修理実績

サウンドホールを塞ぐ / フィードバック対策

フィードバック対策で、サウンドホール塞ぎのご依頼。

ライブ専用ですので、脱着不要でお任せしていただきました。

ボディが薄く、手が入り難いので、今後いろいろと作業し易くなるように裏の穴を増したり、広げたりしても構いません。との事。

確かに、反対側のサウンドホールには、指先が届く程度、だからと言ってすぐに穴なんか開けちゃっっちゃダメです。

プリアンプも着いていますので、外せばそこからもアクセスできますし、いろいろ考えます。

材料は、化粧版が着いた4mmの合板。

両面テープでは、遠い方は圧着し切れないので、両方とも接着、接着固定は、プリアンプ側から、長いクランプを使います。

接着後は塞いだ部分を塗装をするのでなるべくきれいに接着して、塗装前にきれいに出来るように。

貼ってある様子。反対側は写せませんでした。

裏のふたを開けておけば、フィードバックの軽減は出来ると思いますが、それだとギターから自分へ伝わって来る物も減ってしまいます。

自分ギター自分ギター・・・これが大事だと思います。


 

こちらのオーナーは、シンガーの小林洋一さんですが、小林さんもギター好きだと思いますが、大体、特にシンガータイプの方は、ギターありきの人が多いと思います。

小林さんは歌ありき、歌い易くする為に、ライブで使い易くするために、徹底しています。

J-160Eなどは、ここまでやる?って位のギターになってます。

思いは、重いと日頃言っていますが、だからか、J-160Eの重いこと。

ギターとの関わりも、おもい、おもいですね。

小林洋一さんのブログ

 

ネックリセット / Gibson TG-oo

今回はちょっと珍しい4弦ギター。テナーギターです。

角度が悪いので、いつものようにネックリセットです。

塗装が焼けてしまわないように、なるべく早く外してやらないといけません。

ギリギリセーフ、これなら塗装修正をしなくても大丈夫です。

(蒸気を使ってネックの接着を外しますので、時折塗装が焼けてしまう場合があります。)

サドルの高さもいい感じに。

ヒールラインもきれいに密着。


今回はリフレットは無し。


ギターとは思えないネック。


シリアルNO.も見えませんので、分かりませんが、30年代でしょうか、雰囲気も音もとても良いです。

 

ネックリセット / YAMAHA L-10


 

Yamaha  L-10 のネックリセットです。

ボディ材がインディアンローズとハカランダ(ブラジリアンローズ)の2週類があり、こちらはハカランダボディ。

今の時代、ハカランダを使うには、最上位機種でなければ中々使うことがありませんが、この時代はまだ多少贅沢な使い方が出来たのでしょうか。

 

サドルは、高過ぎず、低過ぎず。

ネック角度は、ヒールを削って調整しますが、ただ角度が着けばよいわけではありません。

現行品のマーチンやギブソン等のサドルは高めの(ネック角度がきつめ)のセッティングであったり、古いギターは高くし過ぎず、雰囲気も気にしますが(構造上、高く出来ないものもある為)、基本は高すぎず、低過ぎず。

指板やフレットに難が無ければフレットすり合わせ、難があれば、指板修正、リフレットも作業に加えます。

当方、ネックリセットの際のリフレットは、通常リフレットより割安でやりますので、状態が然程悪くなくても、フレット交換の時期であれば、一緒にやってしまえば改めてやるよりお得です。

ナット交換も込みです。

ヤマハはヤマハの雰囲気に仕上げます。

ちょっと暗っぽいですが、板目のカッコよい、ハカランダです。

柾目の方が高級ですが、個人的には板目の方が好きですね~。

 

