折れ、割れ等の修理は、塗装の状態等により仕上がり具合がそれぞれ雰囲気が違いますので、出来る限り沢山見て頂けるよう、ブログの更新頻度を以前より増やしています。
修理に関した事などについては、過去のブログで読んで頂ければ幸いです。
エリートと言うモデルも同じような指板の形状なのですが、アダマスのトップは強度はあっても薄く、指板を密着させずに浮かしてある為、フレットを打ったり押し込んだりするには心配があります。
浮かした指板の隙間にしっかり接着剤が充填されていればエリートの様に打てなくも無いのですが、やはりネックは外して作業する方が安心です。
1日、弾き終わったら、弦は緩めましょう。
しっかり、緩く、緩めましょう。
指板(ハイポジション部)がフローティングされているのですが、ここは上へはねたり、下に折れたり曲がっている事が多く、ネックをセットする際に1F ~最終フレットまで通りが良くなるようにハイポジション部のフローティング具合を作ってやらなければなりません。
何もせずに真っすぐな場合は苦労は無いのですが、大概いつも上から押さえたり、下から持ち上げたりして指板の通りが良くなるようにフレット交換前の指板を修正します。
そのような事によりネックの角度や、指板の厚み等で個体により隙間(フローティング)の大きさが区々になります。
最初期のアダマスは接着無しの完全なフローティング状態がオリジナルですが、音詰まりする場合は已む無く接着したり、共振を押さえる為に指板の先端だけ緩衝剤でトップにくっ付けられてある事もあります。
完全オリジナル状態を維持したい場合は、少々の不具合は我慢しましょう!
何事も思い通りにはならないのであります。
いつもお世話になっております。スタッフの山口です。最近僕の担当回はGibsonが続いていますが今回もGibsonです。60年代J-45のロッド交換とネックリセットというかなり大掛かりな修理を見て行きたいと思います。
ロッドが限界まで締め切られていて効かなくなっています。角度も狂っていてネックも順反り、ロッドも効かない。ネットオークションなどではあり得ますが、定評のある某ギターSHOPがこのまま売るわけには行かないコンディションと言えます。ということでご依頼に感謝して進めて行きましょう!
無事に古いロッドを抜いたら今回はネックリセットも同時に行いますのでダブテイルスポットを温めます。画像の通り指板を剥がしてジョイント部が見えていますので効率よく温められます。通常のネックリセットよりも安心安全。
折れちゃった事は非常に不運でございますが、その不運を不幸中の不幸にしてしまう事はホームリペアにて失敗してる場合、更にまた付け直しちゃったり、補強しちゃってる場合等はどんどん面倒になってしまいますので、出来れば現状維持のままキープでお願いいたします。
ブリッジの剥がれた隙間に接着剤を差し込んで接着する場合も無くは無いですが、その場合は圧着せずに充填接着します。
何故、圧着しないかと申しますと、ブリッジが剥がれている場合、接着面は反っている事がほとんどなのでクランプしても密着しないのです。
無理にクランプしてくっ付けてもブリッジが反っていますので、いずれ剥がれてきます。
剥がさず部分接着するならば、あくまで簡易的な修理と考え、圧着はせず充填接着します。
ブリッジが反っていなくて隙間が出来ている場合もありますが、接着剤はスーパーグルーで、その量も足りていない場合に反らずに剥がれている事が多いように感じます。
弦を緩める理由はネックへの負担だけでは無く、ブリッジ、トップ板、等いろんなところに弊害が出る事を予防する為です。
山口君もブログを書いてくれるようになって、修理の手順なんかも書いてくれますので、私の方はますます文字が少なくなってビフォーアフターの画像のみになってしまいそうです。
山口君には出来るだけ、あーやれこーやれ言わない様にしていますので、私と同じようで違う所もあります。
このリフレットにしても、最近は「ネックジグ」なる道具も駆使して仕事の精度が上がるよう努めていますが、ネックジグの使い方もわたしと若干違うようです。
あーやれこーやれ細かく言ってたら、うまく行ってもわたしと同じ程度にしかならないって事になってしまいます。
師匠とか先生等と言われてる人は、私のとこに来た以上は、私程度より上手くなる(する)には…と、難題に苦慮しているはず。
折角いいボール投げたり、打ったり出来るのに、フォームいじっちゃって、わけわかんなくしちゃうのは1番やっちゃダメ。
怪我しない様にする事が先ずは、教える人の仕事。
そうは言っても、怪我しちゃうんだよな。
「怪我の功名」なんてのもあって、話が終わらなくなりますので、また今度。
お世話になっております。スタッフの山口です。今回は貴重な1930年代のGibson L-00のネックリセットです。
少しずつブログを意識した写真が増えてきましたが、今回は修理前の弦高を撮っておりました。
サドルはギリギリまで削っているのに4mm以上の弦高です。一般的なアコースティックギターでは6弦側12フレットで2.5mmくらいが好まれますのでネックリセットで改善したいと思います。