直します。

反りがきつい場合は矯正する事もありますがその際、平らにはなりますがピックガードに跡が付いてしまう事があるので、待って消えなければ、なんとか消さなければなりません。

まだ、これという方法が見つからないのです。


一度は貼り付いても、再度反って剥がれてしまう部分もあるので、それも考慮して次なる手も用意します。

ハガレたピックガードを貼り直すことは、以外に大変なのです。

 


特にGibsonの柄入りのピックガードは、ほとんど作り替える事が出来ないので、この手の厚くて固い物や逆にフニャフニャで外側から反り上がってしまう物やDove(Doveガードは柄入りの素材が今のところ入手可)のように崩壊しちゃうもの等、不具合が区々です。

 

 

 

次ももう1度このギターの修理を紹介します。

 

力木ハガレ修理 / Gibson Hummingbird

こちらのギターはネックリセット、ピックガードの貼り直し、力木ハガレ、といろいろありまして1回でアップしてしまうとゴチャゴチャしちゃいますので、修理を分けて紹介します。


バックの力木ハガレを接着しています。

他の力木修理の画像でも確認出来ると思いますが、ボディ内のホコリは出来る限り掃除してから作業に入ります。

接着剤にホコリ等が混ざってしまうと接着材の性能が下がってしまったり、小さなゴミであっても隙間に噛んでしまえば密着しなくなります。

接着の際のジャッキは通常、端に掛けますが、一カ所の力木ハガレには1カ所しかジャッキを掛けられない為、大きなハガレの場合は、1番効率の良い場所を探します。

2本掛けてしまうと、最初に掛けたジャッキの圧力が下がってしまう為、2本掛ける意味が無くなってしまいます。


(ボディをクランプで挟んでバック側の力木を押しています。)

2カ所から圧力を掛けるには外側から位置を変えて圧力を掛けます。

これにより内側のジャッキの圧も更に上がりますので、その分も考慮しなければなりません。

接着の際、クランプ類は沢山使って、もしくはクランプの力でもって接着させようとするのは間違いとは言い切れませんが、その前の準備とバランスが1番大切と言えます。

 


修理は物を直す作業ですが、クランプ等はある程度、力が掛りますのでラッカー塗装等では表面に跡が付いてしまったり、安いギターのネック材等では凹んでしまったり、本来の修理以外にダメージを与えてしまいかねません。

いつも同じような修理ですが、同じ作業にならない事も多いのです。

準備や確認に落ち度が無いようにしなければ上手く行かない事になります。

と自分に言い聞かせています。

 

このギターの他の修理は順次、更新します。

 

 

ネック折れ修理(塗装修正なし) / Greco LPtype


こちらは過去にも同じような折れ方をして修理してあります。


折れた所には、全く接着剤は付いておりません。

当方と同じ修理方法です。

接着が弱ければ、付けた所が再度折れますので、接着剤が付いています。


木ネジが打ってあります。

当方ではネック折れ修理でネジを打つことはありません。

接着の際の滑り防止か補強のつもりかどちらかなのだと思います。


ネジ頭の目隠しがうっすら丸く浮いてきています。

ネジは簡単に抜けず、ねじらないと合わさりませんのでネジの先端を削っただけで、このまま接着します。

 

 

過去のブログ等でも触れていますが、このように再度アクシデントがあった時には、修理し易く、し易い所で折れてくれるのが良いのです。

ほとんど同じ所が折れていると思いますが、接着面(過去の修理部分)は修理していない所より強い為、強度の差が大きい部分が折れます。

 

 


接着後、整形の際にはげてしまった所は基本的には、そのままですが場合により正面のみ簡単修正。

 


こういう古めかしいギターはきれいに仕上げる必要は無いと思いますが、リクエストがあった場合は・・・。


はげてしまっている部分の色むらを合わせて。(もしくは、一旦全部剥いできれいに塗装してから)


改めて、手が当たる部分を擦ってはげさせて、ナイフでクラックを入れて、更にコールドスプレーも使ってプシュー!っと。


 

こう言った、エイジド加工は正直、やった事が無いので自分のギターで練習してみようと思っていますが、忙しいを言い訳に時間を掛けてやってみた事がありません。

クラッキングは入れてしまえば、それなりに見えると思いますが、それでも上手い下手はあると思いますので、じっくり練習してみたいです。

 

塗装修正までやって仕上げる場合は、古い物はそれなりに、雰囲気が新しい物にならないように修理していますが、この歳になっても修行は、まだまだ続きます。

 

 

ブリッジ剥がれ修理 / MATSUOKA Guitar

ブリッジ剥がれは、スーパーグルーで接着してある場合は、剥がれ始まって間もなく一気に剥がれてしまう事も少なくありません。

 

更にクラシックギターのブリッジはフォークギターの一般的なブリッジのように穴を空けてボディの中から弦が留まっているのでは無く、ブリッジの後ろ側から剥がす方向へ全て張力が掛っている為、このような剥がれ方が多いのかと思います。

 

 


 

但し、ブリッジが剥がれてしまうことがダメな事かと言えば、そうでは無いのです。

これは当方のネック折れ修理の考えと共通する部分です。

ブリッジが剥がれてしまうほど、継続して張力が掛り続けてブリッジが剥がれずにいた場合は、張力でトップが歪みます。

ブリッジが剥がれず、トップが歪まず済んだ場合、ネックが反り、さらにはネックの角度も狂ってしまいます。

もしくは、トップが歪んでネックも狂います。

どの修理がお得かと言えば、歪まず、反らず、狂わず、板も割れたりせずに、こんな風に剥がれてくれた方がマシなのです。

 