ネック折れ(塗装修正なし)/ Gibson Firebird


ネック折れ。


このペグはカッコよいのですが、重いです。


今回も接着のみの塗装修正なしで仕上げます。


完了ですが、まだ折れているんじゃないか、と言う位割れの跡が見えます。


塗装修正有りの場合、この割れ跡を分かり難くするには、この部分を濃く色をつけてぼかしたり、これは当方ではやってませんが、ナチュラルっぽい色で塗りつぶして、木目を書き入れる業もあります、これは頑張ってやって、上手くいくと達成感があるのですが、落ち着いてみると気持ち悪かったりします。


他には割れ周辺、もしくはネック全体の塗装を剥がして、下地から調整し直して、塗装し直せばある程度きれいにいくのですが、それでも筋が多少残ったりまします。


 

ライブなど演奏活動メインの方は、通常使用で支障が無ければ、塗装修正なしの仕上げで修理する事が多いですが、何れにしよ塗装修正有りの場合は、ナチュラル仕上げは色を付けて、なんとなく自然な雰囲気を出せないので、とても難しいです。

 

ナチュラルのネック折れをなるべくきれいに仕上げる場合は、どのような方法にするかお客さんと良く考えて決めます。

 

バインディング剥がれ / Martin

バインディング剥がれです。セルが縮んで接着力が足りず、剥がれます。

メーカー、メーカーでウイークポイントは何かしらありますが、Martin の場合はバインディングが剥がれやすいです。


接いであるヒールキャップ下までカッターで筋を入れてから慎重に剥がします。

ですが、その際どうしても塗装が多少チップしてしまいます。


自然に剥がれたバインディングは、塗装がきれいに分離してはがれているので、剥がれの範囲が大きい(長い)方が都合は良いです。


密着させて貼りなおしますが、場所によりバインディングの厚さが多少違いますので、ずらした場所ではピッタリいきません。


多少凸凹した所は削って磨き、ヒールキャップ下の足りない所はバインディングを足します。

 

ほとんどやる事はありませんが、今回は珍しく、塗装の修正まで行きます。

小さく欠けた塗装部分だけ塗装は出来ませんので、大きい面積で吹かなければなりません。


ですので、非常に面倒ですが、


仕上がりも、修理費も良い感じです。

 

ネック折れ修理(塗装修正あり)/ Gibson LP


ネックが折れていますが、いつもと少し状況が違います。


つけても、つけても折れちゃって、そのうちどうでも良くなっちゃった感じでしょうか。


これ、「修理工房にて修理済み」で買って、届いたギターだと言うのですから、酷い話です。


折れた跡が隠れ辛いものは、やはり色が多少濃くなります。

ナチュラルカラーの場合の着色は、するのか、しないのか、薄くか、濃くか、ご相談の上。


一番大事なのは、今後通常使用でまた、ヒビが入ったりしないように修理することですので、


「塗装修正あり」の修理でも、「なるべくきれいに」 が目的ですので、元通りになると言うことではありません。悪しからず。

最近は、レスポール等も中古で安く買えるようですが、気に入ったギターは直すしかありませんね。

こちらも鳴らしたら、音が良かったので、修理したそうです。

確かに、ナイス音!でした!

 

ボディ破損修理 / アコースティックギター


 

お世話になっているショップからの依頼です。

何らかのアクシデントにて破損してしまったそうです。

破片とバインディングの一部は、その際に無くなってしまったらしいです。

修理は毎回毎回、特にこういった、破損の場合には、考え考え始めるのですが、今回は取り掛かるまで、いつもより時間が掛かった気がします。

破損はこの一部ですが、なるべくきれいに直そうとすると割れの延長線上広範囲に及んでしまいます。

それも仕方ないと言う条件を踏まえつつ、いろいろ考えます。

考えが決まり作業が途中まで進み、上手く行かなかった部分をリカバリー出来ず、貼った木を剥がして捨て、再度やり直して、なんとかゴール。

 


ゴールなのですが、最初に採った木目の方が寄り近かったかな、と言う思いを残しつつ・・・


完了。


修理部分の接着材の跡が黒っぽく染みていますが、割れ跡等、痛々しい感じはありません。

 