当方のネック折れの修理の場合は、折れた所を「次、なんかあった時は、ぜってー折れねーよーにしてやらぁー!」と修理してしまうと、次何かあった時は、その周辺は折れなくとも余計面倒な所が折れたり、余計に面倒な折れ方になったりします。

ですので、通常通り扱える強度があればそれ以上の強度は反って邪魔になる事があるのです。

 

 

 


弦を張りっぱなしにする事で、ネックの事ばかり気になる人が大多数ですが、ネックだけの話では無いのです。


ギターや弦楽器を管理するうえで、弦はゆるめ過ぎと言う事はありませんので、一日の演奏が終わったら、弦を緩くして管理して下さい。


弦は緩めるか否かで、色んな事が言われますが、ネックの逆反りだけ心配しても仕方無いので確実に緩める事をお勧めします。

 

「1音だけ下げる」や「ペグを1周り戻す」等ある程度テンションを掛けておく方が良いと言う話も聞きますが、確かに個体によっては丁度良い事もあるかもしれません。

しかし、それには当てはまらず、それではまだ緩んだ事になってない状態の場合もあります。

しっかり緩めておけば、不具合の予防になります。

 

 

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Gibson ES-345


 

ネック折れ修理(塗装修正無し)でございます。

もう毎回毎回大体似たような事なので、書くことが無いのでございます。

 

このブログを毎回楽しみにしていてくれている方々もいらっしゃいますので、なんとか期待に沿いたいのですが、もう随分前からマンネリ化はしていますので、飽きて来ている事と思います。

ネック折れの場合は、ビフォーアンドアフターの画像だけでもそれぞれ違いますので、それだけでいいんですが、なんとか書いてみようと思います。

当方のネック折れ修理は基本的に補強はしない方針の修理なのですが、(初めての方は過去記事にその理由がいくつかの記事に書いてあると思いますので、読んで頂ければ幸いです。)そうは言っても他人の事も気になるのが人情でありまして、文明の利器を駆使して他人の仕事っぷりを見たりしています。

見せたがる人が世界中にホントに多くて、色々勉強になります。

 

 

私も絶対に補強をしなと断言はしてませんし、場合により必要だと思っていますので、「この修理は、いいですな~。」と感心することも勿論あります。

反対に「そら、強度が足りんのじゃないか。」や「気持ちは分かるが、無駄な事やってるな~。」等と一人で楽しんだり、勉強したりしております。

 

 

この「一人で」と言うところが大事で、修理屋はそれぞれ流儀や考えが違いますから、正解不正解ありませんので、こういった所で詳しく取り上げて、そこここがどうのこうの、とやってはいけません。

そのような事を書いている記事があれば、きっと素人さんのサイトでしょう。

実際には、他者の仕事にどーのこーのやってるサイトは、ほとんど見た事はありませんので、他のみなさんも弁えていらっしゃるのだと思います。

それか、自分以外に興味が無い、頑固一徹。玄人職人のイメージの人。

 

 


私も玄人の端くれではありますが、ここまで30年位。


特にインターネットが使えるようになってからは他人の仕事が沢山見られるので、「うまいな~。」「これよりは、上手くなりたいな~。」や、


値段で競うつもりは全くありませんが「安いな~。」と感心したり、「高いけど、良さがわかる。」と想像したりします。


私の場合、他人に興味があると言うより、自信が無いので昔からずっと癖で”見せたがり屋さん”のサイトを見つけては、自分のやってる事に自信を持たせています。

 

 

他工房との違い(補強の要らない理由など)は、当ホームページ内や対面で質問等があれば説明しております。

 

フレット交換(リフレット) / Gibson ES-355


 

新しいフレットが打ち終わって、周りをかたづけて、余ったフレットを切り取る前の画像です。

新しいフレットを打つ前にほとんどの場合、フィンガーボードは調整(修正)されます。

 

フレットを打つにも、フィンガーボードを修正するにも他の作業にも、いろいろな道具があり昔より便利になりましたが、道具によっては頼りすぎると返って上手く行かなかったり、失敗してしまうことになります。

専門工具は、基本的に作業を楽にきれいに、誰がやっても上手く行くがテーマですから動画などでは当然、早くて上手く(注意点等説明しながら)作業を見せてくれてますので、私が若い頃でしたら力加減も分からずにいろいろ失敗したんだろうと想像してしまいます。

始めたばかりの30年近く前は、現在ほど便利工具も豊富では無かったので、私に取っては返って良かったのかと思ったりします。

そして現在までずっと継続で新しい道具を見ては「これ使えそう!」や「良さそうだけど、いちいち邪魔くさいな~。」等と思ったり、「これ使えそう!」買った後→「これホントに使ってる人おるんかな。」と、なったりましす。(昔は感動する工具もありましたが、もうしばらく無いですな。)

 

 

便利工具があっても、間違えて作業してはいけないのです。

アジャストロッドの状態は、ネックの角度は、指板やバインディングの状態は、等に合わせた塩梅の手加減があり、もしくは出来るか否かの判断も当然必要。

やっちゃった後で、「弦高が後0.1~0.2mm下がればベストなんだけど・・・」「後ほんのちょっとロッドを締めたいんだけど・・・」等満足出来ない事や、場合によっては「弾きやすくねーじゃねーか。」ともなりかねません。

 

 


バインディングが真っ直ぐになるまで削ってしまってはいけません。


フレットエッジを削る為の工具もありますが、アレでは斜めに削り過ぎてしまい、カッコよく仕上がりません。


ナット専用ファイルは色んな物がありますが、溝の底の形が悪くて私は使いません。


自分に合った工具を見つける旅は続きます。