ヒールキャップ交換 / Martin

ヒールキャップの交換ですが、例によって最初の画像を撮り忘れていますので、完了後に上に外したキャップを乗っけて撮影しています。

 

白い材料で作り直してから着色してトップコートを吹いています。

肉眼ではバインディング部と色合いは割とそっくりなのですが、おそらく古い塗装と新しい塗装の反射率の違いだと思いますが、思ったようには撮影できません。


ちょっとづつ角度を変えてみたり、


色合いを変えて撮影しましたが、


角度が悪いと、ヒールキャップとバインディングの色合いが全然違います。

 

ネックリシェイプ / Martin ooo-28EC


こちらは、ネックの角度が悪くて、弾き難い為、ネックリセットのついでに予てから考えていらしたリシェイプをします。

肉厚のVシェイプのネックを薄く、出来るだけ薄くというリクエストです。


Martin の場合、ロッドが指板寄りに入っていますので、削りすぎて出てきちゃううんじゃないかと言う心配はないのですが、あまりやり過ぎると強度に影響が出てしまいます。


目標値まで削りましたら、形を整えて一度見ていただきました。

見て頂いた後、「もう少し薄く!」 と言う事で、更に削って仕上げに入ります。

「年齢的に、あと数年もてばいいですから。」とユニークなお客様。


全部塗り直すのは面倒なので、ヘッド部分は残して塗り直し、元より多少濃い目の色合いに。


最初にノギスを当てた画像を撮っておけば良かったと、削り始めてからずっと思ってる、いつも何か撮り忘れてしまいます。


リセットもきれいに出来ました。


近年物のMartinのジョイントは緩い物が多いですが、リセットでしっかりジョイントできました。


 

今回のネックリシェイプは、全面的にお任せ頂いたので、受けさせて頂きました。

弦高が低くなって、グリップが変わって、今までとは全く違うギターになったのではないでしょうか。

昔、気に入っていたギターのグリップのイメージがあるそうで、「そう!こんな感じだった。」とおっしゃっておられたので、良かったです。

 

 

 

プリアンプ交換Ovation1617-1 / Fishman


 

Ovation に Fishman  Ellipse Matrix Blend をつけました。

マトリックスブレンドですが、ピックアップはそのままオベイションの付いているものを流用しました。

その方が見た目も自然ですし、手間も省けます。

古いOvationの電気周りのパーツ(その他のパーツも)の在庫がなくなり修理、交換がほぼ出来無くなってきています。

神田商会へパーツの問い合わせをしても詳しい人がいらっしゃらないので、修理扱いで本体ごと預けて、実物を見ながら探して、数日後パーツが有りませんので、修理不可です。となります。

この面倒なやり取りを過去2~3度やっていますので、お客さんと協議やり取りの結果、チョイスしたのがFishman。

コンデンサーマイクは、使う際によい位置に合わせていただきます。

 


 

↑ サウンドホールに取り付けるプリアンプは、オーソドックスなギターであれば大体そのまま付くのですが、Ovationの場合、安定して付く場所が無いため多少工夫しなければなりません。

クランプの反対側にある同じこの薄い力木が邪魔でプリアンプが付かないのですが、取っちゃう訳にもいかないので、同じ高さになるように板を足します。

クランプで平らに、同じ高さの板を、付けたらサンドペーパーを掛けてちゃんと平らにします。

 

ジャックは、エンドブロックに取り付ける為の形状となっていますので、エンドブロックがあれば、ボディエンド部のピンの位置へ取り付けたい所ですが、ブロックがありませんので、元のジャックの穴を生かします。

ジャックの形状上、強度や安定性を重視してブロックを取り付けて固定。

元々のプリアンプの位置は、ネックヒールの横、そしてバッテリーボックスの取り付けボタンがボディのくびれ部分にあり、そこは同じような雰囲気で塞いであります。

新しいプリアンプで心配なく、使って頂けることと思います。